大福 りす の 隠れ家

小説を書いたり 気になったことなど を書いています。
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辰刻の雫 ~蒼い月~ リンクページ

2021年11月15日 22時18分42秒 | 辰刻の雫 ~蒼い月~ リンクページ
『辰刻の雫 ~蒼い月~』 目次



第 零回
第 1回第 2回第 3回第 4回第 5回第 6回第 7回第 8回第 9回第10回
第11回第12回第13回第14回第15回第16回第17回第18回第19回第20回
第21回第22回第23回第24回第25回第26回第27回第28回第29回第30回
第31回第32回第33回第34回第35回第36回第37回第38回第39回第40回
第41回第42回第43回第44回第45回第46回第47回第48回第49回第50回
第51回第52回第53回第54回第55回第56回第57回第58回第59回第60回
第61回第62回第63回第64回第65回第66回第67回第68回第69回第70回
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第81回第82回第83回第84回第85回第86回第87回第88回第89回第90回
第91回第92回第93回第94回第95回第96回第97回第98回第99回第100回
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第151回第152回第153回第154回第155回第156回第157回第158回第159回第160回
第161回第162回第163回第164回第165回第166回第167回第168回第169回第170回
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辰刻の雫 ~蒼い月~  第11回

2021年11月15日 22時17分07秒 | 小説
『辰刻の雫 (ときのしずく) ~蒼い月~』 目次


『辰刻の雫 ~蒼い月~』 第1回から第10回までの目次は以下の 『辰刻の雫 ~蒼い月~』リンクページ からお願いいたします。


     『辰刻の雫 ~蒼い月~』 リンクページ




                                  




辰刻の雫 (ときのしずく) ~蒼い月~  第11回



「手を添えてどうなった」

「冷えが身体の中から出て行った」

「手を添え何をした。 いや、待て。 その前に何故体の中にヒトウカの冷えがあると分かった」

「ヒトウカの冷えって分かったのは、あとからセノギさんに教えてもらったから。 だからその時はヒトウカの冷えによるものだってことは知らなかったけど、その人の身体を支えようと思ったら普通じゃない冷たさを感じて、改めてその人がリラックスをしている時に見たら身体の中にある冷えが視えて、それが足の裏から少しずつ漏れてるのが視えた」

小学生並の作文が終わった。

紫揺の話は短くても訊き返さなくてはならないところがある。 ましてやこの作文は長すぎる。 もっと要所を掴んで短くし、その分説明の足りないところを補って欲しいと心の中でマツリが思う。

「りらっくすとは、何をしていた時だ」

「あ、ああそっか。 何もしてなくて楽~にしている時」

最低限でもカタカナを使っては通じないのだった。

「身体を支えたと言っておったが、それほどに悪かったのか」

「膝がやられていたこともあったけど、かなり身体の中が冷えてたから臓器もまともに動いてなかったと思うし、身体中の筋肉や骨、筋も固まっていたと思う。 私も二次的に冷えにあたったから分かるけど身体がまともに動かなかった。 立つことも出来なくなったし」

(それで抱き上げられたということか)

北の領土にいるヒトウカの冷えがどういうものかは知っている。

「身体の中の様子が視えたと言ったが、どんな風に視えた」

「うーん、と・・・。 そのヒトウカの冷え? が見えたのかな? 煙みたいにボワボワしてた。 濃い所や薄い所も視えたし、その流れも視えた」

(だから足の裏から漏れているのも視えたということか)

それを五色の紫の目で視たのか。

「手を添え何をした」

「んっと、日本のことはもう知ってるよね?」

「ああ。 そのような地があるというのはな」

「別によく知らなくてもいいけど。 日本には気功っていうのがあって、身体に悪い気や合わない気を身体から出したり、身体に良い気を身体の中に入れたり、身体の中の気を循環させたりコントロール・・・調整する手法っていっていいのかな? まぁ、そんなのがあるわけ。 で、私にはそんなことが出来ないけど、それを頭の中で想像しながら真似事のようなことをしただけ」

「・・・」

返事がない。 そう言えば段々と歩みが遅くなってきている。 マツリを見上げる。
そのマツリは難しそうな顔をして右手の指先を口に充てている。

「マツリ様」

肩の上からキョウゲンが呼ぶ。

「あ? ああ」

手を下げると歩みの速さを元に戻す。

「紫の力として現れたのは癒しの力であろう。 紫が “キコウ” というものを見て知っていたのが知識の中にあったからと考えるのが妥当であろう。 紫の力は紫自身が熟知していなくとも、そこから紫自身が広げていくことが出来る。 煙のようにヒトウカの冷えが視えたのは目で見たのか、別のところで視たのかは分からんが、どちらにしてもそれも紫の力だ。 だが・・・」

だが余りにも紫の力が強い。 まだ力の事をあまり分かっていない筈なのに。 本領でも今居る五色の中で紫の力を現す者がいないというのに。

マツリの言葉が止まった。 同時に疑問も生まれた。
紫揺はマツリの言葉を心の中で復唱しながら、シキに言われたことを思い出していた。
シキは五色の持つ力は基本だと言った。 そこからどう変えていくのか、広げていくのかは五色次第。 理解の仕方、気持ちの問題であると。

自分は治したいと思った。 そして気功を真似てやればどうにかならないかと思った。 いやその前に、ヒトウカの冷えがまるでドライアイスの煙のように視えた。 そのどちらも紫の力なのか。 いやもっと前にハンに冷えを感じたのも紫の力なのだろうか。

ハンはずっと痛みを堪えていた。 膝が悪いのは分かっていた。 何故だ。 痛みを堪えていたのがどうして膝だと分かったのだろうか。 影と呼ばれていた者たちは紫揺の前に姿を現した時には片手片膝をついて動かなかったのに。

(もしかして唱和様から封じ込めの話を聞いたから?)

封じ込められた人たちを哀れんだ・・・いや違う。 どれだけ辛かっただろうかと心に添いたいと思った。 それもあって無理矢理に封じ込めを解除するようなことをしたくなかった。 だから自ら封じ込めを解除したいと申し出るまで待った。
添いたい、心に添いたい。 それが紫の力の元なのだろうか。

「・・・だが、なに?」

マツリの言葉に戻した。
マツリが考えを置いて己にあった疑問を手放す。

「ヒトウカにあたったということは北の領土の者のことだろう」

紫揺が頷く。 マツリの目の端にそれが見える。

「さっきの話は北に入った時の話しか」

「あー、えっとぉ・・・」

言い辛い。
本領まで足を運んだあととは言えないが、どう言っていいのかが分からない。 仕方がない。 東の領主を巻き込まないように言うしかない。 それで駄目なら、最後には、ケンカしかない。

「本領で唱和様の封じ込めを解いたあと」

「どういうことだ、あのあと北の領土に入ったというのかっ」

声を荒げてはいないが、語尾に力が入っている。

「入ってない。 日本の北の領土の屋敷の外」

「あのあとニホンをフラフラしたというのか!」

「唱和様が封じ込めをかけた人達の解除に行っただけ。 それくらいいいでしょ? 唱和様だって気にされてたんだし、その人達を放っておけるわけないじゃない。 マツリだって見たでしょ、唱和様が封じ込めを解除された後の姿を。 あのまま解除されなかったら一生自分のことを思い出せないし、かなりの身体の痛みに一生襲われるみたいなんだから」

マツリが大きな息を吐く。

(あれ? 終わり?)

喧嘩ごしに何かを言ってこないのか? こっちは心の中でファイティングポーズをとっているというのに。

「父上に・・・本領領主にそれを言うのではない。 分かったな」

四方がどれだけ東の領土から洞を潰すのを長引かされたことか。 その理由がこんな事と知れば東の領主が四方から何と言われることか。 終わったことをまたひっくり返して事をややこしくする必要などない。
それにそう考えるのがこの紫なのだろう。 だから今もこうしてリツソのことが心配ですぐに行動を起こしたのだろう。

「分かった・・・」

心の中で構えていた手をそっと下ろす。

「では、紫がその力を出したのは、紫の、紫の色の力の事を姉上から聞いた後ということだな」

「そう」

「・・・力の事を納得出来た後ということであれば、紫の力が出てもおかしくはない」

先ほどまでは何も知らない紫揺がどうして紫の色の力を使えるのかと思っていたが、そういうことならばと無理矢理ではあるが納得が出来る。

「そういうもの?」

「五色としての力は納得できずとも知らずと出てしまうが、紫の力はそうではない」

知らずに力が出てしまうシキの言っていた困ってしまう五色。 それに以前の自分はピッタリと当てはまっていた。 いや、今も自信はない。

「唱和様に封じ込めをされている北の領土の人達が残ってるって聞いて、洞も潰されるから本領から帰った後にすぐに行ったんだけど」

ここで紫揺が一旦言葉を切り顔を下げた。 マツリがチラッとその下がった頭を見る。 五秒ほどで紫揺の顔は上げられた。 マツリが視線を前に戻す。

「その人達がどれ程辛かっただろうって思った。 その人達に自覚は無いだろうけど。 でも、だから・・・心に添いたいと思った。 ・・・それが、紫の、紫の色の力の元になるの?」

さっき考えていたことを訊いた。 この問いに “是” とマツリが答えれば今回のことは分かったような気がする。 でも “否” と答えられればもう自分では考えられない。

紫揺が顔を上げてマツリを見る。 マツリは前を向いている。

「紫の力はそれぞれの心の持ちようで変わる。 お前がそう思ったのならば疑う余地などないが、力を出すという気持ちが無ければ出すことは出来ん。 その時に五色の力、赤か青かを使ったか」

「使った。 つもり。 自信はないけど。 出来てたはず。 シキ様から聞いたようにやったつもりだから」

一言づつを区切っている。 それは紫揺自身が言ったように、自信がそれほどまでないということだろう。

「姉上から?」

「内に出す力? 赤の力で自分に冷えが入ってこないようにしてた」

「だが冷えにあたった。 失敗していたのではないのか」

「此之葉さんが一緒に居たけど、此之葉さんがすぐに寒がったから、失敗してたら早々に倒れてたと思う。 足の裏と喉に赤の力を使ったけど、まさか皮膚から入ってくるとは思わなかったから」

皮膚から入ってきた、それは皮膚呼吸のことを言っているのか。

「そういうことか。 ではその時に・・・それを切っ掛けに紫の力が作られ出たのだろう」

力が強いと言っても、いくらシキから教えられていたと言っても五色としての経験は浅すぎる。 切っ掛けでもなければ紫の力は出せないだろう。
だがそれにしても力が大きすぎる。

「そっか・・・」

「お前の場合、紫の力は慈愛というものから始まるのかもしれない。 それは紫の力に一番要求されるものだ。 紫の色の力、強いては紫自身の力をお前自身信じるが良い」

「紫の力を私が信じる・・・」

先ほどからちょくちょくとお前と言われているが、紫揺はそれに気付いていない。 言葉としては聞いてはいる。 だが少々不安を持ちながらの話しである、その不安にマツリが答えてくれているのだから気付くはずもなかった。

「あれ? 解決しちゃった・・・」

シキに訊こうと思っていたのに。

「何をしておる」

マツリが洞に手を入れている。 先程まで岩壁だったところに洞が口を開けている。 いつの間にか足を止めていたようだった。

洞に入るとすぐにキョウゲンが飛んで行き暫く歩いていると戻って来たが無言の時が流れていた。

そのまま洞を出て本領の岩山に出た。 前後にずれているとはいえ、紫揺を岩山側に歩かせマツリが崖側を歩いている。

(へぇー、そんな気遣いが出来るんだ)

いや、本来ならそれ以上に出来る。 紫揺がシキであれば手を取っていることは間違いない。

岩山を下りてきたマツリを見て見張番の一人が驚いた顔をした。

「マツリ様、どうして・・・」

隣に居る紫揺と交互に見る。

「姉上が気に入っておられる東の五色に逢いたいということで連れてきた。 馬の用意をしてやってくれ」

「シキ様が? どうして・・・」

「そろそろ宮帰りをされたそうだったのでな、父上がまだ早いと仰るし、可愛がっている東の五色と話でもされれば楽しくなるだろうと早馬に文を持たせたら、すぐにでもということであった。 だから五色だけだ。 一頭頼む」

(まずはコイツか。 あとの者は洞の中か)

今朝はリツソも探さずどこかの領土に飛んだことは分かっていただろう。 きっと何か引っかかっていたはず。
だからシキに宮帰りをさせないようにとわざと言った。 リツソが居なくなったことをシキに隠していると受け取るだろう。 そうすれば今朝リツソを探さず東の領土に飛んだ理由が分かるだろう、そう解釈するだろう。

「あ、はい。 すぐに」

見張番が走って洞に向かった。

「どうして嘘を言うの?」

「・・・他言はするな」

この性格でよくも黙っていたものだ。 感謝の言葉を言わなければいけないだろうか、などとそんな気もなく考える。

「あの人が変だったから?」

「変?」

「だって・・・キョドってるって言うか・・・」

「きょどって?」

「ああ、えっと。 挙動不審の目をしてた」

「・・・」

(コイツはけっこうな人観察が出来るのか?)

それなら自分のことも見えるだろうに。

(ああ、待てよ。 人は自分のことは分からないと書いてあったか・・・)

『恋心』 に。

「マツリ様」

黒髪を後ろで束ね髭も濃く、鼻の下から続く髭が顎にまで続き、長い逆三角形を作っている男が現れた。
先ほどの男と同じく半袖で上から被るタイプの上に皮を細く切ったものを編み込んだベストを着ていて、下穿きは筒ズボンだろうか長靴の中に入っていて裾が見てとれないが、いずれにしても濃淡こそあれ、岩山と似た色である

「剛度(ごうど)、久しいな」

紫揺が初めてここに来た時に東の領主とも話していた男だ。

「いつもキョウゲンと飛んで行かれますから話す間も御座いませんので。 今日はお珍しい、徒歩(かち)で御座いますか?」

「ああ、東の五色に来てもらわねばならなかったが、領主には来るのを断ったのでな」

「聞きましたらシキ様のお相手をされにと? シキ様も宮帰りをされたいでしょうに」

洞の中から三頭の馬が曳かれてきた。 一頭は紫揺が乗るために。 もう二頭は紫揺の乗る馬の前後をかためるために。

「まぁな。 馬の調子はどうだ?」

曳かれてきた馬の首をポンポンと叩きながら問う。

「まぁまぁと言うところで御座いましょうか」

「歳を老いてきては無理がある。 何かある前に官吏に申し出るといい。 何頭いたか?」

「常は九頭で御座います」

「七頭と思っていたのは覚え違いだったか?」

「それは随分と前の話しです。 随分と前に一人増えまして。 最近増えたのがさっきの奴です」

「二人も? ということは全員で十八人ということか。 では九人づつ?」

一日に二交代制であるのは知っている。

「はい。 そんなに必要とは思わないんですがね」

「官吏にはちゃんと言ってあるのだろうな」

給金を払わなければいけないということを言っている。 だが遠回しに別のことを訊いているがそれは剛度の知ったことではない。

「もちろんで御座います。 その官吏から言われましたもんで。 上から言われりゃ断り切れませんで」

「ならばよいが。 そうか、姉上の婚姻の儀のおりには足りなかったということか」

東の領土から三人、西の領土から二人、南の領土から七人、北の領土から二人、合計して十四名がこの岩山を通ってきた。 ましてやその前後も固めなくてはいけない。 到底、見張番の人数では足りない。

「そこのところはちゃんと官吏に言って助けを用意していただきました」

「そうか。 毎日、苦労であるな」

「これが我らの仕事ですから」

台にも乗らず紫揺がもう馬に乗り鐙(あぶみ)を合わせている。

「我は先に飛ぶが紫は先に父上への挨拶を済ませねばならん。 宮まで頼む」

紫揺の前後を固める男たちに言うと、マツリの肩からキョウゲンが飛びマツリが地を蹴る。

「では行きましょうか」

初めて本領に来た時に紫揺を前に乗せ支えてくれていた男だ。 その紫揺が次に来た時には一人で乗って行くと言ったものだから驚いたが、なんのなんの、安定して乗っていたではないか。

「はい」

岩山を三頭の馬が降りて行く。

いま剛度を除く見張番の誰もが信用できないが、紫揺の前後を固める人間は随分と前から居た者たちだった。 それに長くは視られなかったが、最初に見た者のように目の中に禍(まが)つものは視えなかった。 剛度のようにじっくりと見たわけではないから、まだ何とも言えないが紫揺を預けてもいいだろうと、わざと先に飛ぶところを見せた。

「まさか見張番に魔釣をせねばならんとはな・・・。 それにしても官吏が絡んでいたかもしれぬということか」

それならば納得の行くところが出てくる。

俤(おもかげ)がリツソの攫われた日、昼過ぎからバタバタと動きが活発になったと言っていた。 地下から出たり入ったりしているようだと。 そして夕刻過ぎにはリツソを攫って来ていた。
見張番からの情報だけではマツリがどこに飛んだかも、どれくらい居るのかも分からない。 

だが官吏から東の領土の祭に飛ぶと聞いていればすぐに帰ってくるはずがないと思っただろう。 そして見張番から確実に本領を出たと聞けばリツソを誘い出すことくらい容易い。

その官吏が勉学の師から逃げてきたリツソに珍しい蛇の抜け殻でもあるとでも言えば、ホイホイと宮の外に出ただろう。
官吏が手を出さなくともリツソが一人で出たのかもしれないが、そこで誰かが喉が渇いただろうとでも言って、薬草の茶でも飲ませれば簡単に済むことだ。

マツリが口を歪める。

「父上に口止めをお願いしておいてよかったということか」

リツソを連れ帰った日、リツソを見た者に口止めをしている。 未だリツソのことが地下に漏れていないとしたなら、言い変えればその者たちは信用ある者ということになる。

「地下に行かれますか、それとも宮に?」

本当ならこのまま地下に行きたいが紫揺を放っておくことも出来ない。

「・・・そうだな」

ある人物達を思い出した。

「いったん宮に。 その後に地下に飛んでくれ」

「御意」

もう紫揺の事は見張番に任せていれば良い。 馬より速い速度でキョウゲンが上空を飛び去った。

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