大福 りす の 隠れ家

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辰刻の雫 ~蒼い月~  第78回

2022年07月08日 21時02分11秒 | 小説
『辰刻の雫 (ときのしずく) ~蒼い月~』 目次


『辰刻の雫 ~蒼い月~』 第1回から第70回までの目次は以下の 『辰刻の雫 ~蒼い月~』リンクページ からお願いいたします。


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辰刻の雫 (ときのしずく) ~蒼い月~  第78回



塔弥に言われ迷ったが、此之葉がマツリの向かい側に座り、ゆっくりと腹の辺りまで布団をめくった。 少々ガザンが邪魔だがガザンが動こうとしない。 紫揺の身体と共にガザンの身体も露わになってきた。 ガザンの手が紫揺の胸の上に置かれている。

マツリが紫揺の頭に手をかざしゆっくりと下げていく。 首の下まで来ると手前の腕に添わせ、またゆっくりと首の下まで戻し反対の腕に添わせる。 再びゆっくりと手を添えて戻してくると、胸の上に置かれていたガザンの腕を反対の手で浮かせ、胸の辺りを通過しガザンの腕を元に戻さず紫揺の身体から離した。
ガザンはマツリに腕を取られても、場所を移動されてもそ知らぬふりだ。

そしてマツリが手を胸から徐々に下ろしていく。

「全て剥ぐよう」

此之葉がうろたえた目で塔弥を見る。 紫揺を見ないよう横を向いている塔弥が頷く。 震える手で此之葉がゆっくりと布団をめくっていく。

マツリの手が下腹から片足に添い、またゆっくり戻ってくるともう片足に添わせた。
「ふむ」 と言って手を己の膝の上に置く。

「布団を被せよ」

すぐに此之葉が紫揺に布団を被せると、もれなくガザンの身体も布団に覆われる。

「紫が五色の、紫の力を使ったと聞いておる。 塔弥からは体力の消耗と冷えがあると」

「・・・それだけでは御座いません」

此之葉が口を開いた。

「それは」

「紫さまは憂いておられました。 私がその憂いに添うことが出来ませんでした」

その元の原因は己だろう。

「その憂いは我が知っておる」

「え?」

「知っておると言うか、我が原因だ。 だからと言って逃げた言い方をするわけではないが、最初に我のことが原因で精神的に良い状況ではなかった。 どちらが先かは知らんが、そこに五色の、紫の力を使い身体を弱くし、そして体力の消耗と冷え。 いま紫の身体を視たがとくにおかしく思えるところは無かった。 悪いことが重なったのだろう。 薬湯はどんなものを作った」

「解熱で御座います」

「ふむ」

唇に指を当て考える。 間違ってはいない。 これだけ顔が赤いのだ、一番に解熱であろう。 だがそれが有効的に効かない・・・。
紫揺はこの地で育ったわけではない。 この地の薬湯が効かないのだろうか、それともこの地の薬湯に即効性が無いのであろうか。

「本領に戻り本領の薬湯を持って来よう。 それまで他の薬湯は飲まさぬよう」

どうしてそこまで紫揺を案じるようなことをするのだろうか、マツリ自身が言っていたように原因というものがマツリだからだろうか。

「ですが・・・」

「紫は元を辿れば本領の地の者だ。 たとえ何代も前から東の地で暮らしていたとはいえ、紫自身はニホンで暮らしておった。 代々が東の地で育ってきた身体より、本領にいた時の身体に戻っておるかもしれん」

「ですが、紫さまは今までにも何度か倒れられました。 その度にこの地の薬膳や薬湯でお元気に戻られました」

―――何度も倒れたのか。

「すぐにか?」

こんなに熱を出したことは無い。

「今ほどではなかったので」

此之葉が頭を下げる。

「我も責任を感じておる。 本領の薬湯が合うかどうかは分からん。 試してみるだけだ」

そう言い残し、すっと立ち上がると家を出て行った。
塔弥と此之葉が目を合わす。

戸の外に座していた秋我がマツリを見送ると家に戻り、今あったことを領主に話した。 マツリと此之葉たちの会話は戸越しに聞いていた。
あのマツリが紫揺のことをそれほどに心配する理由が分からなないが、責任を感じていると言っていた。 その責任とは紫揺の憂いの事、領主に秋我がそう話す。

そしてマツリと紫揺の罵声の浴びせ合いのことを知らない塔弥にその事を此之葉が話したうえで、此之葉と塔弥も領主と秋我が話していたように同じことを話している。

「ということは、本領に行かれた時に紫さまがあとで泣かれる程マツリ様と言い合ったということか?」

「紫さまとマツリ様を見ているとそれしか考えられない」

此之葉がそう言った時に戸の外から声が掛かった。 領主と秋我であった。
領主と秋我も此之葉と同じことを言った。
紫揺とマツリの罵倒のしあいは・・・それどころか紫揺は四方にも食って掛かっていたと聞いた。

「・・・四方様にも?」

塔弥が目眩をおこしそうになる。

「ああ、紫さまの言われることは分からなくもないが・・・いや、分かってはならん、四方様にもお立場があるからな。 だがマツリ様とは子の喧嘩というか、聞いていてお二人ともに対して溜息しか出ん。 紫さまも負けずに言い返しておられたが、今回マツリ様は紫さまが憂う程のことを言われたのかもしれん」

紫揺がそんなことで、単なる喧嘩のようなことで憂うだろうか。

「紫さまに限ってその様なことは無いと思いますが・・・」

「どういうことだ?」

「腹立たしく思われたのはそうでしょう。 ですがお転婆に乗っても泉で泳いでもスッキリとしなかったと紫さまは仰いました。 紫さまはその時のことをその時で終わらせられます。 マツリ様に腹立てられたのならその時に言い返して終られるはずです」

お付きたちは紫揺のことを一番分かっているのは塔弥と思っている。 だがお付きたちだけではない。 領主も秋我も、此之葉には悪いがそう思っている。
その塔弥がそう言うのだ。

「ではマツリ様との間にその他に原因があるというのか?」

「分かりません。 紫さまが此之葉にも言っていないのですから。 それにシキ様がその原因を知っておられるようで、紫さまの憂いはシキ様が紫さまと分かち合うと言っておられました」

益々わからない。
領主が腕を組む。
此之葉と塔弥が紫揺を見る。 ガザンが紫揺の横で時折ベロリと紫揺を舐めている。

「そろそろマツリ様がいらっしゃる頃でしょう」

秋我が言うとマツリを出迎える為に部屋を出た。 その後に領主も続く。
暫くすると領主と秋我に迎えられたマツリが部屋に入ってきた。

本領の冷めない石の筒の中に薬湯を入れ蓋をしている。 此之葉に湯呑を用意させ蓋を開けると湯呑に注ぐ。
紫揺の横たわる横に立膝をして座り、手拭いを桶に入れると、ハァハァと息を荒くしている紫揺の首の後ろに手をまわしそのまま紫揺を起こす。

紫である紫揺に対して不敬と思えることだ。 だが相手は本領の時期本領領主。 五色の上に立つ者。 領主さえ文句が言えない。

「紫、聞こえるか」

ガザンが布団から出ると伸びをして部屋から出て行った。 開けるだけで閉めないガザンに代わって戸の外の秋我が戸を閉めた。

「目を開けよ」

顔を赤くほてらせている紫揺に話しかけるマツリだが、いま紫揺を起こすことは良いとは考えられない。

「マツリ様、いま紫さまは―――」 

「黙っておれ」

此之葉の言を撥ね退ける。

「紫、起きよ。 目を開けよ」

紫揺の瞼がピクリと動いた。

「目を開けよ」

重たそうな瞼が薄っすらと持ち上がる。

「薬湯だ、しかりと飲むよう」

横に置いていた湯呑を紫揺の唇にあてる。

「しかりと飲め」

湯呑を傾ける。 コクリと一口喉に流した。
一旦、湯呑を引く。 そして再び湯呑を唇にあてる。

「喉が渇いておろう。 続けて飲め」

体力を使い果たしたように首がガクンと横に傾いた。
湯呑を横に置くと紫揺を支えていた腕の位置を変え、紫揺の頬に手をあてて首を真っ直ぐにする。

「起きよ。 しかりと目を開けよ」

此之葉が膝に置いていた拳を握る。

マツリがもう一方の手で軽くピタピタと頬を叩く。
紫揺の瞼が僅かに開いた。
すぐに横に置いた湯呑を取ると紫揺の口にあてる。

「しかりと起きて飲め」

湯呑を傾ける。 ウグッと声を漏らしながらも数回に分けて湯呑の中の薬湯を全部飲んだ。

マツリの強硬なやりよう、言いよう。 この領土にそんなことをやる者言う者はいない。 紫揺に意見する者はせいぜい塔弥くらいだ。 だがその塔弥でさえこれ程には言わない。 勿論やらない。

領主と塔弥、此之葉が紫揺にはそのような人物が必要なことだと感じた。

紫揺は領土で自由にしている。 だが自由だけではない。 元より紫揺にそんな気など無い。 紫としての己の責務を感じ民と寄り添っているだけだ。 ただ時々、感じたままを身体で表現しすぎているだけである。 それがお付きには突拍子もないこととなるだけなのである。

此之葉はどう転んでも自分はあれほどには出来ないという自覚がある。 だがそれが必要な時もあるのだと実感している。

塔弥は紫揺には抑える人間が必要だと考えている。 それを己がしなくては、と。

マツリが紫揺を横たわらせ布団をかけてやる。 そのマツリが領主を見て言う。

「明日早朝、本領に戻らなければならん。 それまで紫は我が見る。 あとの者はこれからの紫を見るために身体を休めておけ」

「その様なことは!」

領主をさしおいて言ったのは此之葉だ。
マツリが此之葉を見る。

「“古の力を持つ者” 此之葉。 そなたが五色を見なければならないことは分かっておる。 だが今、本領の薬湯を飲ませた。 このあとの薬湯も持ってきておる。 時を見計らい次を飲ませるのは我にしか出来ん」

「・・・それで・・・それで明日、紫さまのお熱が下がると仰るのですか」

気弱そうな顔をしているのにはっきりとものを言う。 マツリがそう感じた。 それ程に紫揺を想っているのだろう。

「分らん。 分からんが、我はそう念じておる」

マツリは此之葉に譲る気はなさそうだ。
領主が考える。 マツリと紫揺の関係性が分からない、それでも今はマツリに任せるのがいいのかと。 己らでは紫揺に無理をさせてでも薬湯すら飲ますことが出来ないのだから。

「此之葉、マツリ様にお願いしよう」

領主が言いかけたのに代って塔弥が言った。

「塔弥、どうして?」

「此之葉のお役目は分かっている。 だが今は紫さまだけを想おう」

「塔弥!」

此之葉と塔弥にマツリがチラリと目線を送った。 そしてすぐに紫揺に戻す。

「紫は寝ておる。 紫のことを案ずるのなら大声を出さぬよう」

此之葉が唇を噛んだ。

「此之葉、出よう。 マツリ様にお願いしよう」

此之葉が首を振る。

「此之葉・・・」

「紫さまは我が領土にやっと戻って来て下さった。 ずっとずっと独唱様がお探しして、やっと戻って来て下さった」

「それは誰もが知っている。 だから、そうだから今は紫さまのお身体を一番に考えよう」

此之葉がまた首を振る。

「紫さまを目の前から失いたくない、塔弥もそれくらい分かるでしょう!」

「此之葉、声を抑えろ。 此之葉の言いたいことは分かっている。 俺も同じだ。 だがいま紫さまに我らは何も出来ない。 マツリ様にお願いするしかない。 我らの我儘ではなく紫さまのお身体を考えてくれ」

「塔弥・・・」

「な、マツリ様にお願いしよう。 それでもお熱が下がらなければ我らで考えよう」

塔弥が今にも泣きそうな此之葉を抱えながら紫揺の部屋を出た。

阿秀は何をしているのか。 完全に出遅れている。

塔弥と此之葉の後に秋我が続く。

「マツリ様・・・」

領主がマツリを見た。

「どうなるかは分からんが明け方までは我が見る。 心配せずともよい」

領主が頭を下げて部屋を出た。

一刻(三十分)を過ぎた頃に紫揺の額に汗が浮き出てきた。 部屋の隅に積まれていた手拭いで額の汗を拭いてやる。 続いて首にも汗が吹きだすように出てきた。

マツリが唇に指をあてた。
この様子では身体中に汗が噴き出しているだろう。
よく考えるとここには “最高か” も “庭の世話か” もいなかったのだ。

―――しくじった。

だが仕方がない。 口を歪めると布団をめくり紫揺の身体を横に向かせ、後ろ首から背中に手拭いを入れると汗を拭いてやり、新しい手拭いを重ねて服との間の背中に広げる。 次に仰向けに戻すと今度は衿合わせから手拭いを入れ汗を拭いた。

「ふむ、拭きやすいか」

引っかかりもなければ何もない。 板を拭いているようだ。
汗を拭き終わると背中にしたときと同じように、身体に添って服の下に手拭いを広げる。
手や足の出ている所も拭いてやる。
時を置いて何度も繰り返し汗を拭き、身体に添わせて重ねていた手拭いも替えた。

二刻(一時間)を過ぎた頃、先ほどと同じ薬湯を飲ませる。 また一刻ほどすると汗が噴き出てきた。 先ほどと同じことを繰り返す。

その後すぐに体を起こさせ、今度は別の薬湯を飲ませる。
僅かに目を開けた紫揺が、だるそうにしながらも湯呑一杯分を飲み干した。

「まだだ。 あと一杯」

素早く筒から湯呑に注ぐと湯呑を紫揺の口にあてる。
紫揺が顔をそむける。

「これだけ汗が出たのだ、喉が渇いていよう。 だるくても飲むよう」

「めん・・ど ・・・くさ、い」

面倒臭いのではないのだろう。 飲むことがかったるいのだろう。 それは分かるが、ここにきて面倒臭いとは・・・。
まあ、文句を言えるのは熱が下がってきた証拠なのだろうが。

「面倒臭くても飲め。 今を逃してはいつまで経っても熱は下がらん」

「だ、れ」

「誰でもよい。 飲め」

紫揺を支えていた腕を回し紫揺の顔を固定する。 湯呑を口にあてると傾ける。
眉を顰めながら紫揺がコクリと飲んだ。
ほんの僅かだ。

「これを飲み干さねばいつまで経ってもこのままだ。 一気に飲んでしまえ」

「いら、ない」

紫揺の顔を固定していた手を顎にさげる。 無理矢理紫揺の口を開けさせ湯呑を傾ける。
ウグッと言いながらもゴクリと飲む。 それを繰り返し、やっと湯呑が空になった。

「よく飲めた」

ゆっくりと紫揺の身体を布団に戻してやる。
更に一刻を過ぎると紫揺の額に汗が出てきた。 同じことを繰り返す。
二刻経った頃、また二種類目の薬湯を飲ませる。
今度は一刻ほど経ってもそんなに汗が出ている風ではない。
もう一刻ほど待つ。 背中に手を入れてみる。 じめっとしている程度だ。 汗を拭き、また重ねた手拭いを背と合わせ襟の中から入れて広げる。

紫揺の顔色は随分と前から赤みが引いているし、息も落ち着いている。 殆どの熱が出し切れただろう。
額にかかった湿った髪をそっと手でかき上げてやる。 うっすらと紫揺の目が開いた。

「ああ、悪い。 起こしてしまったか」

紫揺がマツリを見ることは無い。 僅かに開けられた虚ろな瞳で天井を見ていたようだが、また瞼が閉じられた。

マツリが紫揺の布団をめくり掌を紫揺の身体に添わせる。 頭から首の下、両手、首の下から胸、下腹そして両足。
特に異常は視られない。 布団をかけ直してやる。

額に手をあて次に耳の下に指をあてる。 熱は完全に引いたようだ。 身体と服の間に挟んでいた手拭いを取る。
そうなれば着替えさせたいものだ。 もう山として積まれていた手拭いは全て使ってしまったが、その横には着替え用の服も積まれている。 着替えくらいサッサとしてやれるが、己がしてしまっては此之葉が卒倒するだろう。

後ろの戸を見返り立ち上がった。 誰かいるかもしれない。
戸を開けると塔弥が座していた。

「御用で御座いましょうか」

「誰か女人は起きてはおらんか?」

別の部屋の戸が開いた。 出てきたのは此之葉。 目を赤く充血させている。 その後ろには阿秀が立っている。

「紫さまに何か・・・」

不安げな顔をマツリに向けて訊いてくる。

「熱は治まった。 着替えをさせてやってくれるか」

緊張していた頬を緩め、大きく頷くとマツリの横を通り過ぎ部屋に入り戸を閉めた。

「有難うございます」

塔弥と阿秀が頭を下げる。

「ずっと起きておったのか?」

阿秀をチラリと見た後に塔弥を見て問う。

「はい」

「一寝入りもすれば何もなかったように起きるであろうが、急な高熱と解熱だ。 身体がついていかんかもしれんが、心配をすることはない。 此之葉はこのあとも付けそうか?」

「はい。 己も付けます」

「そうか。 では任せる。 薬湯がまだ筒に入ったままだが中の物は捨てておくよう。 筒は取りに来る。 ああ、それと紫も夢うつつで我が居たことに気付いておらん。 我が来たことは紫には言わぬよう、他の者にも言っておいてくれ」

「・・・はい」

「塔弥、あまり気にするな。 秋我にもそう伝えておくよう。 最初の切っ掛けを作ったのは我なのだからな。 我の責任が一番大きい」

「マツリ様・・・」

己のために言ってくれたのだろう。 再び深く頭を下げた。

見送ろうとしかけた塔弥と阿秀を手で制し、マツリが家を出ると外で待っていたキョウゲンがマツリの肩に止まった。

「待たせたな」

キョウゲンが再び飛んだ。

宮に戻ったマツリが僅かな時を深く眠った。 それは肉体的に疲れていたからなのか、精神的なことであるのか、はたまた魔釣の目を使ったことであるのかは当の本人も知る由がない。 それにここのところ睡眠が十分にとれていなかったことも原因にあるかもしれない。

夕べ四方との食事を終え回廊に出ると、何故か紫揺が気になった、一抹の不安を感じた。 そして東の領土に飛んだ。 すると紫揺が熱を出していた。 かなりの高熱を。 その紫揺を看病した。
マツリには看病などという気はないが結果がそうなってしまった。
紫揺のことを頭に浮かべた途端、眠りの縁に落ちていた。

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