大福 りす の 隠れ家

小説を書いたり 気になったことなど を書いています。
お暇な時にお寄りください。

僕と僕の母様 第29回

2011年02月28日 14時30分02秒 | 小説
僕と僕の母様 第29回



中学三年、高校受験の時 母様が公立高校に行ったら 携帯電話を買ってあげると約束してきたのだ。

母様にすれば 携帯電話で僕を釣れば ちゃんと勉強して 私立に行かず公立に行くと思っていたのであろう。

その結果、携帯電話に釣られること無く 特に勉強もすることなく 公立高校に合格した。

その上、推薦入試で入学が決まったものだから 他の一般入試を受ける生徒より早く入学が決まっていた。

入学が決まった時点で 高校に行くのと同じだと僕は言ったのだが 母様にしたら入学式を終えて 高校生として認められるのだから 入学式の後に携帯を買うというのだ。

この時点で母様との言い合いがあった。

大体中学の時点で 大半の友達が携帯を持っているのに いつまでガマンをさせるつもりなのかと 腹が立っていた。 毎日が言い合いだった。

そして何日も喧嘩腰の話し合いの結果、僕が勝った。

やっと買って貰った携帯なのだが 今度は請求書の金額での言い合いがあったのだ。

今はパケ放題とかが 充実しているけれども その時には今程 充実してはいなかった。 

最初の請求書が六千円ほどで その後、着実に毎月上がっていって 最終的には三万円か、四万円ほどになっていた。 だから請求書がくる度に母様は怒っていたのだ。

怒った翌朝から 二、三日は口も聞きたくないといった感じで 目も合わせることもなく 行ってらっしゃいの見送りもないのだ。

この時代に携帯代が二万、三万なんて当たり前だし クラスのヤツなんて六万とか八万ってヤツもいる。 母様は全然分かっていないのだ。

それなのに毎月毎月、鬼のような顔で怒鳴り散らす。 僕もウンザリしていたのだ。



でも そんな日があるかと思えば こんな日もあったりと 忙しい母様だ。

ある朝、母様の怒りの「起きなさい」 という声ではなくて 階段をかけあがる音とともに「陵ちゃん起きて」 と言う母様の嬉しそうな声が 意識のどこか遠くで聞こえた。

そして次の瞬間に 僕の部屋に入ってきた母様が ベッドで寝ている僕の布団をおもいっきりめくって「陵也、陵也、陵也」 と三回言いながら、その度に僕の頭を三回叩いた。

仕方なく「なに~」 と言ってボオーっと目を開けながら モゾモゾとめくられた布団をかぶろうとすると

「起きて、起きて、起きて」 と、これまた三回言いながら その度に頭を叩いてくれた。

仕方ないので起きるふりをして 母様が下に降りたらまた寝ようと思い 少し体を起こしてみると 今度は手を引っ張りながら

「虹、虹、虹、きれいなの、すごく大きいの」 と言うではないか。

たしかに夜の月をきれいと思い 長い時間ずっと見ていることもあるし 星や流れる雲を見ているのは 心静かになれて僕も好きである。

でも今は僕の苦手な朝だ。 ましてやハア~っと息を吐けば 白いものが見える季節でもある。 地獄を感じながら起きてみた。

僕の家の裏側は何もない ただ土地だけがずっと続いているのだ。

それは表側を歩いていて 急に裏側に行くと 全然違う土地に来たような感じになるほどの景色の差だ。

家には階段の途中に 少し大きめの窓がある。 その窓は家の方向で言うと 裏側に当たる。

家の裏は そうだな 真っ直ぐ正面に一キロほどだろうか、その左右も これは一キロ以上に広く ずっと何もない土地が続いてるので 建物の障害もなく階段の窓や、二階の裏側の部屋の窓は 星空や月がきれいな夜や、雷の稲光を十分に満喫できる特等席である。

母様が「陵也、こっちこっち、早く」 と言って階段の窓の方を指さす。

階段の窓のところに立った母様の横に立って外を見てみた。

「ああ、たしかに大きいです。 きれいです。」 そう言って もう一度ベッドに戻ろうとすると

「ちゃんと見て。 こんなに大きくて くっきりはっきりしている虹なんて もう一生見られないかもしれないのよ。 あそこの大きい木の左を見て、あそこが虹の端っこよ。 虹の端っこを見られるなんて 想像もしたことなかった。 陵也も見られるなんて思ったことないでしょう。 きれいねー、嬉しいねー。」

とっても幸せなんでしょうが 僕は寒いです。 極寒です。 窓を閉めてほしいです。

その上 僕は近視で今眼鏡をかけたところで まだはっきりと物が見えません。

お弁当を作り終わってから 朝のコーヒーのお湯を沸かしているときに 下の部屋の雨戸を開け その時に虹を見つけたらしい。

上手い具合にお湯の沸く音が キッチンから聞こえてきた。 母様があわてて階段を下りていったのを見て ここぞとばかりに窓を閉めた。

もう一度ベッドに戻ろうとすると

「降りてきなさい、起きてなさい」 と言ういつもの母様の怒りの声が聞こえた。 見透かされてた。

いつもより随分と早い時間だ。

その後は仕方なく起きてボオーっと 出されたトーストを口にくわえて ヒーターの前に座っていたが 母様は消えてゆく虹をずっと見送っていた。

僕も時々呼ばれて 薄くなっていく虹を一緒に眺めさせられた。

その現象は不思議なことに 虹自体は小さくなっていたが 三日も続いたらしい。 ちなみに僕の極寒地獄は その日一日だけだった。



今回はいつもより長くなりましたのに 最後まで読んで頂きまして 有難うございました。

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真向方

2011年02月28日 00時45分54秒 | 日記
昨日の 1時過ぎに「僕と僕の母様」 第28回をアップいたしました。

お気になられましたら 読んでみてください。




今日、禅の和尚様のお話を聞きに行っておりました。

とても為になるお話から ジョークを交えてのお話までと 説法ではなく 色んなお話をしてくださいました。

ここに書くには 沢山ありすぎて とても書ききれないのですが 一つだけ 情報として書こうと思います。


『結跏趺坐(けっかふざ)』 というものを 御存知でしょうか?

瞑想をする時の座り方なのですが よく仏像でこの座り方を見かけます。 

私は この座り方がどうしても出来ないのですが その訓練法 と言うとちょっと違うかもしれませんが 『真向方(まっこうほう)』 というものが あるらしいのです。 今日お話をしてくださった 和尚様は毎日されているようです。

和尚様が 股関節が柔らかくないと 『結跏趺坐』 をしようとしても 痛みが伴うと 仰っていました。

先程 ネットで調べてみました。 まだよく読んでいないのですが 無理をせず、またお体に具合の悪いところがある方は 医師などと相談されてからの方が良いようです。

股関節を柔らかくすると 腰痛なども収まってくるというのはよく聞く話で 私自身も あまり腰が丈夫な方ではないので 毎日少しの時間でも 胡坐をかくようにしています。

そうすると 朝起きた時に腰の痛みが無く また、かがむ事も出来ます。

何もしないで居ると 腰を90度に曲げることすら痛いので 起きてすぐには座ることさえ出来ません。

もしも 私のように『結跏趺坐』をしたいのに出来ない という方が居られましたら 一つの練習法の情報だと思って 一度検索してみてはいかがでしょう? 

何度も言うようで申し訳ないのですが 実行しようと思われた方は 無理をして反対に腰を痛めた方も居られる様なので くれぐれも無理の無い範囲で してみてください。 また、血圧に問題のある方や、心臓など 内疾患のある方、今病院にかかられている方、以前外科手術を受けられた方、体のどこかに違和感や痛みのある方などは 掛かり付けのお医者様に 必ず聞いてから行うようにしてください。 

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僕と僕の母様 第28回

2011年02月27日 01時06分16秒 | 小説
僕と僕の母様 第28回



「あ、ごめん当分土曜日、日曜日は 家の用事で外に出られないんだ」 ごめんっていう顔で そう言ってかわした。

「ふーん、そうか」 順平はそう言って 今見てきた教室の話をしだしたので 特に何度もお願いされる事がなかった。 心の中で「良かった」 と、ホッと胸を撫で下ろした。

そんな風に 順平も僕も それなりに自分のやりたい事に 少しずつ歩いて行く事になった。 



僕は朝がとても苦手だ。

毎朝 母様は「陵也!起きなさい」 と何度も叫んでいる。 そのせいか 朝の母様はとっても不機嫌だ。

そして起きてきた僕に向かって 毎朝凝りもせず

「何度呼ばせれば起きてくるの! いい加減にしなさい」 とプンプンしているので こっちも気分が悪くなって 話をする気にもなれず 目を合わせないで「お早う」「いただきます」「ごちそうさま」 の三つの言葉だけを言う。

でもリビングを出るときに 例外を除いては きちんと母様の方を向いて「行ってきます」 と言う。

何故かというと 母様は必ず これも例外を除いて 玄関まで見送りに来てくれるからだ。

そのことが分かっているので やっぱり僕もちゃんとしなくちゃ と思うからだ。

そして僕の「行ってきます」 の声に「はーい」 とか「行ってらっしゃい」 とか言いながら母様も立ち上がり 玄関まで出てきてくれて もう一度「行ってらっしゃい」 と言ってくれるのだ。

こういう事ってすごく偉いと思う。 どこの家庭にでもある光景なのかもしれないが こういうのってすごく大切と言うか、何と言うのか分からないけど こういうことを続けてするという事は 大変なことだと思う。

これを中学の時からずっとやってくれている。

小学校の時は僕の家の前で 近所の小学生同士とひとかたまりになって 学校へ行っていた。 だから母様は家の前まで出て 姿が見えなくなるまで見送っていてくれた。

低学年の時にはしょっちゅう振り返って 手を振っていたけれど さすがに中学年、高学年になると 恥ずかしくて手を振るどころか 振り返ることさえ出来なくなった。

でも心の中では まだ立っていてくれてるかな、見送っていてくれてるかな、振り返って手を振らなければ悪いかな、母様寂しくないかな、なんて思ったりしていた。 僕もカワイイやつだった。 

まあ、今でも何かあると 母様寂しくないかな、なんて思うことがある。 これは僕がカワイイのではなくて 大人として母様をいたわっているのだ。

そしてその例外という事を説明すると これは絶対僕が悪いのではない、母様が今時を知らないから悪いのだと思うのだが 早い話が携帯電話の料金なのだ。



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僕と僕の母様 第27回

2011年02月26日 01時31分53秒 | 小説
僕と僕の母様 第27回



「ここでピアノを触って待ってる」 とだけ返事をして 傍にあった電子ピアノを触りだした。

順平のほうも 諦めたのか初めから自分一人で行くつもりだったのか「じゃあ、時間かかってもいい?」 とだけ聞いてきた。 

「うん、構わないよ」 並んでいる電子ピアノを眺めるふりをしながら それだけ言って早く行け、と言わんばかりに 手でシッシッという動作をして追いやった。

まるで順平から見ると 電子ピアノを触りたいから早くあっちへ行け、とでもいうように映ったに違いない。

とんでもない、その電子ピアノには値札が付いていたのだ。 完全な電子ピアノ屋さんなんだ。

店員さんらしき人が こっちを気にしだした。 もし「いらっしゃいませ」 なんて寄ってこられたら 順平と違って僕はどうしていいのか分からない。

順平の真似をして 誰とでも話せるようになりたいと思う気持ちは この時にも勿論あったが まだ馴れの薄い僕にこのシチュエーションはキツイ。

早く二階に上がれと祈りつつ 順平の後姿をバレないように目で追っていると 完全に階段から見えなくなった。

それを確認すると すぐさま僕はそのビルの外に出た。 

ビルの前で立っていてもガラス張りなだけに 店員さんから丸見えだ。 ビルから見えないところまで移動して そこから時々顔を出して 順平が戻ってきたかどうか見ながら 何をすることなく 空を見ながらボーと立っていた。

三、四十分ほど経ったくらいに 順平がビルから出てきた。 何気ないふりをして 僕はビルの方に歩き出した。 

順平はキョロキョロとしてから 近寄ってくる僕を見つけて「何してるの? ピアノ触ってなかったの?」 と聞きながら歩いてきた。 

真実を語っても 順平には伝わらないだろう。 それに僕もこんな根性のないところを 必要以上に根性のある順平には聞かせたくないという思いがあったので 何食わぬ顔で「うん、あまりいいなと思うのがなかった」 とだけ言って話をそらした。

「それよりどうだった? どんな感じだった?」

「最高! いいわ、手続きとってきた」 エッ、早い! いつもの如く 家の人に何の相談もしなくて決めたのか?

「手続きって、家の人に聞かなくていいの? 少なくとも月謝がいくらとかってあるじゃない、いくら何でも勝手にしちゃあマズイんじゃない?」

「いいの、いいの、そういう事あんまり気にする方じゃないから」 

気にするとか、しないとかそういう問題じゃないんじゃないかと思いつつも よその家の事だし僕が口を挟む問題でもないから そこのところはそれ以上突っ込む事はしなくて 二階がどんな風になっているのかとか、練習風景とかを聞いていた。

いつもの如く 順平のキラキラ目をしながら 一生懸命にその様子を語っていた。

話していくうちにふと、アコースティックギターは持っているけど エレキギターは持っているのかと疑問に思い それを聞いてみた。

「まだ持ってない 今度の土曜にでも買いに行く。 ついて来てくれる?」 マズイ事を聞いてしまった。

順平の両親はこの上なく怖いのだ。

おじさんには直接会った事がないけど 順平の話からすると 少しの事でもすぐに怒って手が出るそうだ。

前に一度順平が「昨日、親父に殴られた」 と言って 脇腹を見せた事があったが 青いアザがくっきりとついていた事があった。

本当にお父さんに殴られたのかどうかは分からないが そんな事で嘘をつくようなヤツではないと 僕は思っている。

お母さんにしては 学校帰りに僕が順平の家に行ったときなんか「今日は」 と声をかけると 優しく返事をしてくれるのだが たまに順平が「あ、布団畳んでなかった、畳んでくるからちょっと待ってて」 という時がある。

僕が玄関の中に立って待っていると 普通の会話なのに 僕がそこにいるのを知らないから お母さんの本性が出るのかどうか分からないが、順平に話す口調はいつも怒鳴っている感じで 順平自身も「うるさいクソババア」 等と言い返している。

お母さんはある程度キレてくると 武器を出してくるそうだ。 一度包丁なんかもあったそうで 僕はいつとんでもない親子喧嘩が始まるのかと ドキドキして待っている。

そんな両親に了解なしに教室も決めて エレキも買いに行って その二回ともに僕が一緒に行っているなんて どんな事が起きるか想像もしたくない。

サワラヌカミニタタリナシ だ。




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僕と僕の母様 第26回

2011年02月24日 13時15分09秒 | 小説
僕と僕の母様 第26回



この日からの僕は自分で言うのも何なのだが 完全にサックスにはまってしまった。

頭の中は いつもサックスの音色でカッコイイ曲なんかを 奏でたりしている。 現実は全然そうではないのだが。

しかしこの時はやる気ムンムンで サックスを続けていくぞと気持ちが高ぶっていた。 これから週に3回だけの練習が 待ち遠しくなるだろう。

でも その前に最初の自己紹介を しっかりと聞いていなかったから 誰が何という名前なのか、何年なのか、どの楽器をやっているのか 一人を除いてまったく覚えていない。 同級生の女の子が一人 フルートをやっているということだけは 記憶に残っているが 音階よりもこちらを覚えるほうが先決だ。  

そんな訳で順平と一緒に帰れる日が 今までより少なくなった。 それでも同じクラスだから 休み時間になると喋ったり、学校へ一緒に行ったりと 二人の仲が遠くなったという訳ではなかった。

僕は週に3回の練習日を楽しみに 放課後になると少しでも早くサックスを吹きたくて イソイソと部室に向かって行った。

まずは 一人でも練習できる音階を十分に練習した。 そしてロングトーンだ。 これは長く息を続けて ずっと同じ音を吹き続けるのだが 結構しんどいのである。

部長も補講の合間を縫って 時々教えに来てくれた。

二度三度同じ事を言うようだが この学校は部活が盛んではない。 その証拠となったのが サックスをよくよく見るとサビだらけなのだ。

最初はドキドキと嬉しさのあまり 気がつかなかったどころか ピカピカ光ってさえ見えてたのに 人間の目っていうのは どうなっているのだろう。

でもこの僕の下手な練習にも オヘソを曲げずに付き合ってくれていると思うと なんだかそのサビさえも ワンポイントに見えてくる。 これを欲目と言うのだろうか。
 


こんな僕の毎日に順平も刺激されたのか 何日か経ったある日 学校に向かう電車の中で 順平がこんなことを言ってきた。

「学校の近くにエレキの教室があったんだ。 今日練習休みだろ? 見に行くのついて来てよ」

その日の授業は短縮時間帯で その上先生の都合で 6時間授業のところが5時間目で終わるから そんなに遅くなるわけでもないかと思い 一緒について行くことにした。

前の事があるから コイツは何を言い出すか分からない と気を張りつつも その日の授業が終わり 順平と一緒に学校を出てその教室に向かった。

学校から駅に向かう途中の道を少し外れたところに その教室はあった。 二階建ての小さなビルのような建物だ。

レッスン自体は二階でやっているらしく 一階はガラス張りになっていて 電子ピアノとかが置いてあるのが見えた。

そのビルの中に入ると 奥の端っこのほうにそんなに大きくはないけども 二階へ上がっていける階段があった。 階段のある壁に「エレキ教室こちらから」 と書かれた張り紙があった。

「あの階段を上がっていくんだね。 上について来て」 順平がそう言った。

二度とあの時のヘマはしない、返事は「NO」 だ。



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僕と僕の母様 第25回

2011年02月23日 13時41分26秒 | 小説
僕と僕の母様 第25回



「これね、これはアルトサックスと言ってね重いよ、持てるかな? 一度持ってごらん」

簡単に言ってくれましたけど 僕は楽器なんてほとんど持った事がないし こんな大きいのは初めてだから ドキドキです。 

「いいんですか?」 平静を装って聞くと どうぞという感じで部長が僕に手渡した。 思った以上に重い。 部長は軽々持っていたのに。

あのドラマのシーンを思い出したのがきっかけになって 持ってみたときのドキドキ感 そしてこの重さ なぜかワクワクしてくる気持ち 何もかもが僕の頭の中でミックスされて やってみたいという心に火が点いた。 

どう? と部長に聞かれた。 「はい、これをしたいです」 そう返事をした時には もう平静を装っている顔ではいられなかった。 重くてもなんでもやってみたい、そんな心の声が 顔に表れていたはずだ。

そんな顔のまま 部長にアルトサックスを返すと 部長はいとも簡単に スッと僕の手から重いサックスを持ってくれた。 そして 

「いいよ、僕アルトも吹くから教えてあげられるしね」 と、気持ちよく答えてくれた。

取り合えずこれで僕の楽器が決まった。 この日から僕とアルトサックス君の 小さな戦いの日々が始まることとなった。

僕はそれまで楽器の付属品とか、楽器の掃除道具とか色んなものが 必要になってくるとは考えもしなかったので その日も何の用意もして行かなかった。

楽器を吹くには、リードというものが必要らしい。 そういえば聞いたことがある。

その日は勿論部長に借りたと言うか、幾つか部長が僕にくれた。 部長は楽器屋に行って 少なくともリードと掃除をする道具を買うようにと言いながらも 自分ので良かったら要らないのはあげるよ と言ってくれたりもした。

部長は進学を目指していたので もう頻繁に部活にも来られないようなのだ。

でも僕に教えてくれる事は約束してくれた。

「音階にいくまでに先に音を出してみようか」 と本当の初歩から始まった。

この時まで他の人たちは おやつを食べたり お喋りをしていたが 急に話を止めて 僕の方に注目した。

みんなの注目の中 難なく音が出た。 みんな エッ! と言う顔をしている。 勿論部長においてもそうだ。 

「一発目から音が出たねえ」 と少し驚きの顔で僕にそういった。

部長は これなら暇は掛からないと言って すぐに音階を教えてくれた。 音階になるとなかなか上手くは吹けないが これが結構楽しかったりした。

「じゃあ 音階の練習をしておいて 僕は中庭で練習するから 何かあったら中庭に来るといいからね。 おい、他の! 全員! おやつばっかり食べてないで 練習しろよ」

「はーい」 おやつを食べながら皆でそう返事をしていたが 部長が行った後も 誰一人練習をやり初めなかった。

音階と戦い始めて数十分たった時に それまでおやつを食べながら見ていた他の人達が寄ってきた。 その中でフルートを片手に持っていた人が

「初めてにしては音階も結構いけるじゃん。 ちょっとほかの楽器もチャレンジしてみない?」 と言って自分の持っていたフルートを差し出した。

女の人なんだけど、これを吹くと 『間接何とか』 になっちゃうんだけど、どうしたらいいのだ? 恥ずかしいじゃないか。 なんて事を考えていると ふと 今度はそういうことを考えている自分に 恥ずかしくなったりした。

このまま色々な事を考えると 顔が真っ赤になってしまうだけだと思い「はい」 と言って吹いてみた。 フルートは以前に吹いたことがあるので 少しは余裕で音が出せる。 

「えーやるじゃん」 と言われたと同時に「今度は、こっち吹いてみて」 と色々な楽器を次々と手渡されてしまった。

されるがままの状態でみんな吹いてみた。 全部一発目で取り合えずといった感じで音が出た。

「すごい何でも来いじゃない サックス以外もやりなよ」 そう言われながらみんなの歓声を聞いていると 今まで何においても褒められたことのない僕は 褒められ下手である。

さっきとは違う意味で 顔が真っ赤になってしまった。



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僕と僕の母様 第24回

2011年02月22日 14時59分12秒 | 小説
僕と僕の母様 第24回


次の朝、駅のホームで順平に会った。 もうケロッとしている。 昨日のあの暗いオーラはどこに行ったのか。

「昨日あれからどうなった?」 とニコニコしながら聞いてきた。

僕の肩は落ちるしかない「お前なー」 と言いながらため息を一つを漏らすと それを無視するかのように

「それより見て、見て、昨日エレキ仲間とチャットをしてたら やっぱり学校のクラブとかじゃなくて きちんと教室にレッスンを受けに行くほうがいいみたいって みんな言ってるの。」 と言って アウトプットしてきたエレキ教室の一覧を見せてくる。

もうどうでもイイや「あ、そう」 と気力なく学校に着くまで 適当に相づちだけ打っていた。 そんな僕とは正反対に 順平はずっとテンションが高かった。

本当に立ち直りの早いヤツだ。 まあ、そんなところも羨ましいと思う所の一つなんだが。



僕は明日から 週に三回だけのブラバンの練習に 参加する事になっていた。

取り合えず楽譜は読める。 しかしピアノ以外の楽器をあまり触った事がない。 あまりどころではない。 

第一音楽室がブラバンの部室になる。



翌日の放課後 

すぐに部室に行くのも やる気があるみたいで恥ずかしいから ちょっと時間を潰し そして無い勇気を振り絞って 部室の前に行った。 

ドアに手をかけると 鍵がかかっていない もう誰かいるのだろうかと そっと開けてみた。

「失礼しま~す」 小さい声でそう言いながら顔を覗かしたが 鞄やお菓子が置いてあるだけで誰もいない。 

入っていいのかなと思いながら まるで泥棒のように 抜き足差し足で入っていった。  
音楽の授業を選択していなかったので まじまじと音楽室を見るのは初めてだった。

小学校や中学校の音楽室とはえらい違いだ 見たこともない楽器が置いてある。 ぐるっと回って色々な楽器を見たが 特に目を惹く楽器はなかった。

少しして 部長と何人かがやってきた。 ドアがガラッと開いて部長の顔が見えた。 みんなもう楽器を手に持っている。 ああ、みんなでどこかへ出ていたのか。

「やぁ、 早いね、どう? 楽器を見てやる気に火が点いた?」 

こんにちは と言おうとしてたけど 思いがけない質問に笑いでごまかす。

部長にどの楽器をやってみたいと聞かれても 全く自分で自分が何をしたいのか分からない。

すると部長の首にかかっていた サックスを見て思い出した。

ああ、そうだ。 そういえば 小学校のときにサックスを首にかけて、そしておもむろに吹きはじめたドラマのシーンを見て かっこいいと思ったんだ。 それで中学に入って ブラバンでサックスをやってみたいと思ったんだ。 そのシーンが頭の中で一瞬にして甦った。

「サックスをやりたいです」 僕の口が勝手にそう言ってしまった。

部長がその答えを聞いて

「サックスにも色々種類があるけど何がしたい?」 と、逆に聞かれた。 何の事ですか? 意味が分かりません。

ボケッとしている僕を見て 部長がこっちに来てと言いながら 窓際の方に歩いていく。

ついて行ってみると サックスらしき物が二つある。 大きいのと小さいのだ。

あ、そうか大小の差があるんだ。 待てよ、部長の首に掛かっているのは そのどちらでもなく微妙に大より少し大きいって感じで 形が少し違うという具合だ。 目の前のが大小ではなくて 中小で部長のが大のようだ。

「今このテナーサックスは僕が吹いているけど 残りの二つは誰もやっていないから どちらでもいいし 僕も、もう少しで引退だから テナーをやってもいいよ、どうする?」 と言った。

あのときのドラマで どれを吹いていたのかは分からないけど 一番大きいのが一番カッコイイだろうと思ったのだが 部長が吹いているからいくら何でも 部長のが良いとは言えない。 部長が卒業したらテナーをしよう。 それまでは中でやってみよう。

「こっちの大きいの」 と、目の前の中を指さして言った。



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僕と僕の母様 第23回

2011年02月21日 14時25分36秒 | 小説
僕と僕の母様 第23回


この 名前を言った事で 入部が決定したようなものだ。

僕のバカ、順平のバカ! 

そうなんです 僕はブラスバンド部に入ってしまったんです。 それも今年の三年生が引退すると 部員の数の減りが目立ってしまうほど少人数の 明日か、来年かいつ潰れるか分からないようなクラブです。

順平のうな垂れた後姿の事なんて もうその時には頭から消えていた。

その日は結局 部員のパートとか 学年や名前、趣味などの自己紹介を聞かされてから開放してもらったが 今度から練習に参加しなくてはならなくなった。

家に帰って 母様に理由の説明が面倒くさいから

「何がどうなってか分からないけど ブラバンに入る事になった。」 と報告した。

いつもの母様なら 誰とどうして等と必ず理由を聞くのに「何がどうなってか分からない」 と言う僕のごまかしを 全然突っ込むことなく

「きゃー いいじゃない 高校生になったんだから クラブに入らなくちゃね、うれしいね」 と満面の笑みだ。
  
確かに僕が小学校から中学校に上がるときに「中学校に入ったら ブラスバンド部に入りたい」 と言っていた。

でも 実際は中学校にはブラスバンド部がなくて 入る事を断念したのだが 母様がそれを覚えていたのかどうかは 定かではない。 でも僕がピアノを辞めたいと言った時には 相当なショックがあったようで

「お母さんは 陵也にピアノをずっと続けてほしいと思ってるし、それ以外の楽器も 経験してほしいと思ってる。 出来るだけ音楽に毎日触れていてほしいと思うけど それより一生に一度しかない高校生活を 自分の思うように楽しむ事のほうが大切だからね、それにもう一度ピアノがやりたいと思えば その時にまた始めればいいことだもんね」 と無理矢理 母様自身に言い聞かすかのように いつもの元気無くそう言っていた。

本当は時間的に厳しくなって辞めたのではない 普通に授業が終わって すぐに帰ってくればちゃんと間に合うんだ。

でも 駅周辺にある商店街なんかで遊んでいると 時間なんかすぐに経ってしまう。 そんな事のほうがその時の僕にとっては ピアノより何より楽しかったんだ。

それに そんなにピアノを習っていたいとも思わなかったし、どちらかと言えば 何かきっかけがあれば辞めたいと思っていたほどだ。

だから その時母様に嘘をついて 学校が終わってから行くと レッスンの時間がギリギリ遅刻になってしまうから辞めたいと言った事に あまり罪悪は感じていなかったが、今この母様の喜ぶ顔を見たら あの時はすごく悲しかったのかなと その時のシーンを鮮明に思い出した。

それを思うと 明日からブラバン部員になろうと したくもない決心をした。

でも結局 こういう形になったということは もしかしたら母様は 夜な夜な黒魔術でもしていて 母様の思うように 僕のこの先は転がされて行くのだろうかと ふと考えたりもしたが そんなことが出来る母様じゃないし 実際にそんな事は無いだろう。 

イヤ、それより思い出した。 事の発端は順平だった。



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ハイジさん

2011年02月20日 01時23分17秒 | 日記
18日 13時30分頃に 「僕と僕の母様」 第22回を アップいたしました。

よろしければ 読んでみてください。




以前にも書きましたが あまりテレビは見ないほうなのですが 「ハイジさん」 が出られる時には 必ずと言っていいほど テレビを見ます。

もう日が変わってしまったので 昨日になりますが 19時からの「志村どうぶつ園」 を見られましたでしょうか?

ハイジさんは 動物とお話が出来るそうです。 お話と言っても 声に出して話すのではなく 意識を集中して 動物の心を読む という感じなのですが

先週もハイジさんが出ておられて その時には たしか 頭に腫瘍を持つ 犬でした。
 
腫瘍が まるで細い針金のように 頭を締め付けているのだそうです。

突然にやって来たその痛み、その病気のせいで 目も見えなくなり、鼻も利かなくなり、下半身も動きません。

犬は 不安でたまらないようなのです。

ただ、記憶から探っていき 「低い音 が聞こえます。それが大好き(待ち遠しいや嬉しい だったかもしれません)なようです」 と仰ったので 飼い主さんが 「除夜の鐘を毎年打ちに行きます」 と仰って その後、おくるみに包まれて抱っこをされた お写真がスタジオに送られてきていました。 除夜の鐘を打ちに行かれたらしいのです。



今日は 女優の 杉本彩さんの 犬でした。

10歳を過ぎたパピヨンなのですが どうしても不安というものを持っているようなので ハイジさんに伺ってらっしゃいました。

5ヶ月ほど前に 飼い主さんを探している所から 引き取られたようなのですが 犬が好んで入る 暗い狭い所を嫌がっったり ボールにも恐さを示すようなのです。

ハイジさんが 心を読み取ると 杉本彩さんが縁あって飼われる前は 狭く薄暗い 臭い匂いのある所に 入れられていたそうで 暴力も受けていたようです。

たった一つ幸せを感じていたのが 出産だったそうです。 ハイジさんが仰るには 普通、犬はここまで出産のことを 記憶しているものではないらしいのです。 今でも 「子供たちを返して」 と訴えているそうです。

私の一人合点かもしれませんが ずっと辛い目にあってきた中での 一筋の喜びを 簡単に忘れることが出来ないのではないでしょうか。

一度、犬は杉本彩さんを試したようです。

吠えては叩かれるという記憶から 吠えてみたそうです。 すると杉本彩さんが 頭を撫でてくれた。 そんな対応が今まで無かったので 犬は今戸惑っています とも仰っていました。

その中で ハイジさんも ビックリしておられましたが 「ここには猫が居ますか?」 と聞かれたのです。

すると 杉本彩さんが 「捨て猫だった2匹を飼っています」と、猫を連れてこられました。

ハイジさんが「そうだったの。あなたたちが教えてくれたの」 と仰って 杉本彩さんに向かって「この子達が(猫)ここは安全だよって(犬に)教えてあげたみたいです」 と仰るのです。

細かい所はまだありましたが 最後に 杉本彩さんが「何をしてほしいか」 と言うことを尋ねると ハイジさんが集中して そして仰いました「何もしてほしくない。ただ、ここに居ていい?そう聞いている」 と仰るのです。

それを聞いた杉本彩さんは 「ずっと居ていいんだよ。ずっと一緒だよ」 言葉は違ったかもしれませんが そういう風なことを仰った時に 今までずっと 下げていた尻尾を 元気一杯に振ったのです。

心で分かるんですね。



動物を飼っていると どうしても 「今何を考えているんだろう?」「どうしてほしいんだろう」 などと飼い主の方も思われると思いますが やはり大変なめに合っていると どうしても それを知りたくなってしまうものです。

ハイジさんは その疑問に対して 言葉で答えてくださいます。

動物にしてみれば 言いたいことがあれば 飼い主に伝えてくれる、飼い主は 動物が何を考えているのか 知ることが出来る。

本当に 素晴らしいことをされていると思います。

 

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僕と僕の母様 第22回

2011年02月18日 13時37分15秒 | 小説
僕と僕の母様 第22回



すると今度はさっきと違って 楽器を吹いていた全員が手を止め 僕たち二人をじっと見た。

そして今度は そこの中心に座ってサックスを吹いていた 男子生徒をみんなで見だした。

何? 何があったの? テンションが上がりすぎて僕、変な事を言ったかな? そう考えていると 部員の一人が「部長」 と言って そのサックスを吹いていた人に向かって 声をかけた。

ああ、あのサックスを吹いている人が 部長なのかと思っていたら その部長さんがこっちに向かって歩いて来る。

見学してはいけないのかな? 調子に乗りすぎた、怒られたらどうしよう と思った瞬間に

「ようこそブラバンへ、入部の希望だね、そっちの子はどうなのかな? 入部希望? 付き添い?」 ヘッ? 何の事? 僕は見学と言ったはずだ。 

「いえ、あの」 と言った僕の言葉にかぶるように順平が

「僕は違います。」 と言い出した。

「僕は」 じゃなくて「二人とも」 だろう。

何でもいい、僕もきちんと言わなくちゃあ「あの」 まで言うと今度は部長さんが 僕の言葉にかぶさって

「じゃあ、君だけだね。 経験はあるの?」 と、聞き出した。
 
つい「いいえ」 と答えてしまった。 イヤ、そういう話ではないです。 早く言わなくちゃ、でも僕の言葉を挟むスキがない。 テンションは下がっていく一方だ。

「みんなはブラバンって言ってるけど 正しくは吹奏楽部なんだ。 一応覚えといて」「どんな楽器がやりたい?」「あ、入部届けは後でいいから」 次から次へと喋ってくる。

順平のほうを見ると

「僕、今日はもう帰る」 下を向いてそう言い まだ暗いオーラを放ちながら 僕の手をほどいて帰って行った。

見放された。 さっきは心の中に秋風が吹いたけど 今度は吹雪が吹いたようだ。 どうすればいいの。 

「取りあえず教室の中に入って」 と今度は部長さんが 教室の中へ僕の腕を引っ張って行った。

すると部長さんが大きな声で ほかの部員に向かって

「はーい 待ちに待った二人目の一年生です。 これで来年度も何とかブラバンは 生き残れそうです。 君、名前は? あ、イヤ自分で 自己紹介をお願いしようか、ハイみんな拍手」

と言い出した。

ほんの数人しかいない部員で パチパチと僕のほうに手を向けて「おー」 とか「わー」 の声と共に歓迎の拍手をしだした。

何で勝手に盛り上がってるの? そう思いながらも聞かれたもんだから ついウッカリ自分の名前を言ってしまった。



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