『僕と僕の母様』 目次
第 1 回・第 2 回・第 3 回・第 4回・第 5 回・第 6 回・第 7回・第 8 回・第 9 回・第10回
第11回・第12回・第13回・第14回・第15回・第16回・第17回・第18回・第19回・第20回
第21回・第22回・第23回・第24回・第25回・第26回・第27回・第28回・第29回・第30回
第31回・第32回・第33回・第34回・第35回・第36回・第37回・第38回・第39回・第40回
第41回・第42回・第43回・第44回・第45回・第46回・第47回・第48回・第49回・第50回
第51回・第52回・第53回・第54回・第55回・第56回・第57回・第58回・第59回・第60回
第61回・第62回・第63回・第64回・第65回・第66回・第67回・第68回・第69回・第70回
第71回・第72回・第73回・第74回・第75回・第76回・第77回・第78回・第79回・第80回
第81回・第82回・第83回・第84回・第85回・第86回・第87回・第88回・第89回・第90回
第91回・第92回・第93回・第94回・第95回・第96回・第97回・第98回・第99回・第100回
第101回・第102回・第103回・第104回・第105回・第106回・第107回・第108回・第109回・第110回
第111回・第112回・第113回・第114回・第115回
以降は カテゴリ 又は 最近記事より お入り下さるようお願い致します。
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僕と僕の母様 第117回
「本当なんだってば ・・・いや、本当じゃない 部分もある。 ・・・えっと、大袈裟でした」 ちょっと思い出して テンションが上がってしまったのだ。 正直に大袈裟だったと 告白した。
「一人で何言ってるの? 頭でも打ってきたの?」 呆れた様に 言ってくる。
「きちんと話すと、僕は僕の班で 一番上手だったんだ。 インストラクターの人が そう言ったんだ」 落ち着いて話そう。
「一番上手って 初心者ばっかりの班でしょ。 陵也は初心者じゃないんだから 最初は上手で 当たり前じゃない。 それに一番上手って言うのも 怪しいもんだわ。 初心者って言っても みんなだって 段々上手になってきてたでしょ」
以前母様に聞いたのだが 母様が始めてスキーをしたのが 今の僕と同じ歳くらいで 学校の先生に つれていって貰ったらしい。 一週間ほどの お泊まりだったらしいが あくまでも名目が クラブのトレーニングだったから 相当きついものだったらしい。
ほんの5分、10分ほど スキーの板の 使い方を教えて貰って その後にすぐ 上級者向きのリフトで 上まで上がって 行かされたそうだ。
そして坂の上で先生に「滑って降りろ」 と言われて 背中を押されたらしい。 最初は転けながらだったそうだが その日の内に ヘッピリボーゲンで 転げることなく 降りられたらしい。
そのハードトレーニングのおかげで 母様はすぐに スキーへの恐怖感が なくなったと言っていた。 実際、母様はもともと 恐怖感っていうものを 持っているのかどうか分からないが・・・。
二日目からは 先生がそこそこ教えてくれたそうで 一週間の間で 結構上達したらしい。
母様は世の中全員を 自分の計りと同じように計るので 三日も滑っていれば みんなそこそこ上手になると 思っている。
だが僕は 母様お墨付きの 運動音痴だから みんなより僕の方が 上達が遅いと思っているようだ。
「そんなことはないよ 本当にインストラクターさんが そう言ったんだもの」 そうして僕は 修了証の存在を思い出した。
「あ、そうだ見て見て」 リビングに 放ったままの鞄の中を ゴソゴソと探した。
「あった 見て、ちゃんと書いてあるでしょ」 修了証を母様に手渡した。
「何これ? 書いてあるって 修了証って書いてあるわよ。 あなたは本スキー学校の・・・」 と読み出した。
「違う違う、裏を見て」 修了証の裏に インストラクターさんからの 一言が書いてあるのだ。
『このスキー学校 よく頑張りました。
今回一番上手くなったのは 君だと思うよ。 最初、ハの字しかできなかったのに 最後には足をそろえて スピードの調整まで 出来るようになって すごいと思うよ。
これから またスキーをすることがあったら、もっと上を見て 体を前に出して滑れるようにしてみると もっと良くなると思います。』
「へー・・・少なからず本当・・・か?・・・」 まだ少し疑っているようだ。
最後まで読んで頂きまして有難う御座います。
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僕と僕の母様 第117回
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「一人で何言ってるの? 頭でも打ってきたの?」 呆れた様に 言ってくる。
「きちんと話すと、僕は僕の班で 一番上手だったんだ。 インストラクターの人が そう言ったんだ」 落ち着いて話そう。
「一番上手って 初心者ばっかりの班でしょ。 陵也は初心者じゃないんだから 最初は上手で 当たり前じゃない。 それに一番上手って言うのも 怪しいもんだわ。 初心者って言っても みんなだって 段々上手になってきてたでしょ」
以前母様に聞いたのだが 母様が始めてスキーをしたのが 今の僕と同じ歳くらいで 学校の先生に つれていって貰ったらしい。 一週間ほどの お泊まりだったらしいが あくまでも名目が クラブのトレーニングだったから 相当きついものだったらしい。
ほんの5分、10分ほど スキーの板の 使い方を教えて貰って その後にすぐ 上級者向きのリフトで 上まで上がって 行かされたそうだ。
そして坂の上で先生に「滑って降りろ」 と言われて 背中を押されたらしい。 最初は転けながらだったそうだが その日の内に ヘッピリボーゲンで 転げることなく 降りられたらしい。
そのハードトレーニングのおかげで 母様はすぐに スキーへの恐怖感が なくなったと言っていた。 実際、母様はもともと 恐怖感っていうものを 持っているのかどうか分からないが・・・。
二日目からは 先生がそこそこ教えてくれたそうで 一週間の間で 結構上達したらしい。
母様は世の中全員を 自分の計りと同じように計るので 三日も滑っていれば みんなそこそこ上手になると 思っている。
だが僕は 母様お墨付きの 運動音痴だから みんなより僕の方が 上達が遅いと思っているようだ。
「そんなことはないよ 本当にインストラクターさんが そう言ったんだもの」 そうして僕は 修了証の存在を思い出した。
「あ、そうだ見て見て」 リビングに 放ったままの鞄の中を ゴソゴソと探した。
「あった 見て、ちゃんと書いてあるでしょ」 修了証を母様に手渡した。
「何これ? 書いてあるって 修了証って書いてあるわよ。 あなたは本スキー学校の・・・」 と読み出した。
「違う違う、裏を見て」 修了証の裏に インストラクターさんからの 一言が書いてあるのだ。
『このスキー学校 よく頑張りました。
今回一番上手くなったのは 君だと思うよ。 最初、ハの字しかできなかったのに 最後には足をそろえて スピードの調整まで 出来るようになって すごいと思うよ。
これから またスキーをすることがあったら、もっと上を見て 体を前に出して滑れるようにしてみると もっと良くなると思います。』
「へー・・・少なからず本当・・・か?・・・」 まだ少し疑っているようだ。
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