大福 りす の 隠れ家

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辰刻の雫 ~蒼い月~  第39回

2022年02月21日 22時24分25秒 | 小説
『辰刻の雫 (ときのしずく) ~蒼い月~』 目次


『辰刻の雫 ~蒼い月~』 第1回から第30回までの目次は以下の 『辰刻の雫 ~蒼い月~』リンクページ からお願いいたします。


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辰刻の雫 (ときのしずく) ~蒼い月~  第39回



マツリの声が聞こえた。

「地下に童・・・子は入って来ん。 今のお前はどこからどう見ても子にしか見えん。 いつ何があるか分からん。 女人だと分かれば何をされるか分からん。 それでも地下に入るか」

童というのは小さな男の子。 宮の言葉であることは知っている。

「当たり前。 でなきゃ、ここに来た意味がない」

子供にしか見えないと言われたところに突っかかりたかったが、今そんなことをしている時ではないのは充分に分かっているし、剛度の孫の服を着ているのだ、子供に見えて当たり前だろうとも思うし、逆にそう見えなければ何に見えるのかと問いたい。
などと頭の隅に考えた紫揺だが、もし同じ姿をシキがしても女人にしか見えず、到底子供には見えないであろう。

「そうか」

マツリが何歩か歩くと湿ったところに手を突っ込んだ。 何をしているのかと思えば、戻って来て急に顔や服に泥を塗られた。

「わ! 借り物なのに!」

女なら普通、服ではなく顔の方を気にするだろう、と言いたいのを抑えてマツリが説明をする。

「地下に入るにはそれなりに本領で何かあったからだ。 洗いたての物を着ていてどうする」

本領で何かあった、とは言っても地下も本領である。 マツリの言う本領と言うのはあくまでも地上でということ。

マツリの言いように、そういうことか、と納得する。 だが事前に言ってくれてもよさそうなものだ。

紫揺の肩に止まっていたカルネラにジロリと視線を移す。 

「カルネラは・・・そのままで良い、か。 だが目を付けられそうになったら我の懐に入れる」

「きゅうーい」

小さくなって紫揺の頬にしがみ付くがマツリに何か言われた、としか分かっていないのだろう。
マツリが今までに何か言う度に何を言われたのを分っていたのではなく、何かを言われたとしか分かっていなかったのかもしれないのだった。

「カルネラは城家主の屋敷までの道のりを知らん。 とにかく真っ直ぐに歩け。 曲がる所に来れば俺が先を歩く。 お前は距離を置いて俺の後ろを間違いなくついて来い。 いいか、中に入れば路地があるが路地の近くは歩くな。 いつ手が伸びてきて路地に引き込まれるか分からん。 俺が前になった時にはキョウゲンに始終後ろを見させるが俺はぎりぎりまで助けはせん。 だがどうしてもという時には大声を出せ。 それ以外は出来るだけ声を出すな。 一応お前の声は女のものだ。 分かったな」

一応お前の声は女のものだ、そこまで言われたのに先ほどまでとは打って変わったようにコクリと元気なく頷くだけの紫揺。

「どうした、今なら引き返せる。 怖いのなら―――」

「違う。 この時点で十分マツリの足手まといになっているって思っただけ。 足手まといにならないって言ったのに、ごめん」

マツリの両の眉が上がった。 恐がってはいないということと、リツソにゴメンを教えるだけのことはあったのか、と。
だがすぐにその眉を下げ踵を返す。

「行くぞ」

少し離れた所に見える岩山。 そこに地下に通じる洞がある。
地下の入り口に向かってマツリが歩き出した。



共時を馬に乗せて戻ってきた見張番の二人。 門番にどうしたのか尋ねられ、マツリからの用を仰せつかった旨、門を開けるようにと申し入れた。

二人乗りの内の一人は知らない顔だし怪我もしている。 怪しむところだが、マツリがこの男のことで用を頼んだのだろう。 よく見知った見張番だ、それについさっきマツリと共に出て行ったところだ。 そう怪しむところではないだろう。

「マツリ様の御用にて、見張番入門、門を開けえ」

外門番の声に内門番の声が復唱される。
門番の声に下馬をしていた見張番の二人が胸を撫で下ろした。

門番の中でもろくでもない者が居る。 ろくでもないと言っていいのか融通が利かないと言っていいのかは分からないが・・・いや、やはりろくでもない者だろう。 その者たちにあたっていれば門は潜れなかった可能性が高かった。 そうなるとマツリから言われた波葉とのことも何もあったものではなかった。

ちなみにその門番の筆頭が、北の領土の狼であるハクロが腹立てていた門番である。

門の中に入る時には共時は百藻の肩を借りていた。
二頭の馬の手綱を持っていた瑞樹がマツリからの伝言があるからと、内門の門番に波葉を呼んでもらうよう頼む。 番宿で待っていると付け加えて。
内門番が共時に不審な目を向けながらも宮内に足を向ける。

厩に馬を入れると先に歩いていた百藻に追いついて瑞樹が番宿の戸を開け、二人がかりで共時を畳に上げた。

暫くすると波葉が番宿に入ってきた。

入り口の木戸を開けるとその一辺には土間がある。 その正面に膝の高さほどに高くなったところに八畳分の畳が敷かれている。
目の前の畳に座る三人の男。 その内の一人が傷を負っているのは一目で分かる。

「何があった?」

いつも穏やかな波葉だが剣呑な目を見張番に向ける。 瑞樹が畳を降りて履き物を履くと入口に立つ波葉を通り過ぎ、一度木戸を開け外の様子を見た。 再び木戸を閉めると波葉の斜め後ろに立つ。

「マツリ様から御内密にあの男を四方様にお会いさせるよう、波葉様に御取り計らい下さるようにと」

外を確認したにもかかわらず、念を入れて誰にも聞かれないようにと耳打ちをする。

「お前たちの顔は見知っている。 それに門番もよく知っているからお前たちとあの男を通したのだろうから。 だがそう簡単に四方様にお目通りをさせるわけにはいかない」

暗に怪我をしている男に信用ならないと言っているのもあるが、たとえ四方直轄の見張番と言えど、今見張番が言ったことが本当にマツリからの伝言であるのかどうか、疑う、とまでは言わないが、断じかねるということである。

内密にと言われたのだ、波葉も声を抑えている。

瑞樹が百藻に目を合わせた。 百藻が顎をしゃくる。 あの時に聞こえてきたマツリと紫揺の話をしろということだ。

「誰かに聞かれても困りますので奥に」

波葉を入口から奥の畳のある所に誘導する。 窓のない所に波葉を座らせると、マツリと紫揺の会話をかいつまんで話した。

「なんだって!? それではマツリ様と紫さまが地下に行かれたというのか!?」

「声を抑えて下さいませ。 あの男とマツリ様の話は聞けませんでしたが、それが重要なことかもしれません。 ですから御内密に四方様にお会いできるようにお計らい願いたい。 そう波葉様にお伝えするように俺たちは言われました。 それがマツリ様からの伝言です」

この伝言を生かそうがその手で握り潰そうが波葉の勝手だと見張番の目が言っている。 己らは波葉にこのことを伝えるのが役目なのだから。 その役目はここで終わりだと。

「四方様にお伺いを立てる。 四方様のご判断を待っているよう。 だが少なくとも、その状態で四方様の前に出るのは憚られる。 少なくとも血は拭いておくよう。 腫れている所も冷やしておく方が良いだろう」

「四方様には見張番の百藻からだとお伝え願えれば」

念を押すように瑞樹が言う。
たとえ自分たちの仕事はここまでだと言ってもそこで投げ出せるものではない。 見張番と領主筋には代々の信用、信頼からなる繋がりというものがある。

「承知した」

波葉の応(いら)えに瑞樹が頭を下げるのを返事とする。
波葉がすぐに畳から降りると番宿を出て行った。

「おい、オレかい」

波葉を見送っていた瑞樹の背に百藻の声がかかる。

「四方様にはオレより百藻の方が信用があるからな」

信用とは言ったが、それは長年という意味である。
瑞樹はまだ若いが、百藻は四方がまだ領主になる前、供と共に各領土を回っていた頃から居た見張番である。
岩山まで飛んできて見張番と顔を合わせることなく洞を潜るマツリとは違い、四足の供と共に各領土を回っていた四方である。 その昔、岩山で何度も話をしていた仲であることは瑞樹も聞き知っている。

番宿から出た波葉が眉根を寄せながら足早に歩く。 瑞樹から説明を受けたと言っても詳しい話ではなかった。 いや、詳しく言われたとしても納得の出来るものではない。

(どうして紫さまが地下などに・・・)

その事が頭を一周した時に新たなことに気付いた。 足を止め全身が硬直したと思ったら、頭が項垂れた。

本領に紫揺が来たというだけのことを四方に止められシキに伝えなかったのだ。 今回ももちろん四方に止められるだろう。
だがあれ程に怒っていたシキからこれからは何でも言うようにと言われたところだ。 だがだが、紫揺が地下に入ったなどと、四方に止められずとも言えるものではない。

人目も憚らず頭を抱え込んでしゃがみ込みたい気分であったが、足を進めなくてはならない事は分かっている。

(・・・どうしてこうなる・・・)

あの男と四方がどんな話をするかは分からないが、地下がかかわっているのだ。 会うか会わないか、また、会うとすればすぐになのか時を置いてなのか、それは四方が判断するところ。
己の為さなければならない事は、地下がかかわるだけに一刻も早く伝えなければならないということだ。
泣きたい気持ちを抑えて前を見る。

宮の庭を歩き己の仕事部屋に一番近い小階段から回廊に上がる。 仕事部屋に入るとすぐに筆を手に持った。 書いた紙を懐に入れると今度は四方の執務室に向かう。

官吏である文官の仕事部屋は本来この宮内ではないが、四方が執務室を宮内に設けた時に文官用の仕事部屋も設けた。 四方が携わる仕事はここで文官が精査してから四方の執務室に持って行かれる。

執務室の外では四方の従者がずらりと座っている。 その末端に座る従者に四方との面会を申し入れる。 末端の従者が立ち上がり、その事を襖の一番近くに座っていた従者に告げる。 従者が襖を開けていつも四方に付いている、未だ顔色を悪くしている側付きにその事を伝えた。

側付きが波葉の訪問を伝えると四方が書類に目を走らせながら頷く。
四方の斜め前に机を置き座っている文官二人がチラリと側付きを見た。 この忙しい時に、という目なのかどうかは分からないが、側付きは視線を感じても知らぬふりをする。
その側付きが襖を開け頷いてみせる。

「どうぞお入りください」

襖を大きく開ける。
執務室に入った波葉。

「義父上」 と一言う。

波葉の呼び方に四方が書類から目を離した。

「あ、申し訳ありません。 四方様、少し宜しいでしょうか」

四方が何かを察した。 立ち上がり丸卓に座るよう波葉に目顔を送る。

良かった、分かってもらえた、と、波葉がホッと安堵の息を吐いた。 単に 『四方様』 というだけでは、四方の座っている卓に足を向けなければならない。 そうなれば四方の斜め前に座っている上司である文官二人に話を聞かれてしまう。

四方が座った時にその背を文官に向ける位置になるよう、その正面につく。
四方は身体が大きい。 それに比べて波葉は華奢だ。 四方の手元や表情、口の動きを見られる顔を完全に隠せる身体を持ってはいない。

四方が波葉の立つ前に座る。 それから遅れて波葉も座る。 文官から見れば波葉の身体はスッポリと四方に隠れている。

懐に手を入れると先ほど書いた紙を四方の前に置いた。
そこに急ぎ書かれていたのは

『マツリ様と紫さまが地下に入 マツリ様の指示のもと、内密に男を四方様に会わせるようと 男は番宿に』

ということであった。

一瞬にして四方が顔色を変える。

「義父上、シキ様が」

ここまで文官に聞こえるように言った。 あとは声を静めるように言う。

「見張番、百藻からの伝言とその見張番が連れて来た男です。 如何いたしましょう」

四方が腕を組む。
波葉には俤のことはもちろん、地下と繋がっている見張番のこともまだ何も言っていない。 今見張番に対しては疑うところが多い、だがこの話し、百藻からであれば信用に値する。

朝餉のあと見張番とマツリが紫揺を東の領土に送ったはずだ、その見張番が百藻ということだったのだろう。 その途中で何かあったということか。
それにしても、現状地下のことはまだ何も分かっていない。 地下と繋がっている見張番のことは分かったが、次に文官の方から進めるつもりだったのに、どうして。

「その男というのは?」

前屈みになった四方が声を抑えて訊く。

「見たこともない男です。 身体も顔も傷だらけです」

「傷?」

「はい、殴られたようなあとが幾つも」

いったいどういう男だ・・・。 とは思うが直截を下す。

「見張番に手伝わせその男を医者房に連れて行くよう。 遅れて行く」

リツソのことで医者は信用が出来ると分かっている。 それに四方が番宿に行くことなどと目立って仕方がない。 だが医者部屋なら何とか誤魔化しがきく。

「承知いたしました」

波葉が席を立つ。 四方は腕を組んだままだ。

執務室を出て行く波葉をチラッと見た文官。 夫婦の問題で四方の手を止めるな、と思ったのかどうか。



もう既に昼前になっている。 地下の男たちがどこで寝ているのかは紫揺の知ったところではないが、最初は所々に居た男達だが、その人数が増えてきている。
その男達からここにくるまでに何度かイヤな声を投げられていた。

「餓鬼が来るんじゃねーよ! うっとうしい」
「おっ父を探しに来たかー?」
「あー、乳臭せー臭いがする」
「餓鬼んちょがなに悪さをしてきたー?」

そんな言葉の後に必ず下卑た笑いが聞こえた。

その後にも。

「売れるか?」

「そこそこか」

その声の後に紫揺の前に立ちはだかった男。
頬に泥を付けた紫揺が睨み返す。

「けっ、生意気な。 こっちに来な」

男が紫揺の手を取ろうとした時、紫揺がするりとその手から抜けた。 走ってしまってはマツリからはぐれるかもしれない。 逃げることは出来ない。

「おい、大人しくしねーか」

もう一人の男が加勢に来た。

「そうだぜ、痛い目に遭いたくなかったらな」

二人の男に挟まれた。

マツリがいつ走り出そうかと、それでも己が疑われることなく歩かねばならないと思いながら、かなり距離を置いて気付かぬ振りをして紫揺を見ている。

「マツリ様・・・」

「まだだ」

前後から男たちの手が伸びてきた。 身を翻してその手から逃れる。

(そうだ、離れないようにしなければいんだ)

前方に走っていけないわけじゃない、だが万が一にもはぐれてしまうのはごめんだ。 紫揺が進行方向の右に走った。 誰が作ったのかこの地下に路地に入るための木で出来た塀が立っている。

ここは日本でいうところの、片側三車線ぐらいある広い通りだ。 地下で通りと言っていいのかどうかだが。
もう少し進めば段々と狭くなり、地下なりの店も見えてくるし、店に入らずそこいらに座り込んで博打をしたり、酒に足をとられている者も出てくる。
時間的に言ってこれからゾロゾロと出てくるだろう。

「ちっ、すばしっこい餓鬼が」

だが紫揺の向かった先には塀があるだけだ。 そうそう簡単には逃げられないだろう。 男二人が余裕で紫揺のあとを歩いた。
その時にはすでに塀に辿り着いていた紫揺。 ある一点を除いたところの塀を手で押して確かめている。 そして残されたある一点を軽く押す。

「うん、いける」

確かめた塀からある程度の距離を引き返し男たちを迎える。

「へぇー、観念したか? そうだよ。 そうやって大人しくしてりゃいいんだよ」

すると紫揺が急に後ろを向いて男達にお尻を突き出し、その自分のお尻を叩いた。 おまけに振り向いた顔でアッカンベーをしてやる。

アッカンベーがこの本領で通じるのかどうかは分からないが。 もちろんお尻ペンペンも。 この二つが通じたのかどうかは分からないが、馬鹿にされたことは何気に分かるだろう。
男二人が足を止めた。

「あんの餓鬼!」

通じたようだ。

男二人が走り出した。 ギリギリまで待つ紫揺。 男が手を伸ばしたその寸前で塀に向かって走り出す。
男達は勢いづいて追ってくる。 目の前は塀だ。 左右どちらに逃げようとも、こっちは大人、向こうは餓鬼。 すぐに捕まえることが出来るとたかを括っている。

紫揺があと少しで塀という所まで来た。
男が手を伸ばせば紫揺を捕まえられる。 男が手を伸ばそうとした。 その途端、紫揺が塀をかけ上った。

「え?」 と思った男二人だが、勢いづいている足はそう簡単には止まらない。 だが、止まれなくても塀に手を着けばいいこと。

塀をかけ上った紫揺が最後の踏み切りを必要以上の力を入れて蹴った。 そしてそのまま後ろに宙返りをする。 いわゆる前方抱え込み後方宙返り。

ピー! と懐で聞こえたのは気のせいだろうか。

紫揺の最後の蹴りで腐りかけていた塀が僅かに傾いたが、それに気付かない男二人。 紫揺が目の前から居なくなったのはもちろんだが、勢いづいて走ってきた足はとまらない。 男達が手をついた途端、塀と共に路地に倒れ込んだ。
塀の向こうには別の男たちが居た。 この男二人のお蔭で塀の下敷きになるところだった。

「テメー! なにしやがんだー!」

倒れ込んできた男たちを足蹴にすると喧嘩が始まった。

この時すでに紫揺は塀から離れ素知らぬ顔をして歩き始めていた。

「マツリ様・・・」

「・・・今は・・・何も考えたくない」

波葉と同じように、しゃがみ込んで何も考えず頭を抱えたい気分なのだろう。

その後にも声が聞こえてきたり手が伸びてきたりはしたが、いとも簡単にすり抜けていた。

座り込んでいる者が多いのが味方となった。
一度紫揺を逃してしつこく追って来る者はいなかった。 一度逃しただけでも恥なのに、再度逃げられたら笑い者になってしまうからだった。

前を歩いていた紫揺をマツリが抜いた。

(ここから道が変わるのか。 マツリを見失ったら最後になっちゃう)

北の領土で言っていた偽の迷子ではなく本当の迷子になってしまう。 それもこんな所で。
マツリの背中を見る。

(あれ? マツリの背中ってこんなに広かったっけ?)

マツリは華奢だ。 その筈だ。 それなのにどうしてこんなに背中が大きいのだろう。 それにふと見ると意外に肩巾がある。

「うん?」

キョウゲンが後ろを振り向いている。

(そっか。 あれぐらいの肩巾が無いとキョウゲンも安定して止まれないか)

マツリから距離をあけろと言われていたことを思い出す。 足を止めた。 周りを見たいがマツリから目を離すことをしたくない。 いつどこで曲がるかも分からないのだから、迷子になりたくないのだから。

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