大福 りす の 隠れ家

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辰刻の雫 ~蒼い月~  第36回

2022年02月11日 22時29分43秒 | 小説
『辰刻の雫 (ときのしずく) ~蒼い月~』 目次


『辰刻の雫 ~蒼い月~』 第1回から第30回までの目次は以下の 『辰刻の雫 ~蒼い月~』リンクページ からお願いいたします。


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辰刻の雫 (ときのしずく) ~蒼い月~  第36回



紫揺の肩から下りてきていたカルネラが紫揺の掌の中で仰向けになっている。 背だけではなく手も小さな掌には収まりきらない尻が落ちている。 そしてもう一方の手の人差し指はカルネラの胸の辺りで動いている。 トロリンとしているカルネラ。

「ロセイに話しかけてみてくれる?」

「え・・・」

「何を訊いてもいいわ」

指が止まり一度頭を下げた紫揺。

「じゃ、一度だけ」

困り顔で応える。
これは絶対に引くに引けないのだろう。 それならさっさと終わらせよう。

「ロセイ、ロセイの主の想い人はだれ?」

澪引が吹き出しそうになった。 ロセイの主はだれ、で止めておけばいいのにと。

ロセイがシキを見る。
ロセイの口が硬い嘴ではなく、柔らかい人のような唇をしていたならば波打っていたかもしれない。

「どうしたの?」

ロセイの様子がおかしいと気付いたシキ。

「お答えしても宜しいでしょうか?」

「では、紫になら問われれば答えるということね。 それがどんな内容であれ」

さっきロセイは言っていた。 シキの身体に危険があるようならばマツリや四方に問われれば答えると。 だが今、紫揺が問うたのは重大な問いではない。

「お答えしなくてはならないような、したいような・・・そんな気になります」

シキとマツリが目を合わせる。

「どういうことかしら」

「紫の力というわけではない様で御座います」

マツリが紫揺の瞳の色を見たが紫にも赤と青の異(い)なる双眸にもなっていないし、他の色の力も使っていないようだ。 紫揺の瞳はいつも通り黒である。

「波葉様で御座います」

耐えきれなくなったロセイが紫揺に言った。 腹の底が収まったようにロセイが長い首を曲げる。
ロセイがこうなのだ。 キョウゲンで試すまでもない。

カルネラは気軽に紫揺に答えるが、気軽にというところではリツソが出来ていなかったからかもしれないが、答えるというところではロセイもキョウゲンも同じだろう。
だが他に違うところがある。
先ほどロセイは『供は主の言(げん)以外は、聞こえていても耳にせずもの』 と言っていたが、カルネラはシキが問うてもその話が、言葉が分からないといった様子だった。

「カルネラはマツリの言うことは分かるの?」

シキに問われ片手を顔にあて過去を振り返る。

「今までにカルネラに何を言ってきたか・・・」

他出から帰って来た時、シグロとハクロに止められた。 リツソがカルネラを使って四方から逃げようとしていると聞いた。
あの時にはキョウゲンにカルネラを探しに行かせカルネラに話をしたが、結局マツリが言うことは分からなかった様だった。 ハクロだったかシグロだったか、どちらかがカルネラに言って話が通じた。

城家主の屋敷から逃げ出した時には最初は分からなかったようだが、キョウゲンがマツリの言ったことに口を添えた後から分かったようだ。 板を割る時にはキョウゲンが見本を見せていたし、マツリが指をさして動きを見せていたところもある。 言葉が分かったとは言い切れない。

「最初にカルネラを呼ぶときには呼ばれていることは分かっているようですが・・・そう言えばあまり通じているとは考えられません」

他には・・・。 紫揺からの手紙でリツソが大泣きをしたときのこともあった。 あの時カルネラにリツソの口を塞げと言ったが・・・。 結局は己の手ぶりで分かったように思える。
いや、それ以前のことが考えられる。

「リツソが我のことを怖がっておりますので、カルネラも我のことを怖がっているでしょう。 そう思えば我が最初にカルネラを呼んで反応するのは呼ばれているのが分かっているのではなく、声に恐がっていただけかもしれません」

「じゃあ、一度でいいから何か一つ優しく訊いてみて」

「は?」

「何でもいいわ」

「そう言われましても」

優しくと言われても。

「早く。 もう完全に寝ちゃうわ」

カルネラが紫揺の掌の中で大の字になっている。 紫揺がカルネラを起こそうとほっぺをツンツンするが、その指にカルネラが手を伸ばし絡まってくるだけで起きようとする気配がない。
マツリが眉を顰める。

「カルネラ」

声音静かにマツリが言う。

「きゅーい」

口から小さな声が出たが目は開いていない。

「カルネラ、起きろ」

紫揺に絡めていた手が落ちた。 完全に寝たようだ。

「カルネラ!」

「ピー!!」

指の一本一本も広げてまさに大の字になり、耳の飾り気も尻尾の毛も総毛だった。
ここにリツソが居れば耳に指を突っ込んだだろう。

シキが溜息をつく。 優しくと言ったのにこれでは恐がらせているだけだ。
カルネラがすぐ目の前にあった紫揺の人差し指にしがみ付いた。

「大丈夫、マツリは怒ってないから」

カルネラの身体が小刻みに震えているのが指に伝わってくる。 もう一方の手でカルネラの頭や身体を撫でてやる。

「ね、今からマツリがカルネラちゃんに何か訊くの。 それにちゃんと答えられる?」

「きゅーい・・・」

「ほら、恐がらなくていいから。 マツリを見なくてもいいから」

カルネラを自分の方に向けてやる。

「カルネラ」

こわ~い兄上の声が聞こえた。

「ぴっ」

カルネラの身体が強張る。
呼んだものの、何を訊こうかと一瞬考えたが何も浮かばない。

「お前の主の名は」

芸のないことを言ってしまったが、カルネラには単純な問が無難であろう。
カルネラが紫揺を見る。 紫揺が微笑んでカルネラに頷いてみせる。

「・・・シユラァ」

「マツリに答えてあげて」

カルネラが急に紫揺の腕を走った。 そして何故だ。 両手両足を広げて紫揺のペッタンコのお胸にへばりついた。

「シユラァ・・・」

マツリが大きく息を吐く。

「リツソそのものか」

これでは何もわからない。 だが、たとえカルネラがどうであれ、ロセイが言ったことであれ、それはたいしたことではない。 紫揺のような人間がゴロゴロしていては困るがそうそう居るわけではないだろうし、まず供は例外を除いて主と時を共にしている。
紫揺のような人間が悪意を持って何かを訊きだそうとしてもそこには主が居るだろう。 このことはそんなに問題ではない。

と、そこまで考えて今更ながらに気付いた事があった。

地下に入って俤の様子を見てくる、そんなことをカルネラに言っていたが、カルネラに語彙が少なくて通じなかったのではなかったのか。 マツリの言葉を聞くことが出来なかったのかと。
無駄なことをしていたようだった。

「このような事はそうそうには無いと言えましょう。 それとカルネラが姉上や我の言葉を理解しないのは、まだしかりとリツソとの繋がりが出来ていないからなのではないでしょうか。 この事はあまり気にせずとも宜しいかと」

俤のことは後で何か策を講じるとして、その為にも先にしなければいけないことがある。

「それでは姉上、そろそろ紫を東に戻します」

「茶房で父上は何と仰っていたの?」

少しでも長く時をとろうとしているのがありありと分かる。

「姉上、紫を東に戻します。 宜しいですね」

「マツリはいいの?」

「何を仰っておられるのですか」

大きく溜息を吐くと紫揺を見た。

「送ってゆく。 衣を替えてくるよう」

マツリも着替えねばならない。 椅子から立ち上がる。

シキと澪引とは名残惜しい。 今度いつ会えるか分からないのだから。 それとも会えないかもしれない。 それに俤のことも気になるが自分は東の領土の人間。 マツリが飛んできた時にその後どうなったのか、助けは要らないかと訊くしかない。

紫揺が立ち上がった。

「紫・・・」

シキが眉尻を下げて立ち上がった紫揺を見た。 澪引もまた紫揺を見ている。

「長くお世話になりました。 澪引様もシキ様もいつまでもお元気で。 リツソ君には会わずに帰ります。 それと・・・。 シキ様の仰っていらした五色のせねばならない事、領主さんに迷惑をかけないようによく考えておきます」

「・・・紫」

紫揺の言葉を背に聞きながらマツリの足が一瞬止まる。

(五色のせねばならないことを、よく考えておく? どういう意味だ)

本領に来るまでの道々、紫揺には力の話をしていた。 それ以外のことがあるというのか。 シキは五色のどんな話をしたのだろうか。

「いつでも来てね。 用がある無しに関わらずよ」

「有難うございます」

「紫、息災でね」

「澪引様もお身体をお大事に」

胸にしがみ付いているカルネラを宥めて卓に座らせると机から一歩離れて深くお辞儀をした。 もう異音は絶対に鳴らさない。

昌耶が開けたくない襖を開け手をついて紫揺を送る。 昌耶も紫揺を気に入っているのだから。 最初の時には紫揺の衣裳のはり合いをシキとした程なのだから。

部屋を出た紫揺。 “最高か” と “庭の世話か” の前まで来ると「着替えます」 と一言いってそのまま歩いた。
四人が顔を見合わせる。 今日東の領土に帰ることは分かっていたのだから、着替えるのは紫揺がやって来た時に着ていた衣装にということだ。
四人が四人とも眉尻を垂れて立ち上がった。

マツリもキョウゲンと共にシキの部屋を出て行った。

「結局、マツリと紫が寄り添うことは無かったわね」

「まだこの数日で御座いますもの。 わたくし、諦めておりませんわ」

「でも紫が本領に来ることはもう無いのでしょう?」

「はい。 どうしてもそこが難点で御座います。 マツリが東の領土に飛んだ時に紫と会って、紫のことを想っていると分かってくれればよいのですが」

「え? それはなぁに? マツリが、そうなの?」

シキの目が輝いて口の端が上がる。

「はい、朝餉の席でマツリが言っておりましたでしょう、呑み過ぎたと。 見張番の祝いの席で呑んだこともありましょうが、その後に波葉様とも呑んで」

澪引が卓に手を着き前屈みになって聞いているが、少し前の澪引からは考えられない姿勢である。 こんな姿勢がとれなくはなかったが、あとに咳が出たり体の不調が出るかもしれないと思うと安易にとれる姿勢ではなかった。
それにまだ紫揺が居る時、紫揺が『ロセイの主の想い人はだれ?』 と訊いた時があったが、その質問に澪引が吹き出しそうになっていた。 その様な反応は今までに無かったことである。 

「波葉様が仰るにはマツリは紫のことを想っていると。 ただマツリはそれに気付いていなかったので波葉様がマツリの疑問を全て解いたそうです」

まぁ、と言いながら澪引が桜の花びらのような唇に両手を当てる。

「ですが表面的には認めなかったということらしいですわ。 ですが心の中のどこかでは分かっているということでした。 ですからまだマツリ自身が整理できていない状態、そう言っておられましたわ」

澪引の目が輝いた。 そして頷き合う二人。 まるで “最高か” か “庭の世話か” のように。
そしてその “最高か” と “庭の世話か” のことを伝えた。

「味方が増えましたわね」

「はい。 必ずやマツリの奥には紫を」

リツソのことを完全に諦めた澪引。
もう一度頷きあった二人であった。


いつもならテキパキと手を動かして着替えを手伝う四人の手が、ユルユルと動いている。

「えっと・・・あの? どうかしましたか? 元気がないようですけど」

「紫さまが帰られるのですから」

「元気もなくなります」

「元気どころか悲しみしか御座いません」

「今泣いてもよろしゅう御座いますか?」

「あ、それは止めてください。 私も悲しくなりますから」

「え? では紫さまも私たちとお別れするのを悲しいと思って下さるのですか?」

「もちろんです。 お世話になりっぱなしなだけだから、大きな声じゃ言えませんけど」

「いくらでも! いくらでも大きな声で仰ってくださいませ!」

「ええ、ええ。 それをお聞きするだけでうれしゅう御座います」

「その様に思って下さっておられたとは思いもしませんでした」

「私、皆さんのことが好きです。 何にも知らない私の相手をして下さったり、こうやってお着替えを手伝って下さったり。 でも何もお返しが出来ていません。 そうだ、腰を揉むって言ってたのにそれさえしてません。 ごめんなさい」

紫揺の言葉に四人がそれぞれに胸の前で手をギュッと握っていたが、紫揺の最後の言葉を聞いてその手を離した。

「ごめんなさいなどと・・・」 美しい悲しみのカルテット。

またユルユルと四人の手が動きだす。

帯さえ解いてもらえればあとは紐を解いて脱ぐだけだから紫揺にも出来るが、どうもこの本領では一人ではさせてもらえない様なのだ。
最後の一枚がハラリと肩から落ちた。

「東の領土の服は・・・衣、衣裳は自分で着られますから」

服と一つ言うだけで日本の言葉、領土の言葉、宮の言葉と無駄に何度も言い換える。
四人が視線を落とし座り込むと脱いだ一枚一枚をたたみ始める。
手際よく服を着て行く紫揺。 上衣は薄い青、下衣は濃い青。 上衣の合わせの着方も心得ている。 皺を入れずにえんじ色の帯をいつもより一周多くまわし最後に帯を括る。 長靴は下足番が用意をしているはず。
着替え終わった紫揺を見る四人。

「紫さま、くれぐれも道中お気をつけて」

四人が手を着いて頭を垂れる。

「はい。 心配しないで下さい。 ずっとマツリがついてくれていますから」

四人の眉がピンと撥ねあがった。

「紫さま? 少し宜しいでしょうか?」

「はい、何でも」

四人が無言で無動作で互いの意見を一致させる。

「マツリ様とご一緒に帰られるということは、マツリ様とお話をされるのでしょうか?」

「はい。 フクロウに乗って上空からって所もありますからずっとじゃありませんけど、来た時にはそれなりに話し・・・あ、じゃなくて五色のことを教えてもらっていました」

「五色様のことだけで御座いますか?」

「はい」

「他にはなにも?」

何が言いたいのだろうか。 取り敢えず紫揺が頷く。

「マツリ様と恋のお話などされませんのでしょうか?」

「鯉ですか? 太鼓橋の下の?」

四人が一瞬固まりそのまま砕けそうになったが、そんなことをしている時など無い。

「いいえ、そちらの鯉ではなく、想い人のお話で御座います」

「想い人? マツリにそんな人がいるんですか?」

「あ・・・、いいえそういうわけではなく」

とことんボケてくれる。 時は無いのだ、これは直球しかない。 そう考えたのは四人が四人ともだろう。

「マツリ様と紫さまのことで御座います」

「へ?」

「私たちは紫さまにマツリ様の奥になって頂きたいと思っております」

言った本人以外、残りの三人が何度も頷いている。

「紫さまはマツリ様のことをいかが思っていらっしゃいますか?」

「いかがって言われても・・・。 マツリはリツソ君の兄上としか。 それに私は東の領土の五色ですから、東の領土の誰かと・・・、その、いい人が見つかればですけど」

四人が打ちひしがれたように頭を垂れた。

「あ、その、ご期待に応えられなくてすみません。 その内あんなマツリでもきっといい奥が見つかりますよ。 えっと、皆さんのことは本当に好きです。 お世話になりました。 いつまでもお元気で」

打ちひしがれている四人を置いて逃げるように襖を開けて飛び出すと、そこにはキョウゲンを肩に乗せ勾欄にもたれている着替えた姿のマツリが待っていた。

(ゲッ! いつから居たんだ)

まさかついウッカリ言った “あんなマツリ” 宣言を聞かれただろうか?

マツリがクルリと方向を変え歩き出す。
ついて来いということだろう。 マツリの後ろを歩く。 何度か回廊を曲がって大階段の上にやって来た。 その時、回廊を走るカルネラの姿が見えた。

「え? カルネラちゃん?」

「シユラー!」

紫揺の足からスルスルと肩に上ってきた。

「カルネラちゃん、今から帰るの。 元気でいてね。 リツソ君にお勉強頑張ってって言っておいてね」

紫揺の肩から下りそうにないカルネラ。 仕方なくカルネラを手に抱き下に降ろす。 するとまたカルネラが上ってきて紫揺の肩に止まる。

「カルネラちゃん、リツソ君の所に行っておいで」

もう一度カルネラを下すが同じことの繰り返しで終った。

「カルネラ、リツソの所に戻っていろ」

「ほら、またマツリに怒られるよ」

もう一度下したが、また上ってきた。
大きく息を吐いたマツリ。

「行くぞ」

マツリが大階段を降りて行く。
カルネラを連れて行っても良いということだろうか。

「カルネラちゃんも一緒でいいの?」

「勝手にさせろ」

「私なら大丈夫で御座いますが」

この天気のいい中、少しでもキョウゲンを出したくないと思っているマツリ。 少しでも陽が高くなる前にと思っている。
キョウゲンはそれに気付いているが紫揺は気付いていないようだ。

「フクロ・・・キョウゲン? キョウゲンが何?」

大階段を降りると既に下足番がマツリと紫揺の長靴を並べていた。

「何でもない」

並んで長靴を履くが、紫揺はマツリと違って階段に腰を下ろして履いている。

「あ、そうか。 キョウゲンは夜行性なんだ」

どうしてそんなことに気付かなかったのか。 空を見上げる。 雲一つない蒼穹。

「私なら平気だから暗くなってからでもいいけど?」

「暗い山の中を歩くというのか」

「あ・・・」

それは恐い。
長靴を履き終えた紫揺が立ち上がり顔を上げるとキョウゲンを見て言う。

「無理させてゴメンね」

キョウゲンの大きく丸い目が何度も瞬く。

「具合が悪くなったら言ってね。 マツリなんかに遠慮しなくていいから」

マツリがキョウゲン越しに紫揺を睨みつけるような視線を送ってきた。

(しまった、マツリなんかって言っちゃった・・・)

ついウッカリ心の声が出てしまったようだ。

「・・・マツリ様?」

またマツリが見えない。 マツリが何を考えているのかが分からない。
マツリが歩き出す。
心に正直な紫揺が肩にカルネラを乗せながら、前を歩くマツリにペロッと舌を出して後に続く。

(良かった、無視してくれて)

門前では見慣れた二人の見張番と共に三頭の馬が待ち構えていた。

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