2回目です。公演が中盤に入ったからか、はたまた「ママチャリライダー」グレンが帰国して役者が自分のカラーを出せるようになったからか、前回見たときより、かなりまとまりが良くなっていました。1回観ているから時間配分はわかっているつもりでしたが、記憶以上に、時間があっという間に過ぎました。グランドホテルに行き交う人々、人と同じだけの人生も行き交い、生と死も行き交う。新しい未来を求めた者には死が訪れ、死を自覚した者は新しい人生を見る。まさに人生の縮図でした。
今回は1階上手のかなり前方席だったので、オペラグラスを使わなくても役者さんの表情を明確に見ることができました。その代わり、一点を見たら、もう一点が見られなくなります。下手階段で、オットーが男爵から財布を受け取るところ、とってもとっても良い場面なのですが、上手でストッキングを脱いでいるリカちゃんも観たいのよ~~。目があと二つは欲しかった。
中盤のせいか、皆さん役の掘り下げが深くなっていました。美波里さんのバレリーナは、元気が良すぎる、と言う人もいるようですが、私はアレで良いと思います。ダンサーとしての終わりがイコール女性として終わりではないのですから。女として、人間としての人生はまだまだ長いのに、ダンサーとして終わりかけている、そのバランスが良いなあ、と思いました。プリマが、自分への拍手が少なくなったと感じた顔。私は、それを良く知っています。ああ、セメニャカ・・・。あの時の、自分の不調を感じつつも、これだけの拍手しかないなんて、と、さらに前に出てきて拍手を求める姿を、美波里さんのグルーシンスカヤを観て思い出しました。あれはファンでも辛かったよ・・・ 。それでも、彼女(グルーシンスカヤ)は踊り続ける。踊ることこそ彼女の「生」そのものであるから。
*余談ながら。リュドミラ・セメニャカはすでに引退し
現在ボリショイ・バレエ団でザハロワなどを教えているようですが
上記 ↑ の舞台で「瀕死の白鳥」を踊ったプリセツカヤは
まだ舞台に立っています。たぶん80歳ぐらい・・・
踊れない絶望の淵にいた彼女を「生」へと向かわせた男爵は岡さん。スーツ姿は思っていたよりほっそりしていた。共演女優が大きいのかな??大澄さんが、人も育ちも良く、そのためになんとな~く金を失っていそうなのに対して、岡さんは「貴族の矜持」を前面に出していたように思います。「貴族」であるための対面を保つために、借金をしている、そんなカンジです。一般人との「溝」が歴然としてあるので、若いタイピストが憧れるのもわかりますし、その「溝」を越えてオットーに歩み寄ったのこそ「真の友情」であったとも言えましょう。そんな「孤高」でもあった彼が、グルーシンスカヤと出会ったことにより、「人」を信じ「人」の世界に交わろうと考えられるようになったのかなあ、とか、思ったり。単純に「女性への愛」を得たのではなく、それを含めた「新しい人生」を得ようとしたのではないかと、そんなふうに思えました。台詞や歌は、さすがに明瞭で、とっても胸に迫ってきます。
オットーの小堺さん。財布を受け取った時、すべてわかっていたのだと思います。だから「受け取って」「お金を貸した」。彼の親切(とは違うなあ。なんと言えばいいのかなあ)がわかったから、男爵は煙草ケースを渡し、オットーも受け取る。言葉ではないところで、深くわかりあったんだなあ。その煙草ケースを「出産祝い」としてエリックに渡すのは、「男爵が存在していたこと」を新しい命に託したんだよね。新しい命が、男爵の命・存在を引き継いでくれるようにと・・・。
そのエリックです。パクさんです。オットーを部屋へ案内するとき。オットーがホテルを褒め称えているのを見て、すごく嬉しそうです。とってもとっても「職場」すなわち「グランドホテル」に対して誇りを持っているんだなあ。子犬みたいに目をキラキラさせていましたよ。ゲイの上司に言い寄られて、イヤだけど怒り返せないけどやっぱ生理的にダメダメっていう困った表情が可愛かったよ。最後の方で息子に全てをあげよう、と歌うところは泣いたよ~~。男爵の「死」が辛く重かったのを払拭するように、舞台の上に「希望」を誕生させましたよ。
諏訪さんのラファエラは、前に見たときは「禁断の愛」が強かったのですが、今回はそんなレベルを越えてました。グルーシンスカヤに仕え支えとなることが、彼女の生きる全て。恋がこんなふうに終わるなんて・・・の歌は、グルシンスカヤが嘆くことになるだろうと、そのことが辛いのだということが伝わってきます。でも、彼女がこれからのグルーシンスカヤの「生」を支えて行くのでしょうね。そしてグルーシンスカヤも踊り続けると。
で。リカちゃんです。岡さんとは身長差があるせいなのか、とってもとってもプリティー 。うん、うん、若いよ。19歳だよ~~~。ガードルがピンクでパンツが白なのか?さすがにオペラグラスで覗けなかったよ~~。子供っぽい憧れと野心を胸にグランドホテルに来たフレムシェンは、チェックアウトするときには、ちょっと大人になったのかしら?
あと、あれです。西島・向高組のダンス。近くで見ると猛スピードで移動しています。やっぱ社交ダンスって「スポーツ」なんだあ!「競技」なんだあ!!あんな狭い空間で、猛スピードでたくさんのステップを入れているのに、上半身の美しい直線のラインを保てるなんて信じられん!!!いや~、ありがたいものを見せていただきました。拝む。
今回は1階上手のかなり前方席だったので、オペラグラスを使わなくても役者さんの表情を明確に見ることができました。その代わり、一点を見たら、もう一点が見られなくなります。下手階段で、オットーが男爵から財布を受け取るところ、とってもとっても良い場面なのですが、上手でストッキングを脱いでいるリカちゃんも観たいのよ~~。目があと二つは欲しかった。
中盤のせいか、皆さん役の掘り下げが深くなっていました。美波里さんのバレリーナは、元気が良すぎる、と言う人もいるようですが、私はアレで良いと思います。ダンサーとしての終わりがイコール女性として終わりではないのですから。女として、人間としての人生はまだまだ長いのに、ダンサーとして終わりかけている、そのバランスが良いなあ、と思いました。プリマが、自分への拍手が少なくなったと感じた顔。私は、それを良く知っています。ああ、セメニャカ・・・。あの時の、自分の不調を感じつつも、これだけの拍手しかないなんて、と、さらに前に出てきて拍手を求める姿を、美波里さんのグルーシンスカヤを観て思い出しました。あれはファンでも辛かったよ・・・ 。それでも、彼女(グルーシンスカヤ)は踊り続ける。踊ることこそ彼女の「生」そのものであるから。
*余談ながら。リュドミラ・セメニャカはすでに引退し
現在ボリショイ・バレエ団でザハロワなどを教えているようですが
上記 ↑ の舞台で「瀕死の白鳥」を踊ったプリセツカヤは
まだ舞台に立っています。たぶん80歳ぐらい・・・
踊れない絶望の淵にいた彼女を「生」へと向かわせた男爵は岡さん。スーツ姿は思っていたよりほっそりしていた。共演女優が大きいのかな??大澄さんが、人も育ちも良く、そのためになんとな~く金を失っていそうなのに対して、岡さんは「貴族の矜持」を前面に出していたように思います。「貴族」であるための対面を保つために、借金をしている、そんなカンジです。一般人との「溝」が歴然としてあるので、若いタイピストが憧れるのもわかりますし、その「溝」を越えてオットーに歩み寄ったのこそ「真の友情」であったとも言えましょう。そんな「孤高」でもあった彼が、グルーシンスカヤと出会ったことにより、「人」を信じ「人」の世界に交わろうと考えられるようになったのかなあ、とか、思ったり。単純に「女性への愛」を得たのではなく、それを含めた「新しい人生」を得ようとしたのではないかと、そんなふうに思えました。台詞や歌は、さすがに明瞭で、とっても胸に迫ってきます。
オットーの小堺さん。財布を受け取った時、すべてわかっていたのだと思います。だから「受け取って」「お金を貸した」。彼の親切(とは違うなあ。なんと言えばいいのかなあ)がわかったから、男爵は煙草ケースを渡し、オットーも受け取る。言葉ではないところで、深くわかりあったんだなあ。その煙草ケースを「出産祝い」としてエリックに渡すのは、「男爵が存在していたこと」を新しい命に託したんだよね。新しい命が、男爵の命・存在を引き継いでくれるようにと・・・。
そのエリックです。パクさんです。オットーを部屋へ案内するとき。オットーがホテルを褒め称えているのを見て、すごく嬉しそうです。とってもとっても「職場」すなわち「グランドホテル」に対して誇りを持っているんだなあ。子犬みたいに目をキラキラさせていましたよ。ゲイの上司に言い寄られて、イヤだけど怒り返せないけどやっぱ生理的にダメダメっていう困った表情が可愛かったよ。最後の方で息子に全てをあげよう、と歌うところは泣いたよ~~。男爵の「死」が辛く重かったのを払拭するように、舞台の上に「希望」を誕生させましたよ。
諏訪さんのラファエラは、前に見たときは「禁断の愛」が強かったのですが、今回はそんなレベルを越えてました。グルーシンスカヤに仕え支えとなることが、彼女の生きる全て。恋がこんなふうに終わるなんて・・・の歌は、グルシンスカヤが嘆くことになるだろうと、そのことが辛いのだということが伝わってきます。でも、彼女がこれからのグルーシンスカヤの「生」を支えて行くのでしょうね。そしてグルーシンスカヤも踊り続けると。
で。リカちゃんです。岡さんとは身長差があるせいなのか、とってもとってもプリティー 。うん、うん、若いよ。19歳だよ~~~。ガードルがピンクでパンツが白なのか?さすがにオペラグラスで覗けなかったよ~~。子供っぽい憧れと野心を胸にグランドホテルに来たフレムシェンは、チェックアウトするときには、ちょっと大人になったのかしら?
あと、あれです。西島・向高組のダンス。近くで見ると猛スピードで移動しています。やっぱ社交ダンスって「スポーツ」なんだあ!「競技」なんだあ!!あんな狭い空間で、猛スピードでたくさんのステップを入れているのに、上半身の美しい直線のラインを保てるなんて信じられん!!!いや~、ありがたいものを見せていただきました。拝む。