きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「白鳥の湖」レニングラード国立バレエ団(ステパノワ&プハチョフ)

2006年01月07日 | バレエ・ダンス
 今年初めの「白鳥」は国際フォーラムでございます。大嫌いな会場なんですが、ステパノワの白鳥が観たくて行ってきました。セゾンカード貸切なんでチケ代が安かったし。ほぼ半額だったかな。私はB席3000円で1階45列センター。舞台からの距離はと申しますと、オーチャードホール3階3列でのオペラ・グラスの照準がそのまま使えました、と言えば想像していただけますでしょうか?思ったより見やすかったです。前方席より箱庭感を感じないかも。1階はほぼ満員でした(2階は不明)。お客さんはバレエを見慣れない方が多いようで、1幕前半は「なんで白鳥が出てこないんだろ~~」って雰囲気が会場に漂っていたような。喋るようなマナーの悪い人はいなかったけどね。

 ステパノワの白鳥は美しかったです~~。彼女は「赤」とか「黒」のイメージが強い人だけど、昨年のミルタが綺麗だったので、案外「白」もイケるな、と期待したら、その通りでした。自身のイメージではないためか、かえって丁寧に作り込んでいるように思いました。腕の先まで繊細です。そりゃ、少々ガタイが良すぎるかもしれませんが、まあ、それはおいといて。音楽を充分に使った踊りで、わりと好きかも~~。彼女とプハチョフならハッピー・エンド版の方が似合いそうだなあ。黒鳥は得意分野だけあって生き生きしていましたが、白鳥とのバランスが崩れるほどではありません。32回転も決まっていました。

 王子のプハチョフ。長身なので舞台映えがします。身体のラインが綺麗ですよね。もうちょっとメランコリックだといいんだけどなあ。意志の強い王様になれそうなのに、なにを悩んでいるんだろう、とか思っちゃったり。ロットバルトに負けるのが不思議。

 ロットバルトはミャスニコフ。また新しい役だ。黒いモジャモジャの鬘付き。こちらも長身で踊り的にはOKなんだけど、ちょい地味かなあ。なんでいるの?みたいな?濃い人を見慣れすぎたのかしら???

 パ・ド・トロワは若手トリオ。ロマチェンコワ、ミリツェワは安定しています。プローム君は品があり、ジャンプも綺麗なんだけど、最後はちょっとスタミナ切れかも。

 白鳥の群舞は、普通に見れば良いんだろうけど、このバレエ団としてはイマイチかなあ。もっと揃うと思っていたんだけどなあ。大きい白鳥にはミリツェワも。働かせ過ぎなのでは?ヴィジェニナは相変わらず美人。エフセーエワはほっそりして最初はわからなかったよ!白い肌で見分けをつけたくらい。背中が綺麗。

 各国の踊り。スペインの男性。白は王子様系の顔。長めの金髪を黒いヒモ(リボン)でうしろで括っていましたが、踊りは優雅すぎてキレが甘い。黒は「ハッ!」って掛け声が聞こえてきそうな濃い踊り。これくらいはやってきれなきゃね。女性陣は両方とも良い。ハンガリーのヴェンシコフ、化粧がちょっと良くなった。マズルカの男性陣は豪華だねえ。ハンサム揃いよ、ほっほっほ!マラーホフの脚のラインがイカスのだ!
 
 4幕の二羽の白鳥にコチュビラちゃん。顔から肩にかけてが特に美しい。彼女のオディールも見てみたいなあ。ロバノワもいいっすよ。

 ナタリア・エゴロワさんはいつもの場所。2幕は白鳥勢揃いの頂点とか、3幕は花嫁候補下手から3番目とか、4幕は白鳥が上手・下手一列ずつになったときの上手側最前列とか。

 指揮はアニハーノフさん。髪の毛は大きすぎず小さすぎず。弦が綺麗。ポーランドのソロの金管もしっかりしている。ホリコフさんの時はヘロヘロなんだよね~。指揮者の力量なのか、演奏者がそもそも別人なのか。いつも謎。

 う~ん、他にも書くことがあったような気がするけれど、眠いのでわかりません。思い出したら書きます。明日はルジだ! 

【配役】
オデット&オディール:ステパノワ
ジークフリード:プハチョフ
ロットバルト:ミャスニコフ
王妃:マルチナ
家庭教師:ブレクバーゼ
パ・ド・トロワ:ロマチェンコワ、ミリツェワ、プローム
スペイン:モストヴァヤ、カミロワ、チェスノコフ、アルヒプツェオフ
ハンガリー:オシポワ、ヴェンシコフ
マズルカ:
 タマラ・エフセーエワ、ロパティナ、フィラトワ、フィルソワ
 マスロボエフ、A.マラーホフ、リャブコフ、アルジャエフ
大きい白鳥:E.エフセーエワ、バルエワ、ミリツェワ、ヴィジェニナ
小さい白鳥:ニキフォロワ、リィコワ、ソロヴィエワ、ニコラエワ
二羽の白鳥:コチュビラ、ロバノワ

指揮:アンドレイ・アニハーノフ
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「南十字星」劇団四季

2006年01月07日 | 劇団四季
 友人達が「保科が・・・」と話し合っていたので、仲間に入りたくなって見てきました。本当はたかこさんのコンサートに行く予定だった日時なんです・・・。払い戻したお金を右から左のワタクシ。今年もこんな調子で過ごすのね。
 
 さて。感想はといえば、、、。李香蘭でも思ったけど、先の戦争について、悪いところには目をつぶって自己を正当化、というか、正義化しているなあ、と。悪いのは軍首脳部とか、政治的な首脳部で、他の日本人は悪くなかった、みたいな。アジア解放を目的として侵攻したことも正しいと思っているのかなあ。結果的には、白人によるアジア支配→日本が戦争で奪取し支配権を握る→敗戦で日本が撤退したことにより独立、みたいな流れはあったにせよ、それを負けた加害者が言い切ちゃっていいのかなあ、と思うし、それが日常会話の中でだけなら頷けることもあるけど、ミュージカルで、これが正しい歴史!とか言われちゃうと、う~ん、、、、ちょっと押しつけがましい気分。でも、役者さんが好きだったり、政治的なポリシーを作品から読み込もうとしなければ、まあ、悲恋モノの一種であるので、泣ける人もいたみたいです。私は、あんまり・・・、でした。まあ、わかっちゃいたけどね。

 保科が姉婿の罪を被って死んだのは、まあ、そういうこともあるかな、と。戦争裁判ではたくさんの人が処刑されたし。ただそれが、肉親に対する愛情なのか、義兄が愛する人の祖国に役立つことをしてくれるからイイヤと思ったのか、自分なりにいろんな責任を取るためなのか、ちょっとわかりづらい。

 余談ながら。捕虜に日本人と同じ食事をさせていたところ、戦後「虐待」と言われたことがあったそうな。米or麦飯+野菜の食事は、肉食人種からすると不十分なんだろうね。うちの母が働いていた昭和30年代、接待のお相伴で米国人達と食事をしたとき「ステーキに加えてエビフライも食べていてビックリした」そうだ。当時はどちらかだけでもご馳走だったから。「こんなに食う(しかも肉の塊を!)奴らに戦争で勝てるわけがない」と思ったそうだよ。
 
 私はどっちかというとオランダ兵ウィンクラーに腹が立ったな。初っ端では自分たちの作戦内容を敵軍にアッサリ教えるし、看守の時も捕虜に便宜をはかるし。話の流れで必要なんだろうけど、愛国心がなさ過ぎ。インドネシアの独立運動家達もさ。武器をよこせってさ。貰って当然みたいなことを言ってさ。他人の物は自分の物かよ。なんかねーーー、この辺りがねえーーーーー、日本人を正当化するために、都合の良いように作っているなあ、って気がするんだよなあ。そこが腹立たしい。日本人が親切に「してあげた」ってねえ。なんかイヤな描写。原田も弟が処刑されるかも、とは思わなかったのかなあ。虐待で裁かれるは考えつかなくても、武器の横流しは歴然とした罪だよねえ。自分勝手すぎるよね。

 あっくんは、まあ、イイ人だったよ。うん。アツがねえ、最初は四季発声法にとっても違和感。カクカクした喋りがとっても不自然でした。2幕で感情が迸るところは発声法を越えた叫びだったので良かったな。ソプラノが綺麗になったかな。顔も身体もほっそりだった。2000年夏以来の再会だもんなあ。
 キリヤン姉は、わかったような、わからなかったような。。。鼻と目元が似ている人がいた、ように思ったけど、合っているかな?
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