「BSこだわり館」、本日は青池保子先生でした。青池先生の生い立ちや「エロイカ」が独陸軍広報誌で紹介されたなどの話は「ウフ.」を読んで知っていたので、内容自体はそれほど目新しくはなかったのですが、「喋っている青池先生」を見たのは初めてだったので、ちょっと感動しました。思っていた以上に小柄な方でした。でも歩くのは速いよねえ。昨日の庄司さんは録画していたのでまだ見ていないんですが、なんというか、美内さんの漫画の描き方というか、描く姿勢は、言い方が適切でないので申し訳ないのですが、すでに「余生」体勢かなあ、と思いました。仕事をずっとやってきて、定年後、好きなことをする、っていうか。生活がかかってとか、この日までに絶対仕上げないと生活費が入らない、とは違う体勢かなあ、と。ただ、仕事をしてきた(描いてきた)期間が長いのですから、それもアリかなあ、と思っています。それに対して、青池先生は、まだまだ現役っていうか。化粧をしてカメラの前で喋っているときより、仕事場でエプロンをしている姿の方が、自然というか、あるべき姿というか、本来の姿というか。インタビューは、「仕事の合間」に受けた、そんなカンジがしました。そして、アンケート結果によって掲載順が変わる「現場」で、まだまだ戦っているんだなあ、と。自分を振り返ると、もう徹夜して漫画を描く体力なんか無くなってしまったので、それを思うと、青池先生の「描き続ける」姿には、平伏するばかりです。
と、いろいろ心に残るところはあったのですが、ちょっとだけ言いたい。少佐と伯爵の声が、ナレーターの人の声なのは仕方がないんだけど。どうせなら
中田浩二さんと
野沢那智さんで
お願いしたかったです。
さて。パームの新刊「午前の光 1」。
ジェイクが表紙で嬉しい。内容は探偵物。と、ジェイクとジョイがくっつく話?と、その辺は今後に期待するとして。「スタンダートデイタイム1」だったかな?アンディ君が「人間なんてどうせ長生きしないし」みたいなことを言っていて、実際彼もジェイクも若くして亡くなることが決まっていて、この27巻ではジョイが、自分が生まれたとき両親も叔父も死んだ、みたいなことを言っていて、登場するキャラは常に死と隣り合っている気がするんですが、それにしては、作者は「自分は人並みの寿命をまっとうする」と考えて執筆計画を立てているのが謎だなあ、なんてことを思いました。あと、パームブック等を読んでいるせいか、まったくの新作を読むドキドキ感はあるのに、知っている話を再確認しているようでもありました。ネタバレが良い悪いということではなく、ジェイクが死ぬ結末に向かって話は歩み出していて、それを知りたくもあり、見たくなくもあり、そんな不思議な気持ちで読みました。
ほんで。通販で申し込んでいた「明智抄インタビュー集」が来まして。シロッコ関連のネタバレはすでにいろんなところで読んでいたので「なるほど!」と言うよりは「明智先生の言葉での『確認』」でした。誰と誰がシロッコ、つまりエリー・ライナーというのは、繰り返し読んだので掴めているのですが、問題は、どうやって、「『ふぉん』を介して」「増やしたか」なのです。これが明智先生の漫画となって(言葉だけではイヤン)私が読めるときが来るのでしょうか。やはり宝くじを当てて明智先生に投資するしかないのでしょうか。そんな妄想はともかく、なるほど!と膝を打った部分は、「15年目のシャルル・ボネ症候群」は本来「始末人」ネタだったというところと、小鳥さん登場は資料が無くても描ける動物がダチョウだったところ、そしてその部分の先生のお言葉として「猿も得意」と書かれていたところ。特に「猿」は目からウロコでした。感動する部分を間違えている?
でね。3人の先生を比べるとね。青池先生は、これはもう職人。プロ。仕事を極めている人、ってイメージです。伸さん(獣木さん。って、ここだけなぜ「先生」と書けないのか、自分?)は、「たった一つの物語を紡ぎ出す人」。自分の中で生まれてくる物語を、延々と紡ぐ、それが商業ベースに乗るかどうかは関係ない、みたいな。余談ながら、卓治って、ここと青池先生の中間にいるような。歌が生まれてくるのは、息をするのと同じぐらい自然なんだけど、それをちゃんとプロの仕事として「金を取れる」形にしているっていうか。そして明智先生はなにかというと、こりゃね、
天才
と言うしかないんだよ。常人とは発想が全然違う。違う次元にいる。まさしく「ふぉん」なんだよね。それが一般人としても生きてて、その枠に「天才」の話を嵌め込んでいるのが、なんとも言えない味わいなのよ。と、語りきれなくて、また尻切れトンボで終わります。