きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「エリザベート・ガラ・コンサート」

2006年01月23日 | 宝塚(専科、スケジュール、雑談等)
 日本でのエリザベート上演10周年を記念して行われたガラ・コンサートでした。一部のキャストはダブル~トリプルなのですが、本日は
  トート 麻路さき
  エリザベート 白城あやか
  フランツ 稔 幸
  ルキーニ 樹里咲穂
  ルドルフ 絵麻緒ゆう
  子ルド 月影瞳
  ゾフィー 美々杏里
  エルマー 成瀬こうき
など、でした。
 舞台後方に西野淳氏指揮のオーケストラが入り、オケの間には後方上部から続く3本の通路が造られていまして(多分。上手側は見切れたので確認できませんでしたが、あったんじゃないかと推測)、大階段の代わりなどにもなっていました。真ん中通路の上はセリになっていて、効果的に使われていました。セットや踊り・芝居部分がないだけで、ほぼ舞台版と同じ。衣装も現役当時のものを使った人が多く、とっても懐かしかったです。今回は、基本的に許可されたのは楽曲使用のみで、踊りは「闇が広がる」を除き禁止だったそうです。だからワルツもぎこちなかったです。それでも緊迫感溢れる舞台になったのですから、やっぱ、小池先生、アレンジはうまいね。

 出演者。まりこさんは現役当時より、当たり前かもしれないけれど、技術レベルは低下。しかし、やっぱり存在感がスゴイよ!ミルクなんて、まさに「トート」が舞台上にいましたよ。「住みよいかねーー」でもいいんだよーーー。ビジュアルも当時のまま。衣装も見覚えのあるものばかり。いついかなる時でも、トートに変身できちゃう人なんだなあ。ラストの全身「白」は神々しいばかりです。
 そして、そして、
あやか~~
ああ、もう一度あなたを観ることができるなんて!あなたの歌を聴くことができるなんて!それもシシィだよ!!ああ、もう涙が溢れて来ちゃうよう。そりゃ、退団時に比べれば、ほんの少し年齢は重ねたよ。それでもね、
美しいのだよ
ああ、あんな男のところにいるのが許せ~~んっっ!声も良く出ていましたよ。ソプラノも綺麗に伸びるし、低音もくっきり聞こえるし。座長、ってところが厳しいかもしれないけれど、単純に「シシィ役」なら、一路さんとダブルでも全然OKだよ~~。「私だけに」も、アサコより声が出ているかも(汗)。病院訪問は泣ける。歌だけでも泣ける。まりこさんとの新曲「私が踊る時」も、ごくごく自然に歌いこなしていました。ああ、あやか~、カム・バーーーック!!
 ノルさんはヒゲなしですが、充分に男役でした。久しぶりにネチッこいノルさんの歌声が聴けて幸せなりよ。「夜のボート」がイイっす!
 樹里ちゃんルキーニ。歌、うまい。すばらしくうまい。実際のルキーニ役としてなら台詞部分の声の高さが気になるかもしれないけれど、今回は「舞台進行」役も兼ねているからOKよ!「皇帝と皇后の顔のマグカップ」は本当にその回の皇帝夫妻の写真がプリントされていまして、それを本日のお客様
劇団四季の下村さん
渡していました。四季の人は客いじりをどう思うのかしら(それ以前に、まりこさんの歌唱力を・・・)。樹里ちゃんは、ちょっと髪の毛が伸びていたけど、黒塗り+ヒゲで自然に男(役)。
 ぶんぶんは、もう、ばっちりルドルフ。繊細な皇太子。ほんのちょっとの出番だけど、特別に踊れる部分担当で、それはそれは見応えがありました。星組公演を普通に観ているカンジでした。
 ぐんちゃん子ルド。子供らしく可愛い。ソプラノ綺麗。途中、マイクか本人の声の調子高が悪くなったのが残念。
 そして、エルマーのおっちょんだよーーー。ああ、スタイルが抜群にイイっ!素敵だ!髪の毛は肩胛骨ぐらいまで伸びているんだけど、それを後ろで括れば男役の出来上がりさ!軍服が似合いまくりだよーーーっ!「行け、ウィーンへ」のところでは、トートの魔力に魂を奪われ言いなりになる、って演技が入っていてねえ。それが、すっごく!!!良かったんだよ~~。

 などなど。本日は星組出身者が多いので、本当に星組公演を観ているようでした。エリザではMyベストの組なので、もう、感動で胸がいっぱい。オクで高いお金を出したけど、全然後悔していないですぅ。

 最後は東宝風のアンコール。と、思ったら。フランツの後は「私だけに」のメロディであやかが出てきて、おや?と思ったら、まりこさんは中央通路上にセリ上がり。「愛と死の輪舞」を歌い出す姿は、まさにパレード大階段。こ、これを観られるなんて~~。ああ、なんて・・・・・・。もう、言葉が出ません・・・・・・。嬉しい・・・・。

 カーテンコールは2回。組長経験者の大峯さんのご挨拶と、まりこさんのご挨拶が最初のアンコールで。「出演者は、それぞれの道を進んでいますが、エリザ10周年ということで、黄泉の国から甦ってきました」とおっしゃって。2回目はあやか。毎日楽しく歌っているとさ。これからも、いろんな舞台に出て欲しいなあ。待ってるよ! 
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「プライドと偏見」

2006年01月23日 | 映画
 18世紀末の英国の女性は、相続権が無かったため、父親が存命のうちに結婚するのが人生最大の課題であった。とある田舎の一家は娘(のみ)5人のため、母親は娘達の縁談を調えるため四苦八苦。少しでも良い地位の男、少しでも良い収入の男へ。一家の近くに越してきた金持ちの独身男性ビングリーを愛し始める長女、ビングリーの友人に求愛される次女、だが、それぞれの間には諸問題が持ち上がり・・・。
 予告で見たときはもっと文学なのかしら、と思ったら、それほどでも無かったですね。なんとなく、ハーレクイン調でした。キャスティングとか当時の風俗とか田舎の景色はいいんですけどねえ。なにがダメなんでしょう。ひとつは音楽かな。リリカルすぎる。あとは、なんなんでしょうねえ。なんか、ピリッとこないんですよ。「都合が良い」展開を、映像で乗り切ろうとしているのかな?演出が悪い?最後は愛する人と結ばれて玉の輿、だと思うんだけど、こんなに身分が違うんじゃ苦労するだけだよ~~、と、そっちを先に思っちゃうなあ。だいたい、一家の「社会的地位」ってのが、わからんのだなあ。使用人はいて、娘達は働かなくて良くって、舞踏会を開催できて、でも、父が死ねば母も含めた女6人が路頭に迷う乗って、どういう地位の人なんでしょう。父の収入源ってなんなんでしょう。その辺がわからないと、母の望みが妥当なのか、高望み過ぎるのか、さっぱりわからんのよねえ。
 でも、良いところもある。ラブシーンが無いところとか。かすかに手が触れ合った時に惹かれたんだな、とか、ラストも、寸止め以前で映像は終わっているので、かえって綺麗な映像になっていましたよ。昨日がバンデラスの「ゾロ」だったこともあって、その辺の「敢えて描かない」ってのは、なかなかイイと思います。配役もうまい。説明台詞がなくても、見ただけでどういう人かがわかります。ビングリーの妹なんかねえ、本当に「御貴族様」なんだよねえ。冷たい、イジワル、などではなく、一家とは別の世界に生きている人なんだなあ、ってのが一目でわかります。
 次女エリザベス役のキーラ・ナイトレイは胸が無いねえ。って、それはどうでもよく。目に力があるのは良いと思う。家庭教師から教わることなく、おそらく本を読むことで知識を身につけてきたんだろうけど、それ以前に頭の切れる子で、でも恋愛は不得手、って女性を良く表現してました。美人かどうかはかなり微妙だけど、魅力的ではある。その彼女の恋のお相手ダーシー役はマシュー・マクファディン。これがいいんだ!モッサリとした英国貴族。スマートな人でないところが、かえって、外見や地位などではなく、もっと本質の部分をエリザベスは優れた洞察力で見抜いたんだなあ、と思いました。ワタシ的にはなかなか好みなんだけどね。わりと普通の恋愛映画だったので、少々期待はずれだったのですが、彼を発見できただけでもいいや、と思いました。
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