約半世紀、FBIのトップを勤め、
8人の大統領に仕えたフーバー長官の物語。
物語は同時に、現代アメリカ史でもある。
第一次世界大戦頃までは
アメリカは世界の片隅に位置していた。
それが世界の真ん中へ、
二大巨頭の一つになるには
行き過ぎた正義も必要だったんだろうなあ。
彼の上昇志向や権力欲は
同時に、当時のアメリカでもあるんだろう。
晩年の彼の記憶を訂正するトルソンの言葉は
それに対するアメリカという国の
公正さや良心を表しているのかも。
こういう話を理性的に描いているのに
説教臭くならないイーストウッドはすごいなあ。
「午前十時の映画祭」で
「ダーティ・ハリー」や
「荒野の用心棒」を見た後だと
余計にそう思う。
こういうワイルド系の役者が
緻密な作品を作り出しているのが不思議というか。
日本だと、人気役者の監督作品は
9割方ハズれだしね。
現代アメリカ史にもう少し明るければ
もっと楽しめたんだろうなあ。
過去と現在が交差するのも
もっとクッキリ見えたんだろうなあ。
リンドバーグ愛児誘拐事件も
なんとなくしか知らないし、
キング牧師への、当時の批判も実感としてないし、
第一、アメリカの反共思想はわからないし。
ケネディ暗殺で一変した世界、も
それを知っている人だと
もっと「わかる」んだろうなあ。
フーバーとトルソン、
フーバーとガンディの関係も興味深かった。
トルソンと初めて会ったときのフーバーってば、
乙女かい!ってぐらいのドキドキな表情だったなあ。
痴話げんかのあとのキスよりも
ゆで卵を割ってあげるときの方が
深い関係性を窺わせる。
ディカプリオは特殊メイクで
老年時代まで演じていた。
そのわりには、若き日も晩年も
声や口調にそれほど変化がないのは
監督の指示なのか
(同一人物だとわかりやすくするために、とか
人物の一貫性をあらわすめ、とか
ファンサービス、とか)
どうなのか。
良い演技だと思うけど、
この方向でいいのか?とも
ちらっと思う。
逆にナオミ・ワッツは、
若い頃の初々しさと
老いてからの年季の入った秘書振りの演じ分けは
とても良かった。
アーミー・ハマーは声が良いね。
FBIで盗聴が日常茶飯事、といえば
「Xファイル」でモルダーが閑職に回されたとき
ひたすら盗聴器から聞こえてくる音声を聞いていたなあ。
ひまわりの種を食べながら。
FBIをここまで強固な組織にしたのは
このフーバー長官。
「Xファイル」(というドラマ)が生まれたのも
フーバー長官のおかげなのかも。
ん?
でもさー、「Xファイル」には
かなりお金を搾り取られたよなあ。
あの当時の私の懐が苦しくなったのは
フーバー長官のせいでもあるのか?
ちょびっと逆恨み。
8人の大統領に仕えたフーバー長官の物語。
物語は同時に、現代アメリカ史でもある。
第一次世界大戦頃までは
アメリカは世界の片隅に位置していた。
それが世界の真ん中へ、
二大巨頭の一つになるには
行き過ぎた正義も必要だったんだろうなあ。
彼の上昇志向や権力欲は
同時に、当時のアメリカでもあるんだろう。
晩年の彼の記憶を訂正するトルソンの言葉は
それに対するアメリカという国の
公正さや良心を表しているのかも。
こういう話を理性的に描いているのに
説教臭くならないイーストウッドはすごいなあ。
「午前十時の映画祭」で
「ダーティ・ハリー」や
「荒野の用心棒」を見た後だと
余計にそう思う。
こういうワイルド系の役者が
緻密な作品を作り出しているのが不思議というか。
日本だと、人気役者の監督作品は
9割方ハズれだしね。
現代アメリカ史にもう少し明るければ
もっと楽しめたんだろうなあ。
過去と現在が交差するのも
もっとクッキリ見えたんだろうなあ。
リンドバーグ愛児誘拐事件も
なんとなくしか知らないし、
キング牧師への、当時の批判も実感としてないし、
第一、アメリカの反共思想はわからないし。
ケネディ暗殺で一変した世界、も
それを知っている人だと
もっと「わかる」んだろうなあ。
フーバーとトルソン、
フーバーとガンディの関係も興味深かった。
トルソンと初めて会ったときのフーバーってば、
乙女かい!ってぐらいのドキドキな表情だったなあ。
痴話げんかのあとのキスよりも
ゆで卵を割ってあげるときの方が
深い関係性を窺わせる。
ディカプリオは特殊メイクで
老年時代まで演じていた。
そのわりには、若き日も晩年も
声や口調にそれほど変化がないのは
監督の指示なのか
(同一人物だとわかりやすくするために、とか
人物の一貫性をあらわすめ、とか
ファンサービス、とか)
どうなのか。
良い演技だと思うけど、
この方向でいいのか?とも
ちらっと思う。
逆にナオミ・ワッツは、
若い頃の初々しさと
老いてからの年季の入った秘書振りの演じ分けは
とても良かった。
アーミー・ハマーは声が良いね。
FBIで盗聴が日常茶飯事、といえば
「Xファイル」でモルダーが閑職に回されたとき
ひたすら盗聴器から聞こえてくる音声を聞いていたなあ。
ひまわりの種を食べながら。
FBIをここまで強固な組織にしたのは
このフーバー長官。
「Xファイル」(というドラマ)が生まれたのも
フーバー長官のおかげなのかも。
ん?
でもさー、「Xファイル」には
かなりお金を搾り取られたよなあ。
あの当時の私の懐が苦しくなったのは
フーバー長官のせいでもあるのか?
ちょびっと逆恨み。