エジプトを訪れたウィルソン卿は、嵐のため避難したピラミッドの中で夢を見る。
夢の中で彼はエジプト人タオールとなり、従者のジョン・ブルもパッシフォンテとなる。美しい王女アスピシアと恋に落ち、彼女をライオンから助けたことにより、ファラオより宮殿に招かれ貴人として遇されるが、アスピシアとヌビア王の婚約が発表されたため、二人は駆け落ちする(従者付き)。漁村に身を寄せていたが、タオールとパッシフォンテが漁に出かけている間にアスピシアはヌビア王に見つかり、ナイル川に身を投げる。タオールとパッシフォンテは捕らわれる。アスピシアの愛に打たれたナイル川の神達は、アスピシアを蘇らせ地上に送り返す。宮殿ではタオールとパッシフォンテが処刑寸前だったが、アスピシア到着により処刑は中止。一度は怒ったファラオだったが、タオールとの仲を許す。
そこでウィルソン卿は目覚める。
豪華絢爛だけど、単調、と聞いていましたが、まさにそんなかんじ。ラコットさんなので、盛り上がりに欠けるのよ。全3幕なんだけど、中村B3本立てみたいなもん。1幕の、弓を持った女性達の群舞は良かった。衣装も可愛いし、それでいて勇ましい。これなら最後まで楽しめるかな~、と思うんだけど、いかんせんパ・ド・ドゥになると、似たような振付が続く上、単調なもんで、テンションが急降下。それが3幕まで続くので、最後の方は気が抜けていきました。2幕は思っていたほど豪華じゃなかった。そして、「すごつよ」チックな踊りがあった。あの壁画のポーズから踊りを作ると「すごつよ」になるんだな、と、思いました。
主役達の衣装替えが多かった。アスピシアは8回だっけ?タオールも、よくよく見るとマイナーチェンジしていたりして。衣装を追いかけるのも見所の一つになっていましたね。
とにかく団体戦の力業。体格の良い人たちが舞台を埋め尽くしているのは圧巻。だけど、それでなにをしているかというと、なにもしていないんだな。もっと踊ってくれればねえ。プティパの時代なら、さぞかし楽しかったんだと思う。エジプトなんて別世界だもんね。それをヨーロッパで「なんちゃってエジプト」を見せるんだもん。素晴らしい娯楽だったと思うわよ。でも、残らないのには、それなりにワケがあるんだなあ、と。なんで復元したんでしょ。
単調な理由のひとつは、音楽にも理由があるかも。とにかくフレーズが印象に残らない。面白みがない。オケの音自体は良かったと思う。それはバヤデルカほど、音に台詞を必要としなかったからだろうなあ。とにかく、明るく音を出せば、それでOKな音楽。
アスピシアのアレクサンドロワは日本では初主演。堂々としていて、真ん中に立つのは違和感なし。ただ、やっぱり、姫キャラじゃないなあ。王女ではあるけれど、王位継承者の王女、って風格。身投げするよりヌビアと戦をおこす方が似合いそうだ。陣頭指揮しそう。ちょっと顔が前の方に出ているのが気になるかな。ちょっと檀ちゃんっぽいかも。ラムゼも持ち役らしいけれど、そっちの方が似合うかも。姫に見えないわけじゃなんだけどね。
今回1回しか見ないツィスカリーゼは思っていたより全然普通だった。ちょっと物足りない。でも、あの衣装があそこまで似合えばいいのかなあ。アイメイクもバッチリだったし。エジプト人にしか見えなかったよ。アレクサンドロワと並ぶと、ヨーロッパの姫君とエジプト人の恋物語のようだった。まさに「王家の紋章」だね。ちょっと調子が悪いのか、アレクサンドロワが大きく重いのか、本人に技術がないのか、サポートでミスがあったな。踊りは、なんつーか、良いのか悪いのか。難しい踊りをしていることはわかるけれど、盛り上がって拍手喝采系ではないんだよね。相変わらず、体格や顔に似合わず、音を立てない踊りだわ。個人的にはエジプシャンな衣装より探検家ルックの時の方が好き。きっちり着込んだ上で出てくるオーラの方がナマ腹より濃いと思うのよ。
ラムゼのヤツェンコは可愛らしかった。足先をトントントンと打ち付けるところが特に。姫様に忠実な侍女でした。パッシフォンテはメドヴェージェフ。黄金像では無表情だったけど、こちらはコミカルな演技で笑わせてくれました。ジャンプも高かったです。
その他に印象に残ったのは、漁師の妻のシプリナ。お嬢様より奥様の方が好きかも。あと猿!猿!猿!猿の岩田さん!!!可愛かった~~。なでたいよ~~。私もオレンジをあげて、つっつきたいわ~。あとは、印象に残りにくいなあ。ソリストがばんばん出て、難易度の高い踊りを踊っているのはわかるんだけれども、一度では把握できないわ。ナイル川の神の衣装にはビビったけどね。
お馬のケイコちゃんは、ちょっとご機嫌斜めだったかしら?前足がちょっとバタついていましたよね。暴走するんじゃないかとドキドキしちゃった。
まあ、話の種に一度見るぐらいならいいけれど、もう一回はあんまり見たくないなあ。役の掘り下げようがないから、どのダンサーで見ても同じじゃないかという印象。ニーナなら見てみたいけれど。
最後、アスピシアがウィルソン卿に戻ったタオールに投げキスをする。ウィルソン卿には夢だったことでも、アスピシアの世界では本当にあった出来事だったのかも、と思わせるところは、ちょっと好きかも。
【配役】
アスピシア:マリーヤ・アレクサンドロワ
ウィルソン卿(タオール):ニコライ・ツィスカリーゼ
ジョン・ブル(パッシフォンテ):デニス・メドヴェージェフ
ラムゼ:アナスタシア・ヤツェンコ
漁師:ユーリー・バラーノフ
漁師の妻:エカテリーナ・シプリナ
パ・ダクシオン
第1ヴァリエーション(女性):ナターリヤ・オシポワ
第2ヴァリエーション(女性):
アンナ・レベツカヤ、ダリア・グレーヴィチ、アナスタシア・クルコワ
第1ヴァリエーション(男性):ヤン・ゴドフスキー
第2ヴァリエーション(男性):アンドレイ・ボロティン
二人の騎士:ゲオルギー・ゲラスキン、エゴール・クロムシン
河
第1の川-グァダルキヴィル:エカテリーナ・クリサノワ
第2の川-コンゴ:アンナ・ニクーリナ
第3の川-ネヴァ:エレーナ・アンドリエンコ
ファラオ:アンドレイ・スィトニコフ
ヌビア王:アンドレイ・メラーニン
猿:岩田守弘
ナイル川の神:ゲオルギー・ゲラスキン
ナイル川の神の召使い:エゴール・クロムシン、アルテム・ヴァフティン、
ヴィクトル・アリョーヒン、キリール・ニキーチン
女人像柱:
ヴィクトリア・オシポワ、アンナ・ニクーリナ、アンナ・バルコワ、クセーニャ・ソローキナ
高僧:アレクセイ・ロパレヴィチ
黒人の奴隷:アレクサンドル・ペトゥホフ
指揮:パーヴェル・クリニチェフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
夢の中で彼はエジプト人タオールとなり、従者のジョン・ブルもパッシフォンテとなる。美しい王女アスピシアと恋に落ち、彼女をライオンから助けたことにより、ファラオより宮殿に招かれ貴人として遇されるが、アスピシアとヌビア王の婚約が発表されたため、二人は駆け落ちする(従者付き)。漁村に身を寄せていたが、タオールとパッシフォンテが漁に出かけている間にアスピシアはヌビア王に見つかり、ナイル川に身を投げる。タオールとパッシフォンテは捕らわれる。アスピシアの愛に打たれたナイル川の神達は、アスピシアを蘇らせ地上に送り返す。宮殿ではタオールとパッシフォンテが処刑寸前だったが、アスピシア到着により処刑は中止。一度は怒ったファラオだったが、タオールとの仲を許す。
そこでウィルソン卿は目覚める。
豪華絢爛だけど、単調、と聞いていましたが、まさにそんなかんじ。ラコットさんなので、盛り上がりに欠けるのよ。全3幕なんだけど、中村B3本立てみたいなもん。1幕の、弓を持った女性達の群舞は良かった。衣装も可愛いし、それでいて勇ましい。これなら最後まで楽しめるかな~、と思うんだけど、いかんせんパ・ド・ドゥになると、似たような振付が続く上、単調なもんで、テンションが急降下。それが3幕まで続くので、最後の方は気が抜けていきました。2幕は思っていたほど豪華じゃなかった。そして、「すごつよ」チックな踊りがあった。あの壁画のポーズから踊りを作ると「すごつよ」になるんだな、と、思いました。
主役達の衣装替えが多かった。アスピシアは8回だっけ?タオールも、よくよく見るとマイナーチェンジしていたりして。衣装を追いかけるのも見所の一つになっていましたね。
とにかく団体戦の力業。体格の良い人たちが舞台を埋め尽くしているのは圧巻。だけど、それでなにをしているかというと、なにもしていないんだな。もっと踊ってくれればねえ。プティパの時代なら、さぞかし楽しかったんだと思う。エジプトなんて別世界だもんね。それをヨーロッパで「なんちゃってエジプト」を見せるんだもん。素晴らしい娯楽だったと思うわよ。でも、残らないのには、それなりにワケがあるんだなあ、と。なんで復元したんでしょ。
単調な理由のひとつは、音楽にも理由があるかも。とにかくフレーズが印象に残らない。面白みがない。オケの音自体は良かったと思う。それはバヤデルカほど、音に台詞を必要としなかったからだろうなあ。とにかく、明るく音を出せば、それでOKな音楽。
アスピシアのアレクサンドロワは日本では初主演。堂々としていて、真ん中に立つのは違和感なし。ただ、やっぱり、姫キャラじゃないなあ。王女ではあるけれど、王位継承者の王女、って風格。身投げするよりヌビアと戦をおこす方が似合いそうだ。陣頭指揮しそう。ちょっと顔が前の方に出ているのが気になるかな。ちょっと檀ちゃんっぽいかも。ラムゼも持ち役らしいけれど、そっちの方が似合うかも。姫に見えないわけじゃなんだけどね。
今回1回しか見ないツィスカリーゼは思っていたより全然普通だった。ちょっと物足りない。でも、あの衣装があそこまで似合えばいいのかなあ。アイメイクもバッチリだったし。エジプト人にしか見えなかったよ。アレクサンドロワと並ぶと、ヨーロッパの姫君とエジプト人の恋物語のようだった。まさに「王家の紋章」だね。ちょっと調子が悪いのか、アレクサンドロワが大きく重いのか、本人に技術がないのか、サポートでミスがあったな。踊りは、なんつーか、良いのか悪いのか。難しい踊りをしていることはわかるけれど、盛り上がって拍手喝采系ではないんだよね。相変わらず、体格や顔に似合わず、音を立てない踊りだわ。個人的にはエジプシャンな衣装より探検家ルックの時の方が好き。きっちり着込んだ上で出てくるオーラの方がナマ腹より濃いと思うのよ。
ラムゼのヤツェンコは可愛らしかった。足先をトントントンと打ち付けるところが特に。姫様に忠実な侍女でした。パッシフォンテはメドヴェージェフ。黄金像では無表情だったけど、こちらはコミカルな演技で笑わせてくれました。ジャンプも高かったです。
その他に印象に残ったのは、漁師の妻のシプリナ。お嬢様より奥様の方が好きかも。あと猿!猿!猿!猿の岩田さん!!!可愛かった~~。なでたいよ~~。私もオレンジをあげて、つっつきたいわ~。あとは、印象に残りにくいなあ。ソリストがばんばん出て、難易度の高い踊りを踊っているのはわかるんだけれども、一度では把握できないわ。ナイル川の神の衣装にはビビったけどね。
お馬のケイコちゃんは、ちょっとご機嫌斜めだったかしら?前足がちょっとバタついていましたよね。暴走するんじゃないかとドキドキしちゃった。
まあ、話の種に一度見るぐらいならいいけれど、もう一回はあんまり見たくないなあ。役の掘り下げようがないから、どのダンサーで見ても同じじゃないかという印象。ニーナなら見てみたいけれど。
最後、アスピシアがウィルソン卿に戻ったタオールに投げキスをする。ウィルソン卿には夢だったことでも、アスピシアの世界では本当にあった出来事だったのかも、と思わせるところは、ちょっと好きかも。
【配役】
アスピシア:マリーヤ・アレクサンドロワ
ウィルソン卿(タオール):ニコライ・ツィスカリーゼ
ジョン・ブル(パッシフォンテ):デニス・メドヴェージェフ
ラムゼ:アナスタシア・ヤツェンコ
漁師:ユーリー・バラーノフ
漁師の妻:エカテリーナ・シプリナ
パ・ダクシオン
第1ヴァリエーション(女性):ナターリヤ・オシポワ
第2ヴァリエーション(女性):
アンナ・レベツカヤ、ダリア・グレーヴィチ、アナスタシア・クルコワ
第1ヴァリエーション(男性):ヤン・ゴドフスキー
第2ヴァリエーション(男性):アンドレイ・ボロティン
二人の騎士:ゲオルギー・ゲラスキン、エゴール・クロムシン
河
第1の川-グァダルキヴィル:エカテリーナ・クリサノワ
第2の川-コンゴ:アンナ・ニクーリナ
第3の川-ネヴァ:エレーナ・アンドリエンコ
ファラオ:アンドレイ・スィトニコフ
ヌビア王:アンドレイ・メラーニン
猿:岩田守弘
ナイル川の神:ゲオルギー・ゲラスキン
ナイル川の神の召使い:エゴール・クロムシン、アルテム・ヴァフティン、
ヴィクトル・アリョーヒン、キリール・ニキーチン
女人像柱:
ヴィクトリア・オシポワ、アンナ・ニクーリナ、アンナ・バルコワ、クセーニャ・ソローキナ
高僧:アレクセイ・ロパレヴィチ
黒人の奴隷:アレクサンドル・ペトゥホフ
指揮:パーヴェル・クリニチェフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団