きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ファラオの娘」アレクサンドロワ&ツィスカリーゼ&ヤツェンコ/ロシア国立ボリショイ・バレエ団

2006年05月10日 | バレエ・ダンス
 エジプトを訪れたウィルソン卿は、嵐のため避難したピラミッドの中で夢を見る。
 夢の中で彼はエジプト人タオールとなり、従者のジョン・ブルもパッシフォンテとなる。美しい王女アスピシアと恋に落ち、彼女をライオンから助けたことにより、ファラオより宮殿に招かれ貴人として遇されるが、アスピシアとヌビア王の婚約が発表されたため、二人は駆け落ちする(従者付き)。漁村に身を寄せていたが、タオールとパッシフォンテが漁に出かけている間にアスピシアはヌビア王に見つかり、ナイル川に身を投げる。タオールとパッシフォンテは捕らわれる。アスピシアの愛に打たれたナイル川の神達は、アスピシアを蘇らせ地上に送り返す。宮殿ではタオールとパッシフォンテが処刑寸前だったが、アスピシア到着により処刑は中止。一度は怒ったファラオだったが、タオールとの仲を許す。
 そこでウィルソン卿は目覚める。

 豪華絢爛だけど、単調、と聞いていましたが、まさにそんなかんじ。ラコットさんなので、盛り上がりに欠けるのよ。全3幕なんだけど、中村B3本立てみたいなもん。1幕の、弓を持った女性達の群舞は良かった。衣装も可愛いし、それでいて勇ましい。これなら最後まで楽しめるかな~、と思うんだけど、いかんせんパ・ド・ドゥになると、似たような振付が続く上、単調なもんで、テンションが急降下。それが3幕まで続くので、最後の方は気が抜けていきました。2幕は思っていたほど豪華じゃなかった。そして、「すごつよ」チックな踊りがあった。あの壁画のポーズから踊りを作ると「すごつよ」になるんだな、と、思いました。

 主役達の衣装替えが多かった。アスピシアは8回だっけ?タオールも、よくよく見るとマイナーチェンジしていたりして。衣装を追いかけるのも見所の一つになっていましたね。

 とにかく団体戦の力業。体格の良い人たちが舞台を埋め尽くしているのは圧巻。だけど、それでなにをしているかというと、なにもしていないんだな。もっと踊ってくれればねえ。プティパの時代なら、さぞかし楽しかったんだと思う。エジプトなんて別世界だもんね。それをヨーロッパで「なんちゃってエジプト」を見せるんだもん。素晴らしい娯楽だったと思うわよ。でも、残らないのには、それなりにワケがあるんだなあ、と。なんで復元したんでしょ。

 単調な理由のひとつは、音楽にも理由があるかも。とにかくフレーズが印象に残らない。面白みがない。オケの音自体は良かったと思う。それはバヤデルカほど、音に台詞を必要としなかったからだろうなあ。とにかく、明るく音を出せば、それでOKな音楽。
 
 アスピシアのアレクサンドロワは日本では初主演。堂々としていて、真ん中に立つのは違和感なし。ただ、やっぱり、姫キャラじゃないなあ。王女ではあるけれど、王位継承者の王女、って風格。身投げするよりヌビアと戦をおこす方が似合いそうだ。陣頭指揮しそう。ちょっと顔が前の方に出ているのが気になるかな。ちょっと檀ちゃんっぽいかも。ラムゼも持ち役らしいけれど、そっちの方が似合うかも。姫に見えないわけじゃなんだけどね。
 今回1回しか見ないツィスカリーゼは思っていたより全然普通だった。ちょっと物足りない。でも、あの衣装があそこまで似合えばいいのかなあ。アイメイクもバッチリだったし。エジプト人にしか見えなかったよ。アレクサンドロワと並ぶと、ヨーロッパの姫君とエジプト人の恋物語のようだった。まさに「王家の紋章」だね。ちょっと調子が悪いのか、アレクサンドロワが大きく重いのか、本人に技術がないのか、サポートでミスがあったな。踊りは、なんつーか、良いのか悪いのか。難しい踊りをしていることはわかるけれど、盛り上がって拍手喝采系ではないんだよね。相変わらず、体格や顔に似合わず、音を立てない踊りだわ。個人的にはエジプシャンな衣装より探検家ルックの時の方が好き。きっちり着込んだ上で出てくるオーラの方がナマ腹より濃いと思うのよ。

 ラムゼのヤツェンコは可愛らしかった。足先をトントントンと打ち付けるところが特に。姫様に忠実な侍女でした。パッシフォンテはメドヴェージェフ。黄金像では無表情だったけど、こちらはコミカルな演技で笑わせてくれました。ジャンプも高かったです。

 その他に印象に残ったのは、漁師の妻のシプリナ。お嬢様より奥様の方が好きかも。あと猿!猿!猿!猿の岩田さん!!!可愛かった~~。なでたいよ~~。私もオレンジをあげて、つっつきたいわ~。あとは、印象に残りにくいなあ。ソリストがばんばん出て、難易度の高い踊りを踊っているのはわかるんだけれども、一度では把握できないわ。ナイル川の神の衣装にはビビったけどね。

 お馬のケイコちゃんは、ちょっとご機嫌斜めだったかしら?前足がちょっとバタついていましたよね。暴走するんじゃないかとドキドキしちゃった。 

 まあ、話の種に一度見るぐらいならいいけれど、もう一回はあんまり見たくないなあ。役の掘り下げようがないから、どのダンサーで見ても同じじゃないかという印象。ニーナなら見てみたいけれど。

 最後、アスピシアがウィルソン卿に戻ったタオールに投げキスをする。ウィルソン卿には夢だったことでも、アスピシアの世界では本当にあった出来事だったのかも、と思わせるところは、ちょっと好きかも。


【配役】
アスピシア:マリーヤ・アレクサンドロワ
ウィルソン卿(タオール):ニコライ・ツィスカリーゼ
ジョン・ブル(パッシフォンテ):デニス・メドヴェージェフ
ラムゼ:アナスタシア・ヤツェンコ

漁師:ユーリー・バラーノフ
漁師の妻:エカテリーナ・シプリナ
パ・ダクシオン
第1ヴァリエーション(女性):ナターリヤ・オシポワ
第2ヴァリエーション(女性):
 アンナ・レベツカヤ、ダリア・グレーヴィチ、アナスタシア・クルコワ
第1ヴァリエーション(男性):ヤン・ゴドフスキー
第2ヴァリエーション(男性):アンドレイ・ボロティン
二人の騎士:ゲオルギー・ゲラスキン、エゴール・クロムシン


第1の川-グァダルキヴィル:エカテリーナ・クリサノワ
第2の川-コンゴ:アンナ・ニクーリナ
第3の川-ネヴァ:エレーナ・アンドリエンコ

ファラオ:アンドレイ・スィトニコフ
ヌビア王:アンドレイ・メラーニン
猿:岩田守弘
ナイル川の神:ゲオルギー・ゲラスキン
ナイル川の神の召使い:エゴール・クロムシン、アルテム・ヴァフティン、
ヴィクトル・アリョーヒン、キリール・ニキーチン

女人像柱:
 ヴィクトリア・オシポワ、アンナ・ニクーリナ、アンナ・バルコワ、クセーニャ・ソローキナ

高僧:アレクセイ・ロパレヴィチ
黒人の奴隷:アレクサンドル・ペトゥホフ

指揮:パーヴェル・クリニチェフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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「偽りの花園」第28話(毎週の秘め事)

2006年05月10日 | 偽りの花園
・動揺する家族の中で、一人冷静な弥生。

・御前、辞職することに。
まったくもって
斬鬼極まりない

 と聞こえる。さーーびすですな。「讒毀」なんて思い浮かばないわい。

・御前は枢密院議長に土下座して許しを乞うたがダメだったそうだ。

・「顕彦はあなたの息子ではない。
  すべて自分の咎です」
 母、無謀な論理。
 事実はどうあっても、嫡男として届けている限りは
 御前は辞職するしかないっすよ。

・「じゃあ、誰の子だ」
 「たぶん、おじいさまの・・・」
 たぶん。たぶん。たぶん。
 それじゃ納得できないよ。

・「愛したくても愛せなかった子が
  ついに復讐したのだよ」
 あのとき尻を蹴らなければ・・・。

・「我が家の行く手には燦然たる光明はない。
  すべて、あのろくでなしが!
  家運を暗雲へ突き落としてくれた!」
 御前、名演技。
 素敵だわ~。

・「汚らわしい愛を貪っていながら、
  そこまで密着していながら
  あの子がアカの運動に参加していたのを知らないなんて
  ありえないわよねえ」
 美禰子、しらばっくれる。
 「あなたも同様
  この家を破滅に導く張本人だわ
 たぶん、そのとおり。

・寛次郎、美禰子と共に夫婦の部屋へ。
 取り残される、お姉さま。
 一人で寂しそう。

・「ここらでまともな夫婦にならないか?」
 まともなことを言い出す寛次郎。
 「腐る寸前の果実がうまいからって
  年中食っていれば食傷するよ。
  僕だって爽やかな空気を吸って生きていきたい」
 お姉さまから、次期当主に鞍替えってこと?

・いきなり3年後。
 美禰子が主導権を取っている早瀬川家。
 美禰子は縦ロール。
 お姉さまもヘアスタル・チェンジ。
 服は3年前と同じ。
 「少しだけの良いものを長く使う」というお言葉通りか。
 
・「(お姉さまに進一がなつかないのは)
  なにか魂胆があるんじゃないかって
  子供にはわかるんじゃないかしら」
 瑠璃子様、なにげにキツいお言葉です。

・女性陣は、いつのまにやら、「子抜き」「様付け」。
 これが華族の世界なのか。

・美禰子、腎臓が悪いので、週に一度針治療へ。

・御前の古稀祝い、美禰子からのプレゼントは
 オルゴール(曲:荒城の月)

・ケーキには「Happy Birthday」の文字。
 ハイカラだわ。

・この3年の間だ、寛次郎は怪しい商売に手を出しては
 失敗していたようだ。
 見かけ通りなのだ。

・美禰子、針治療は坊ちゃんとの面会の口実。
 母公認。
 「おふくろさんも・・・・」
 坊ちゃん、親に対する呼び方がたくさんあるね。

・「おからだの具合は?」
 聞かなくてもわかるじゃん。
 血色良好な坊ちゃんよ。

・鉄格子越しの坊ちゃんは
 ほんのり椎名桔平に似ている気がしなくもない。
 って、ことは、ぶんぶんにも似ているのか?
 じゃあ、ぶんぶんはケロに・・・(永久循環)

・早瀬川家の自家用車はキャデラックだって!!

・お姉さまと寛次郎、運転手を吊し上げ。
 「お前は美禰子に口止めされているんだねえ」
 ああ、怖い。怖いところが素敵~~。

やらせろ
 単刀直入。

・「美禰子が恋しくてたまらない。
 美禰子が来てくれた夜は恋しさで身悶え死ぬそうになるんだ
。」
 死んじゃえ、あんたなんか死んじゃえ、とカーシャの口調で言ってみる。

・坊ちゃんは、赤色テロの容疑者だったが、証拠不十分で不起訴?
 現在の服役理由は「思想犯だから」。
 転向の上申書を書けば出られるそうだ。
 「いけないか?美禰子?
 OKを出す美禰子。
 「私は今日限りで共産主義の思想を捨てます(捺印)」で
 出られるほど甘くないだろうから、
 オヤジの犬になるのかなあ。

・そのことが、地獄のような苦しみになるそうだよ。


次回予告。
出てきた坊ちゃんは寛次郎と取っ組み合いをし、
言葉プレイに燃える。
運転手が鴨川生まれと知り、お丹ピンチ!


*メモ*
昭和10年には、すでによっちゃんは星組トップでした。
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