今日はいわゆるセカンドキャストだけれど、
どの作品でも、出演しているダンサーはそれぞれの振付家の言語を習得していた。
東バの裾野がグンと広がったように感じた。
「小さな死」
振付:イリ・キリアン 音楽:ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
榊優美枝、岸本夏未、二瓶加奈子、吉川留衣、崔 美実、伝田陽美
安楽 葵、海田一成、樋口祐輝、宮川新大、ブラウリオ・アルバレス、岸本秀雄
特に吉川さんが良かった。
彼女のビジュアルは古典向きに思えるけど
古典だと少々インパクトに欠けて物足りなく思う。
しかし、カブキとかは良いし、
今回もとても面白味がある踊りだった。
私の語彙では上手く説明できないけど、
すごくエキサイティングだった。
宮川さんがリーダー格かな。
場数の経験か、真ん中がすごく自然だった。
全体的には、昨日の方がキリキリした緊張感があったかな。
メンツか、初日だからか。
今日はもっと柔らかい空気で
愛が充満していた。
「アルルの女」
振付:ローラン・プティ 音楽:ジョルジュ・ビゼー
フレデリ:柄本 弾
ヴィヴェット:川島麻実子
女性:加藤くるみ、秋山 瑛、安西くるみ、最上奈々、
足立真里亜、菊池彩美、柿崎佑奈、瓜生遥花
男性:永田雄大、後藤健太朗、宮崎大樹、竹本悠一郎、
山田眞央、鳥海 創、岡本壮太、岡﨑 司
予想外に川島さんが初々しかった。
白い衣装が良く似合っていた。
水香ちゃんはもう少しベージュだったような。
川島さんの愛は執着ではなく、
恋人が離れていく不安?それよりはもう少し弱い気持ち?
「なぜ?」に固まる前の漠然な不安かな。
男はそこから離れるかんじ?
水香ちゃんだと「あなたが愛しているのは私でしょ!」
とばかりに自分に強く向かせようとして、
男は強引に振り切るかんじ。
今日のペアは日常から男が徐々に流されて外に出ちゃうかんじかな。
弾くんはとても良かった!
情熱的だった!エネルギーを燃やす踊りだった。
リアルな若さが役にリンクしていた。
ただ、昨日ボッレを見ちゃったから、
技術的な部分がちょっと残念な気持ちも。
ボッレは往年ほどじゃないのに、
それでもまだまだ跳べるんだなあ。
しかし、弾くんの死に飛び込む姿に、
ルグリで不燃焼だった気持ちが浄化できたわ。ありがとう!
「春の祭典」
振付:モーリス・ベジャール 音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
生贄:入戸野伊織
2人のリーダー:ブラウリオ・アルバレス、和田康佑
2人の若い男:高橋慈生、樋口祐輝
生贄:伝田陽美
4人の若い娘:沖香菜子、吉川留衣、岸本夏未、金子仁美
今日は通常の弱い男と強い女。
伝田さん、お強い!
入戸野くんはちょっと綺麗すぎる部分もあったけど、
まあ、生贄だし。
なんかもう、生物の原始的なエネルギーが渦巻いていた。
ベジャールはやはり天才。
三作品共通テーマがあるけど、
違いを敢えて言うなら、
「小さな死」は人間の生命の流れ、
「アルルの女」は男女の愛、
「春の祭典」は動植物のエネルギー、かな。
プティが古典の枠組の近くにいるのは
脚フェチを活かす踊りのためなのかな~。
川島さんの脚にプティらしさが少し足りないものの、
プティ作品もベジャール作品も、
ちゃんと継承できていたと思う。
明日も行くよ!
◆上演時間◆
「小さな死」 14:00~14:20
休憩 20分
「アルルの女」 14:40~15:15
休憩 15分
「春の祭典」 15:30~16:05