きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「20世紀の傑作バレエ」東京バレエ団(初日)

2017年09月08日 | バレエ・ダンス



「小さな死」
振付:イリ・キリアン 音楽:ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト

沖香菜子、金子仁美、三雲友里加、川島麻実子、崔 美実、奈良春夏
杉山優一、岡崎隼也、入戸野伊織、柄本 弾、ブラウリオ・アルバレス、秋元康臣


全幕は初見。
オーレリーとルグリなどの抜粋で見る官能的要素は薄く、
「死」は比喩ではなく、
社会的政治的肉体的を問わず
死の近くでギリギリに生きている若者達のようだった。
束の間の愛は官能より暖かみを感じた。

キリアンの動きが身体に入りきるのはもう少しかな。
たぶんキャスト表の順番通りの組み合わせだよね?
沖&杉山、みたいな。
今日は全体的な流れの把握だったので
ダンサー単体は明後日しっかり見ます。

キリアンの流れるようなムーブメントは実に美しい!


「アルルの女」
振付:ローラン・プティ 音楽:ジョルジュ・ビゼー

フレデリ:ロベルト・ボッレ
ヴィヴェット:上野水香

女性:波多野渚砂、上田実歩、髙浦由美子、中島理子、
   榊優美枝、菊池彩美、柿崎佑奈、酒井伽純

男性:永田雄大、和田康佑、宮崎大樹、竹本悠一郎、
   山田眞央、安楽 葵、岡本壮太、岡﨑 司


全幕は初見。
群舞が入るとこうなのか!
抜粋よりわかりやすい!
魂がどっかに行きかけちゃうフレデリは酷い男だけど、
引き戻そうとするヴィヴェットの執念もちょい怖かった。
水香ちゃんだからの役作りかな。
群舞のフォーメーションが面白かった。
そして、ボッレ!
脱いでもやっぱり凄かった!
幻に囚われては現実に戻り、
しかしついには向こう側に行ってしまう。
反復の繊細な表現もいいけど、怒涛のラストが素晴らしい。
スタミナを持続したまま、
踊りもスピードも感情もどんどん高まる!
こうでなければ!

先日見たゲラン&ルグリは肩透かしだったので、今日は大満足。
そりゃプティは文学的芸術的ではあるけれど、
この作品は技術と体力があるダンサーが踊るべきだよね。

ボッレも水香ちゃんもプティに直接指導された経験があるから、
プティ独特の動きも自然だった。


「春の祭典」
振付:モーリス・ベジャール 音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー

生贄:岸本秀雄
2人のリーダー:ブラウリオ・アルバレス、和田康佑
2人の若い男:岡崎隼也、杉山優一

生贄:奈良春夏
4人の若い娘:二瓶加奈子、三雲友里加、政本絵美、崔 美実


「春の祭典」、最初に「小さな死」を見たせいか、
生贄は、なんというか、
性衝動のスイッチを入れる存在のように思えた。
生殖の先にあるのが死ならば、
真っ先に番いになる彼等は一番早く死ぬ、
そういった意味で「生贄」なのかも。
周囲に生と死を撒き散らす存在?


キリアン、プティ、ベジャール、みんな偉大だ!
抜粋じゃなく、全部、というのが素晴らしいよね。

いいプログラムでした。


◆上演時間◆
「小さな死」  19:00~19:20
 休憩       20分
「アルルの女」 19:40~20:15
 休憩       15分
「春の祭典」  20:30~21:05
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする