きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ジゼル」シェスタコワ&ルジマトフ/レニングラード国立バレエ(2日目)

2007年01月31日 | バレエ・ダンス
【2/1 書き足し】
全体的には、今日の方がまとまりがあったかも。
オケもいくらか良くなりました。
でも、アニハーノフ氏の時とは比べものにならず。
マールイのオケが良いのではなく
アニハーノフ氏の指揮が良かったのね、いままでは。

ペザントはエフセーエワとプローム君。
二人とも溌溂系。
安定感は昨日のミリツェワの方があるんだけど
華やかさはエフセーエワの方があるなあ。
プローム君のジャンプの滞空時間も
余裕があって良い。
客に見せる芸だ。

ハンス、従者は変わらず。
もしかして好みじゃないのはペトゥホフではなく、
ここのハンスの演出なのかも。
なんだかウジウジ・女々しいんだよね。
私の好みからすると。
クリギンでさえ、もっと濃くと思ったしなあ。
マラーホフの従者は相変わらず素敵。
主人を思う気持ちが良く出ている。

ミルタはコシェレワ。
基本が笑顔の人だから、こういう役は難しい。
もしろ、ラ・シルの方が合うのかもな。
ちょっと、人間っぽいんだよね。精霊にしては。
いっそ可愛い笑顔で人を殺す系にしちゃうとか。
ドゥ・ウィリーは、やっぱりいたねのミリツェワと
フィルソワ。
ミリツェワはちょっと怖めのメイクだけど
睫毛には光り物キラキラ。
上体が柔らかい。柔らかいだけでなく、
こう、うにょ~~、とくねらせるような動きが
なんともいえない。
ウィリーはこうあるべきだね。
フィルソワは、ビジュアルが「うらめしや」。
踊り的には深い印象はないけれど
ビジュアルがウィリーっぽいな。

シェスタコワとルジについては、
今日の方が良いとは思うんだけど、
昨日の方が衝撃度はあったな。
ボーッと見てたら、口をこじ開けられて
魂をガッと掴まれて引き抜かれたような感覚があった。
今日は「ものすごいものを見せられちゃう」ってのが
わかっていたので。
シェスタコワが空中を漂っていても
「そうそう、これよね」的な既視感があった。
やっぱ、最初の方がインパクトはあるよね。
ルジは、顔を見ちゃうと、老けたなあ、と思う。
特に口の周りが。
でも、踊りは、難易度を下げたとか、
端折るとか、そっち系にはならないんだなあ。
確かに、以前よりは体力を使わない技になっている。
けど、彼の個性に合った踊りに
「組み替えている」というのか、
「再構築している」というのか。
バリエーションのところも、
普段見るようなパターンではないんだけれど、
彼の身体の美しいラインが
とても良く出ている。
これで、いいか、と思ったところに
仰け反り
ですから。
これが来ちゃうとねーーーー。
もう、これだけに金を払うぜ!と思っちゃう。
自分の必殺技を熟知しているよなー。ちくしょーーー。
ジゼルに誘われてジャンプも、
前半は跳ばずにヨロヨロしているだけのことが多い。
でも、あー、体力的に跳べないんだーーー、
ではなく、
アルブレヒトならこうなるだろう、としか思えない。
なんでだか、説得力ありまくり。
それだからこそ、最後のジャンプが
「生命力を搾り取られているなーー」って気がしてきちゃうんだよね。
こっちの方が、流れ的に正しい!とさえ思っちゃう。
ルジマトフ・マジックだよなあ。
2回見ると、ヨロヨロ振りとか、
最後のジャンプの高さとかが同じなのがわかる。
ダンサーとして体力が尽きたのではなく、
役の表現として、すごく緻密に計算したんだな、と思った。
そうそう、一幕の、一直線に並んで回転するところ。
ジゼルはアルベルトに合図を送るのに
アルベルトは、自分の世界に入っている。
初日は、ルジが振りを間違えた?忘れた?と思ったけど
2日目も同じって事は、
ジゼルが心配、って、自分の世界に入っちゃって
ジゼル本人を見ようとしなかったってことなのかと。
そうだとすれば、奥深いなあ、と感心しきりでした


(この先は1/31に書いたもの)
とりあえず展示してあった衣装の写真をば。
明日、書き足します。





 

コシェレワとミリツェワの衣装が同じだった。
フィルソワは、他のウィリーと同じだけど
胸の谷間の肌色なし。
海賊の花園も、今回の村娘6人衆も
一人だけ色が濃かったし、
もしかして、「1.5番手のスパンコール」的な
意味合いがあるのかな。

クリギンはいなかった?
ラッパ卒の上手側が似ていたけど
違うよね。たぶん。
05年の記録を読み返したら、クリギンは
「貴族の緑」と書いてあった。
今回、緑の衣装のカップルは無し。
カットなのか衣装チェンジなのかは不明。

1幕、ジゼルが「胸が苦しい」の場面。
アルベルトは手にキスをするだけ。
役立たず
しかし、ここで役立たずだからこそ、貴族なのだ。
キビキビ動いて手当なんて、平民のすることなのだ。
と、馬鹿なことを昨日思ったんだよな、
ってのを思い出した。


【配役】
ジゼル:オクサーナ・シェスタコワ
アルベルト:ファルフ・ルジマトフ
森番ハンス:ロマン・ペトゥホフ
ペザント:エレーナ・エフセーエワ、アントン・プローム
バチルド:オリガ・ポリョフコ
公爵:イーゴリ・フィリモーノフ
ジゼルの母:アンナ・ノヴォショーロワ
アルベルトの従者:アレクセイ・マラーホフ
ミルタ:イリーナ・コシェレワ
ドゥ・ウィリー:タチアナ・ミリツェワ、エレーナ・フィルソワ

指揮:セルゲイ・ホリコフ
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ミラノ・スカラ座バレエ団の来日公演

2007年01月31日 | バレエ・ダンス
「プリマヴェーラ・イタリアーナ(日本におけるイタリア2007・春)」
だからだそうで。
このイベントのため
急遽決まったんでしょうねえ。
水香ちゃん出演は
引き受けたバーターかな。

ミラノ・スカラ座といえば、
前回はオーレリー&グエラの「ジゼル」でしたっけ?
本当はフェリの予定だったけど
妊娠のため降板したんですよね。
フェリ目当てでチケットを取った私は
友人に譲っちゃったんだっけなあ。
(もう一組はコホウトコヴァ&ボッレだったかな?)

その前は、
フェリ&ルグリ、セアーブラ&マラーホフによる
ヌレエフ版「眠り」。
これは見た。前者2回、後者1回。
熱があったらしいけど、フェリのローズ・アダージオは
見ている側の心臓が凍りそうになるくらい
危なっかしかった。
最前列で見たので、よけいに。
チュチュはやっぱり似合っていなかったし。
けど、某雑誌が絶賛していて、
あまりの持ち上げすぎに定期購読を止めたんだよなあ。
(いろんな義理があるのはわかるけど
 それでも我慢できないくらいの提灯記事だった)
美術は素晴らしく良かった。
色合いも良く、重厚で。
カラボス登場の時のライティングが
綺麗だったなあ。
ダンサーの方は、
セアーブラは不調なフェリよりも
魅力を感じなかった。
ソリストはほどほど。
良かった記憶もないけれど、
悪かった記憶もない。
群舞は、あんまり。
特に、オーロラが眠りについた2幕終わりの方、
王子達だったかな?
オーロラを担いで舞台を半周して捌けて、
宮廷の人たちもその後をついていくんだけど、
喋ったり、笑ったりしていました。
もしかしたら現地エキストラなのかもしれないけれど
いい加減にしろよー、と思った記憶が・・・。

なので、今回も、バレエ団としては
それほど期待していません。
S席1万8千円はなーーー。
美術のために5階正面あたりから見たいけど
たぶんそこはD席8千円だろうしなー。
祭典orアッサンブレ枠で多少の割引はあるだろうけど
B席までだろうしなあ。
直前の得チケを狙うか。
最初からE席の限りなく正面寄りを狙ってみるか。
いっそ、見ない、ってのもありかだよなあ。
行くとしたらゲスト無しの日。
でも8千円かあ。。。。。
ルジの「すべて」を増やす方がお得そうだわね。
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