ダーシーのマノンは素晴らしかったです。彼女を見に行って大正解!自分を誉めたいよ。脚さばきが、まさにマクミラン。小難しいステップも自然な動きで、音楽そのものでした。演技も良かったです。前にも彼女で「マノン」を観ましたが、その時よりずっとずっと深い演技でした。マノンって、今までは「享楽的な女性」ってイメージでしたが、彼女は違いました。人間は、精神的な愛も、物質的な欲も持っているもの。片方を捨て、片方を得るのも、人間として当然のことなんだ、と。彼女はデ・グリューがいない間にムッシューを選んでしまいますが、彼女が冷たいのではなく、また短絡的な思考からではなく、すごく自然な流れで納得できました。マノンの心の動きもハッキリわかります。デ・グリューと過ごす寝室では甘やかな幸福感で満たされ、ムッシューから想像もできないほどの富を与えられ彼を選ぶ。2幕では、最初は真剣なデ・グリューが鬱陶しいが、彼の愛にほだされ、愛を受け入れる。ここの葛藤が泣けたなあ。そして3幕の絶望感。どれをとっても素晴らしい。
ボッレのデ・グリューは、ソロの踊りでは「あ~、それがマクミランかい~~」と思う時がありましたが、演技がいいのでそれほど気になりませんでした。マノンしか見ていない眼差しとか、2幕で、マノンに近づきたい、でも近づけない葛藤が良かったです。大泣きも似合うのもいいですよね。ダーシーと並ぶと体格的にもバランスが良かったです。3幕の大技も、「ぶん投げる」ではなく、ちゃんと「感情の高まり」になっていました。
レスコーはセルヴェラ。小柄で若くて、登場時は「あ~」と思いましたが、踊りも良いし、なによりも「悪党」オーラを放っています。なので、これは「レスコー兄」ではなく「レスコー弟」と脳内変換。そうする全然違和感がありませんでした。ムッシューはそれなりにエロいけど、あんまり印象は残りませんでした。看守のタケットが素晴らしかったよ!流刑地の看守って、彼自身も流刑も同様。「本国から見捨てられて、やさぐれている」雰囲気が、ほんのわずかな出番でも漂っています。『だから』、売春婦の囚人を好きなようにするのは当然の権利、と思っているんだろうなあ。ただエロいだけじゃないんです。僻地の投げやりな権力者なんですわ。
舞台全体に、退廃的な、淫靡な、それでいて、どこか格調高い雰囲気が漂っていました。これぞ英国ロイヤルバレエ団。「十八番」ってアオリも大納得でした。
ボッレのデ・グリューは、ソロの踊りでは「あ~、それがマクミランかい~~」と思う時がありましたが、演技がいいのでそれほど気になりませんでした。マノンしか見ていない眼差しとか、2幕で、マノンに近づきたい、でも近づけない葛藤が良かったです。大泣きも似合うのもいいですよね。ダーシーと並ぶと体格的にもバランスが良かったです。3幕の大技も、「ぶん投げる」ではなく、ちゃんと「感情の高まり」になっていました。
レスコーはセルヴェラ。小柄で若くて、登場時は「あ~」と思いましたが、踊りも良いし、なによりも「悪党」オーラを放っています。なので、これは「レスコー兄」ではなく「レスコー弟」と脳内変換。そうする全然違和感がありませんでした。ムッシューはそれなりにエロいけど、あんまり印象は残りませんでした。看守のタケットが素晴らしかったよ!流刑地の看守って、彼自身も流刑も同様。「本国から見捨てられて、やさぐれている」雰囲気が、ほんのわずかな出番でも漂っています。『だから』、売春婦の囚人を好きなようにするのは当然の権利、と思っているんだろうなあ。ただエロいだけじゃないんです。僻地の投げやりな権力者なんですわ。
舞台全体に、退廃的な、淫靡な、それでいて、どこか格調高い雰囲気が漂っていました。これぞ英国ロイヤルバレエ団。「十八番」ってアオリも大納得でした。