きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「BourbonStreet Blues」宝塚月組

2005年07月09日 | 宝塚(月組)
 久々に正塚先生の小劇場芝居を見ました。やっぱりコチラ向きですね。少ない人数で地味に自分探し。これぞ正塚。

 いやー、本当にネタは「いつもの正塚」なんですよ。人質ネタもあるし。でも、「自分探し」をするのが、若い子なんで。まだ社会人ともいえない子なんで。現在に自信が持てなくても、将来はどうなるかわからない。そのために、いろいろやってみて、悩んで、ようやく方向を決めていき、自分の居場所を見つける。具体的にどうすればいいのかは全然わからないのに、身体の中にはモヤモヤっとしたパワーが溜まっていって、それの放出(発散)の仕方がわからずイライラする。「ここじゃない、どこか」。それがどこかもわからないのに、歩き出しちゃうんだよね。
若いねーー
と、思いつつも、そんな時代が自分にあったことを懐かしんだりして。こういう「イライラ」ってあったよね~、なんて。
 そんな若い子、ジェフをさららんが好演。彼女の立場とジェフが、すごくリンクしている。さららんへの宛て書きかな、と思うくらい。もうジェフの気持ちがわかりまくり。どこまで演技でどこまで地なのか。でも、そんなことはどうでもいい。舞台にいるのはまぎれもなく「ジェフ」。ちょっと声が枯れ気味なのが気になったなあ。あと皿洗いのパントマイムは要練習だ。意外に求心力があるかな。彼女を中心に舞台がまとまっている。。。ように思うのは欲目だろうなあ。
 ヒロインの白華れみちゃんは、たぶん役らしい役ははじめだと思うけど、声もスタイルもいいし、台詞の間合いもいいよ。さららんとの息もピッタリだ。芝居も良いと思うよ。説明台詞の少ない正塚芝居でも、シンシアがどういう子かちゃんとわかる。なにより、久々に見る「ヒロイン」系の子だ。先が楽しみ。
 ベテランのエリちゃんが舞台を締めていました。刑事、マフィア、建築家の3役。大人の役で、「若造」さららんとの対比がくっきり。いいバランスです。めお、みっぽー、ふじこ、ゆりの、みちるちゃんあたりは、すでに中堅の雰囲気。しっかりそれぞれの役を演じていました。エリちゃんじゃないほうのマフィアのボスは龍くんなのか?えらくカッコイイぞ。みりおくんは演技がうまいぞ。
 自分の出番以外は、舞台両脇にの椅子に出演者が座っているとか、舞台装置が簡素とか、なかなか良い「仕掛け」。曲も、曲の入り方もセンスが良いと思いました。正塚好きならたまらない。けど、正塚嫌いなら拷問かも。ほっくん版も観たいなあ・・・。
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「霧のミラノ/ワンダーランド」宝塚雪組

2005年07月09日 | 宝塚(雪組)
 芝居は柴田作・中村A演出。オーストリア占領下のミラノ。無能な坊ちゃんの振りをしてレジスタンス活動を続けるロレンツォは、ある日、家業の業務停止の仮処分を受けたことをオーストリア将校・カールハインツに抗議するフランチェスカと知り合う。二人とも「ミラノの5日間」の頃に家族を失ったたことがわかり惹かれあう。ロレンツォは友人ジャンバティスタと共に独立戦争に参加する。
 台詞や歌詞の端々に文学的な格調高いフレーズがあるし、幕開けの御貴族様の世界も華々しく、案外オギーより、中村Aぐらいかけ離れているほうが、案外柴田先生の演出には向いているのかな、と思ったけど、途中からは、やっぱり中村A。場面転換が多すぎて忙しなく、いろんなことを詰め込みすぎて、結局はあらすじを台詞で繋いでいるだけの芝居。だからラストが唐突過ぎて。これで幕???と、客は取り残される。このオチになるのはわかる。けど、もう少し余韻が欲しいよ。もうすこし場面場面を書き込んで欲しいなあ。いつも思うんだけど、3時間の映画を無理やり1時間40分のミュージカルにまとめて、そのためにあらすじ以外を切り捨てているように見えちゃうんだよね。ひとつふたつのエピソードを丸々削ってでも、もうちょっとゆったりとした場面を作れないものかね。
 コムちゃんのロレンツォは、まあ、いいんじゃないかなあ。後半の硬派のカンジは好きだな。彼女は妖精よりも男らしい役のほうが似合うと思う。まーちゃんは、「ミラノの5日間」の頃二十歳、それから10年、ってことは30歳ぐらいのヒロインなのね。「白昼」のハナちゃんは・・・。いや、言うまい。苦労して足が地につきつつも、「幸せだった時代」を共有できるロレンツォに惹かれる大人の女性でした。
 かしげのカールハインツ、ミズのジャンバティスタのバランスがビミョー。役者としてはそれぞれ良いのですが、同格二人を配したので、大帝国の軍人vsレジスタンスと、自由を求めるレジスタンスの話が同列になって、結果的にどちらの話も印象が薄くなってしまいました。難しいねえ。かしげは長めの前髪のカツラ+軍服で、なかなかに耽美。もうちょっと背が高いと軍服がさらに似合って良いのだが。敵であるロレンツォに惹かれる(笑)経緯がわかりづらい。なぜ彼がそれほどまで気になるのか。かつての芝居の「タンゴを教え・教わる」って方が、その行動自体はアレだけど、二人の間に通じる者があるのは良く伝わって来たなあ。退役の理由もわかりづらいなあ。たぶんラストの「絵」を作るためなんだろうけどさ。普通の軍人なら戦争に行って、戦後は捕虜ないしは本国帰還だろうからなあ。ミズのジャンバティスタは役を無理矢理ふくらましたような印象。その難しい役をうまく作っていたと思います。ダンスの見せ場は必要だったのだろうか。しかも背景無しでショボいし。エンマとの関係は良かったなあ。昔の女とまたくっつく。そのエンマはいずるん。娘役2番手というより別格かな?昔の月組ではコモちゃんの役どころっぽい。キムは久々の男役。やっぱこっちの方がいいよ。華やかだし軍服も似合うねえ。お笑い場面が滑るのは役者と脚本と演出のどれがわるいのか?壮くんは狂言回しというかナレーターというか。ちょっと熱すぎかも。
 主題歌?になるのかな?それがちょっとお間抜けで。
  ひなげしはフランス語でコクリコ
  英語ではポピー
  中国語では虞美人草
そーーか、虞美人草ってポピーなのかあ、と思う前に、「フランス語でココリコ」だったらどうしようとか思ったり。

 ショーは、オープニングと白鯨で、ワクワク冒険活劇か?と思ったら、その後は、わりとありきたりな場面で、ちょいと単調でした。トランプの「赤&黒」は、まあ、面白い。けど、選曲が不明。「白鳥の湖」に「威風堂々」などが続く。日本語歌詞の歌付きで。なんで~~。幕間に甘いモノを食べたので、早起きだったせいもあり、この辺から撃沈。まーちゃんが男役を従えて踊っている姿が印象的でした。いい眺めだわ~~、と。フィナーレは普通にドレスとシャンシャン。軍服にポンポンではありませんでした。
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