きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「鳥類悲願始末人」復刊

2005年06月22日 | 漫画・小説・雑誌
明智抄「始末人シリーズ」第2巻の「鳥類悲願始末人」が復刊されました。
鳥類悲願始末人

表紙は「心美体健」から。私はカラーで見るのが初めてなので、バックが赤なのがビックリでした。1/4スペースに一部書き下ろしアリ。逆にサンショウウオの水槽や傭兵の格好をした高屋さんは載っていません。

「鳥類悲願始末人」
小鳥さんの素性と、高屋さん達が属する組織の片鱗がわかる話。私はつい最近まで小鳥さんは男の子だと思っていたのですが、それは間違いで女の子、表紙の二人が白雪姫と小鳥さん(ブルーアイズ)を擬人化したモノと言われて目から鱗でした。「かたやき」の実物を見たときもビックリでしたが。早く帰りたいときに残業が入るところにリアリティ・・・。
追記
「純情火炎始末人」を読み返したら、小鳥さんは自分のことを「オス」だと言っていました。
PSS通信7号の履歴書も「男」になっていました。

「新装転職始末人」
登場する漫画家のモデルは・・・(笑)。ドラマの「仕事人(始末人)」のように、仕事中に「挿入歌」が入るのですが、これがなんとも・・・。さすが明智先生です。振り袖姿の高屋さんも要チェックです。私も高屋さんの手料理が食べたい。「地方に住む痴呆作家」とか、トイレに行くとき「ドレス汚さないでね」って言われているのに洗った手をドレスで拭いているとか、さりげないところにも明智テイスト盛りだくさんです。半三郎臨終は、のちに作者の実話(飼っていたのは猫だけど)と判明。

「心美体健始末人」
「片づけられない」の先駆けですね。私は一時期コレを笑えないところまで行きました。私はこの時まだ「女の十字架」を読んでいなかったので、少女漫画の絵で明るく、されどとてつもなく深く、女の業が描かれていたのが大変ショッキングだったのを覚えています。
 「だってあなた 私の好きな人の 妻だもん」
 「あなたが私を憎んでいるよりずっと 私はあなたを憎んでいたんだもん」
お互い仲の良い友人でいるように見えながら、心の奥底では・・・。なのに、オチがあんなにスコーンと明るくて。私が明智さんにハマったのは、この作品からかも。

「風雅風韻始末人」
「アフロディーテの涙」の制服は、銀英伝の帝国軍の制服みたい。オーナーはルビンスキー似。一見おちゃらけた話に見えますが、「恋人として愛し愛されたい人の養子になる辛さ」が良く描かれていると思います。んで、恋愛は顔とか年齢とかではないと。ハゲでも親のような年齢でも、好きなことには変わりない。後年の「鍋島専科」に繋がるテーマですね。「ベターハーフ」も、「絵」は笑えるし、それが殺す理由ってのはなんですが、それを望むのも、またわかるような気がします。高屋さんは人を説得するのが上手ねえ。入野くんが殴ったのは高屋さん?それとも斉籐さん?

「お烏さま」
私は収録作品ラインアップを見たときは「トリ」だと思っていました。「カラス」だったんですねえ。前の4作とはうってかわって、爽やかな読後感。ホラーというより、民話っていうか、柳田国男系というか。私はドロドロ話の方が好きなんだけど、「始末人」の後は、こういった作品を入れるの方がイイのかなあ。

あとがきは娘さんを出産したときのお話。新生児が・・・。リアル・・・・・。経験者ならではの絵ですわ・・・・・・。
コメント
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