きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ロミオとジュリエット 新人公演」宝塚月組

2012年08月23日 | 宝塚(月組)


とても幸運なことに友会で当たりましたので行ってきました!

2幕を1時間40分ぐらいに短縮・抜粋しての上演。
長めのナレーション(状況説明含む)の後に、
舞踏会の場面から開幕。


ロミオのたまきちは、さすがの安定感。
技術部分の微調整は必要だけど、
ロミオという人物をちゃんと作っている。
抜粋編ながら、途切れることがない一貫した人物像を
確実に観客に見せていた。
挨拶も落ち着いてしっかりしていた。
みゆちゃんへのリードも包容力を感じさせる。

ジュリエットのみゆちゃんは
拙い部分はあるけれど、
ひたむきな演技が好印象。
目の化粧は改善の余地があるかな。
でも金髪もよく似合う可愛い顔立ち。
たまきちとの身長差も良い。
ちゃぴと違ってヒールの高い靴だけど
装飾のセンスは良いかんじ。
学年の割りには歌えていると思う。

ティボルトのゆうきは、
これだけ場数を与えられているのに
演技がまだまだ幼い。
本公演に比べると出番が少ないけれど
もう少しインパクトがあっても良いんじゃないか。
風吹以前のもりえちゃんを思い出す。
若さ以外のなにかを見せて欲しかった。
音域と合っていないせいもあるけど、歌が弱い。
それをカバーできる武器を見つけて欲しいな。
以前に見たスカピン新公のゆりやは
歌が壊滅的だったけど
芝居はそれを補って余りある熱さだった。
そういうのがあるといいねえ。

逆にマーキュシオのあーさは、
危うさが滲み出る演技が見事だった。
モンタギュー家の者ではないのに
切り込み隊長になってしまう、勢いと、
その中に、駆り立てられてしまう、なにかを感じる。
死ぬ場面では思わず涙。
ボリュームのある髪は全体のバランスがちょい悪かったけど
くっきりした顔立ちは豊かな表情が映えて良いね。

ベンのまゆぽんはイケメン!スタイルも良い。
「どうやって伝えよう」の中にある
「少年期の終わり」の要素が足りないとか、
もうちょい芝居に深みが出るといいかなあ。
若い役も合っているよ。
台詞も聞きやすい。

死のちなつは素晴らしかった!
私が見たい死はコレなんだよ!
しなやかな動き、ダンスで伝わる死の意志。
前に出るときは場を支配し、
下がった時も密やかに存在する。
が、出過ぎることはない。
本公演は番手順だから仕方がないんだけどね。

愛のゆーみんは、柔らかくて暖かみがある踊り。
死とのバランスも良かった。
ダンロマの2羽のカモメのひとりだよね。
これからが期待できるダンサーだね。

新人公演の長、からんちゃんはロレンス神父。
ビジュアルと台詞声が若いのがな~。
歌は渋みがあるので決してミスキャストではない・・・かな。

ジュリパパのスミスはヒゲがよく似合い、
低い声の台詞も歌もバッチリ。
というか親父役に違和感ナッシング。
本当に新公学年か?

ジュリママのみくは歌が弱いかな。
ビジュアルは若手なのに貫禄がある。
むしろ、ありすぎ。
ヒロイン路線に戻れるのかなあ。

乳母のアキちゃんも高音は出ないけど
コメディ部分担当の責務を的確に果たしていた。

ロミパパのジョー、大公のあまりらも落ち着きのあるヒゲ。
若手のヒゲの似合い率、高すぎ。
ロミママのまあいはラストの歌をきっちり聞かせてくれた。
きえちゃんのパリスは白タイツ。
がっちりした体格だけど、ビジュアルを含め、作り込みが良かった。

それぞれに課題は見えるけど、良い新公だった。
そして若いと思っていた本役の演技が、
ものすごく深いことに気が付いた。
次回から違った目で見えそう。


【主な配役】
ロミオ:珠城 りょう
ジュリエット:咲妃 みゆ
ティボル:煌月 爽矢

ロレンス神父:千海 華蘭
乳母:晴音 アキ
キャピュレット卿:貴澄 隼人
モンタギュー夫人:真愛 涼歌
ベンヴォーリオ:輝月 ゆうま
キャピュレット夫人:花陽 みら
モンタギュー卿:輝城 みつる
ピーター:麗奈 ゆう
マーキューシオ:朝美 絢
パリス:星輝 つばさ
ジョン:夢奈 瑠音
愛:隼海 惺
死:鳳月 杏
ヴェローナ大公:天翔 りいら
コメント (2)
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