きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ローマ法王の休日」

2012年08月01日 | 映画
タイトルと予告から
もっとお気楽なコメディだと思ったけど
全然違う内容だった。

固く言えば、老境にさしかかって振り返る自分の人生、
そしてこれからなにをやりたいか、なにができるか、
どこまで仕事の責任を負えばいいのか、
なにを決断すればいいのか、
と、けっこうシビアな内容だった。

結末は意外だった。
新法王がとった行動そのものより、
法王庁の枢機卿は、自分がその立場になりうる、
その運命を受け入れる人達だと思っていたんだけどな。
ほどほどの出世はしたい、
でも身を粉にして働きトップの責任を負うのはヤダ、
そんな我が儘が通るものなのかな。

それとも逆に、法王庁に来るような人であっても
私達と同じだと読み取るべきなのか。
あるいは、バチカンへの皮肉なの?
コンクラーベという選出方法も含め。
(前法王だって結局は政治的理由で選出されたんだろうし。
 コンクラーベにどんな意味があるのか、とかとか)

ただラストの彼の行動は私は正解の一つだと思う。
理由をはっきり述べ、
撤退できる勇気は素晴らしいと思う。

本物じゃないかもしれないけれど
法王庁の建物の内部の様子や、
スイスガードの服の下などの映像は興味深かった。
身代わりの人、ただのふとっちょさんだよね。
エーベルバッハ少佐によれば
「あんなかっこうをしていても凄腕」らしいんだけど。


ロシア戯曲の浸透ぶりにもびっくり!
シェイクスピアじゃなくてチェーホフなんだ!
キアヌの映画にも劇中劇で使われていた。
西洋人はそんなにもロシア戯曲が好きなの?
客が入るの?
それとも「高尚」という記号とか?
日本では、少なくとも今は
それほどメジャーじゃないよね。
栗原小巻とかがその世代のような。

学者とバレーボールが
いまいちわからんかった。

余談。
あんな方を誘拐しちゃった伯爵って
恐れ知らずだよなあ。。。


ところで。
映画会社の隠謀で、私と同じように
軽めのコメディだと思って映画館に来た人も多いようでした。
JAROに言ってもいいぐらい
予告と内容が違うのは確かでしたが
それにしても、見始めて20分ぐらいすれば
それはわかるんじゃないかと思います。
でも、頑なまでにそれを認めたがらず、
ひたすら笑おうとしている人が近くにいて、参った。
なんでそんなに笑いの沸点が低いのよー。
まあ、予告が悪いんだけどさー。
コメント (3)
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