きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「第13回 世界バレエフェスティバル」Aプロ

2012年08月02日 | バレエ・ダンス
以前ほど長くは感じられなかったけど
以前ほどは感動しなかったなあ。
いろいろ見て来ちゃったしな。
簡単に感想を。


■第1部■
スターズ・アンド・ストライプス」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ジョン・フィリップ・スーザ
ヤーナ・サレンコ、ダニール・シムキン

ぶはーーーっと笑っちゃうぐらい
やらかしてくれるかしらー、
と期待したけど、まあ、ほどほど、程度でした。
むしろ端正で正確な面が際立っていました。
サレンコの敬礼がピシピシ決まるのが良かった。
全体的に「真面目」な踊りだった。


「モペイ」  
振付:マルコ・ゲッケ/音楽:C.P.E. バッハ
フリーデマン・フォーゲル

リズミカルに良く動くな~。
彼で見るのは2回目かな?
音と身体が一致していて面白かった。


「幻想~『白鳥の湖』のように」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
エレーヌ・ブシェ、ティアゴ・ボァディン

美しい物語だった。
ゾフィーが王にアプローチしているイメージで見ればいいのかな。
全幕で見たいなー。


「ドリーブ組曲」
振付:ジョゼ・マルティネス/音楽:レオ・ドリーブ
上野水香、マシュー・ゴールディング

水香ちゃんの無機的で情緒不要のパキパキしている踊りが
意外にも合っていた。
アニエスデザインの衣装もすごく似合っていた。
マシューも端正にピシッと決めてくれました。
ただ、後半は普通に「コッペリア」だった。
ジョゼの複雑なジャンプは無理なのかあ。


■第2部■
「扉は必ず...」
振付:イリ・キリアン/音楽:ダーク・ハウブリッヒ(クープランの「プレリュード」に基づく)
オレリー・デュポン、マニュエル・ルグリ

最初に見たときは絵画のようで美しすぎて溜息だったけど
何回も見るには動きが無さ過ぎて、ちょっとツライ。
最初に見たときぐらい、二人の距離が近ければ
もうちょっと良い雰囲気になったと思うけど
(ニコイチだからこそのユニゾン性みたいなものが
 以前はあった)
今の二人では昔ほど表現できていないと思う。
ルグリのレパートリーからだと
これを出すしかないんだろうけど。


「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
ポリーナ・セミオノワ、イーゴリ・ゼレンスキー

もう、なんちゅーーーか。
同世代が「古典を踊る」ことから降りているのに、
身体も往年ほどは動かないのに、
スターの貫禄だけで踊り切っちゃうゼレンスキーの姿に
ほんとに、もうーー、胸熱ですよ。
いいよ、これで。
ねえ。
ポリーナちゃんも生徒みたいだったなあ。
体格的には釣り合っている。


「セレナータ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ/音楽:アメリゴ・シエルヴォ
ナターリヤ・オシポワ、イワン・ワシーリエフ

単純に言えば「激しい痴話喧嘩」なんだけど
二人の身体能力を充分に活かした
激しい愛のドラマだった。


「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:カミーユ・サン=サーンス
ウリヤーナ・ロパートキナ

美しい。
ただ、その一言のみ。


■第3部■
「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ 
振付:ジョン・クランコ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメーカー

冒頭のラドメーカーのマント捌きがいまみっつぐらいだけど
瑞々しくて情熱的な二人だった。
アイシュヴァルトが可愛い。
セットはガラ用のマクミラン仕様だった。
ちょっとショボい。


「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"  
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
アニエス・ルテステュ、ジョゼ・マルティネス

貫禄と威厳があった。
あんまり好きな作品じゃないけど
この二人ぐらいの格でこそ成り立つ世界。
ジョゼはこれだけなんだよねー。
勿体ないけど、
これはこれで彼の真髄みたいなものは出てるよね。


「ディスタント・クライズ」
振付:エドワード・リャン/音楽:トマゾ・アルビノーニ
スヴェトラーナ・ザハロワ、アンドレイ・メルクーリエフ

内容はよくつかめなかったんだけど
旅立とうとする(なにかと訣別しようとする)女と
現実的に、または比喩的な意味で
留まらせようとする男、ってかんじなのかな。
男を振りきって遠くへ行こうとする女、みたいな?
とにかく、ザハロワの身体の美しさが際立っていた。


「パガニーニ」
振付:マルセロ・ゴメス/音楽:ニコロ・パガニーニ
マルセロ・ゴメス

これはある意味、反則技。
だってゴメス振付なんだもん。
自分の良い部分を、得意の技で表現するんだもん。
楽しくないわけがないじゃあないか!
舞台に上がったヴァイオリニストの音と絡み合いながら
あるときは豪快に、あるときはコミカルに
まるで即興のように踊る。
終盤に向けて眠気覚ましの濃いコーヒーを
振る舞われたかんじでした。
意識がハッキリしたわ。


「ラ・シルフィード」第2幕より
振付:ヨハン・コボー オーギュスト・ブルノンヴィルに基づく/音楽:ヘルマン・S.レーヴェンスヨルド
タマラ・ロホ、スティーヴン・マックレー

コボー振付部分は、二人のソロに入る前の細かい動きのところかな。
全幕で見れば意味があるんだろうけど
ガラでの抜粋だと、ちょいと意味不明。
ロホはたおやかでチャーミングでコケティッシュだった。
チュチュじゃない方が似合うね。
マックレーは、今回のダンサーで一番良かったと思う。
実に細かく繊細な足捌きが正確だった。
それでいて上半身がぶれない。演技も的確。
思わず唸っちゃった。
森のセット付きでした。


■第4部■
「ブレルとバルバラ」 
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ジャック・ブレル、バルバラ
エリザベット・ロス、ジル・ロマン

ロスの太股の筋肉も美しいけど。
ジル・ロマンはますます年齢不詳になっている。
というか若返っている?


「明るい小川」よりパ・ド・ドゥ  
振付:アレクセイ・ラトマンスキー/音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

抜粋で見るとこんなかんじなのかー。
それともこの二人だからこんなかんじなのかー。
難しいことを軽々とやって、それでいてほのぼの。
楽しかった。


「カンタータ」 (世界初演)
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
ディアナ・ヴィシニョーワ、ウラジーミル・マラーホフ

マラーホフの体型がな・・・
1月よりさらに大柄になっていた。
特に尻回りが。
新作ならもう少し衣装を考えても・・・
内容としてはどうなのかしら。
私にはわからない。
動き自体にあんまり目新しさは無い?


「オネーギン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ、フリーデマン・フォーゲル

爽やかだったねえ。
二人の動きがとても伸びやかだった。
難しいリフトも綺麗に決めていました。


「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
オレシア・ノヴィコワ、レオニード・サラファーノフ

派手さはないけど、優雅で良いけど、
トリとしてはインパクトが薄いかなあ。
全幕2回を見た後だと、特に。


古典は少ないけど
わけのわからん作品も少なくて、
まあ、バランスは取れていたかも。
ぶっちゃけ、最近のボリマリ合同ガラほどの
盛り上がりはなかった。
コンテを・・・、じゃなくて
古典が踊れる年齢じゃないから消去法でコンテ、
の傾向があったかなあ。
そこまでして出す(出る)必要があるのかな。
でも「一堂に会す」が重要なんだろうしなあ。
難しいね。


ほぼタイムテーブル通りに進んだのが
一番のビックリだったかも。
45分、45分、55分、60分に
15分の休憩の休憩が入るので
例年より楽だった。かも。



指揮:ポール・コネリー 
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 
 
チェロ:遠藤真理、ハープ:田中資子(「瀕死の白鳥」)
ヴァイオリン:チャールズ・ヤン(「パガニーニ」)


タイムテーブル
■第1部■ 18:00~18:45
<休憩15分>
■第2部■ 19:00~19:45
<休憩15分>
■第3部■ 20:00~20:55
<休憩15分>
■第4部■ 21:10~22:10


8/13追記
カーテンコールは女性ダンサーのアルファベット順なので
ロパートキナは中ほどで出て、
上手側に並ばなきゃいけないんだけど、
いつも真ん中の彼女はなかなか捌けず
後から登場するダンサーは中央の狭い空間を微妙にすり抜けていました。
途中で、あっ!と気づき、そーっと移動する姿が可愛かった。

「オネーギン」、鏡の中は水香ちゃんだと思う。
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「アイーダ 愛に生きた王女」

2012年08月02日 | 劇団四季
プクのファンってほどじゃないんですが
プクラダは見てみたかったんで
キャスボに名前が挙がったのを見て
すぐにC席を取りましたよ!

「アイーダ」は今回で3回目だけど
今回が一番ラブストーリーに見えた!
アイーダとラダメスの細かい心の動きが
とても良く伝わってきた!!
サブタイトルの「愛に生きた王女」にとても納得。

なんだか、もー、胸がキュンキュンしちゃったよ!
あまりもラブ全開で、ちょいと赤面するぐらい。

プクラダは俺様気質がありつつも、
アイーダの気持ちが気になっちゃう。
ちゃんとアイーダの気持ちを思いやっている。
嫌われてないよね、俺?の逡巡も垣間見える気がする。
可愛いぜ!
ビジュアルはヒゲでムサいのに
なんでだか、受ける印象は爽やかだったよ!

プクの大きい手はラブシーンには有利だね。
アイーダの身体を撫で回す手には
ものすごく愛情が籠もっていて
なおかつちょっとエロ。
(=ちゃんと肉欲に結びついた動き、とも言う)

阿久津さんの方が軍人の面が強いかな。
プクは冒険心を満たすために戦に行くイメージだね。
見知らぬ世界に行くには、戦を仕掛けてその土地に入るしかない。
冒険の方便にも見えるのは大国の傲慢でもある。
エジプトの将軍にしかできないんだよね。

どうでもいいと言われそうだけど
プクの上半身のラインは良いと思う。
肩のラインとか。
肩から胸板のラインとか。
脱ぐとそれほど筋肉はないんだね。
(ほどほどにはあるけど
 腹筋6つ割れってほどではない)

朴アイーダは激しい芝居だった。
最初、若干、台詞回しの癖があるように思ったけど
話が進むうちに気にならなくなった。
正気なところ、C席から見下ろすと
スタイルがもうちょっと・・・と思う。
(首がもう少し長いとあの鬘も映えそう)
でも、芝居はすごく納得だった。
奴隷なのに、ラダメスやアイーダが認めざるを得ない気高さを醸しだし
頭の回転も速そう。
(王女だ、と言いかけて、取り繕うとことろか
 機転が利くな、という印象
 同じ台詞でも、他のアイーダには感じなかった)
国より、結局愛を選ぶのも
苦渋の選択でもあるし
でも愛がなければ生きていけないし、
という部分も非常にクリアに見えた。
愛に流されたのではなく、
王女としての責務を越えるほどの愛に
巡り会ってしまったかんじだった。


プクとの演技もとても噛み合っていて
お互いを思い合う心情がとても伝わってきた。

光川さんは、言葉が悪くて申し訳ないけど
「貧相な小娘」だったなあ。
C席から見ると身体がとても薄かった。ペラペラだった。
私の好みからすると、この役にはもうちょっと
なにかアクセントが欲しい。
お洒落にしか感心が無い、王座に就くのは似合わない、
そんな「その辺の小娘」レベルの彼女に
いろいろ難問が降りかかるのがキモとか?
スタイルがー、っていうわりには細すぎて
それならもっと詰め物するとかー。
前に見た五東さんの方が好きだったなー。
美女、というのは侍女のお世辞にし聞こえないけど
それをすんなり信じちゃう人の良さがありつつも
最後は「王」となる、その下地も見えた。
二人に下す罰には「公正」さも感じた。
光川さんは最後まで「お嬢さん」だったなあ。
それもアリだとは思うけどね。

とにかく、プクラダは良かったよ!
未見の方はこの機会にどうぞ!


【配役】
アイーダ : 朴 慶弥
アムネリス : 光川 愛
ラダメス : 福井晶一
メレブ : 有賀光一
ゾーザー : 飯野おさみ
アモナスロ : 高林幸兵
ファラオ : 石原義文


【男性アンサンブル】
黒川 輝
脇坂真人
田井 啓
品川芳晃
朱 涛
中村 巌
ハンドコ アクアリオ
水原 俊

【女性アンサンブル】
桜野あら
駅田郁美
恒川 愛
井上佳奈
加藤久美子
小島光葉
須田綾乃
柴田厚子

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「アメイジング・スパイダーマン」

2012年08月02日 | 映画
予告の段階で見る気は全くなかったんだけど
タダ券をもらったので行ってきました。

ハイスクール青春白書、アメコミ調特撮、など
あれもこれも盛り込んで、
結果的には長くなり過ぎて途中で飽きてきた。
だって、「このあとアノ場面で、その次はアレで」
って展開が読めまくりじゃない?
それなのに、始まってだいぶたつのにまだココか、
というのがわかるから、
なんだかどんどん脱力しちゃうんだよね。

だからといって、リメイクしたから
新しくなにかが産まれたわけではなく。
多少の映像部分の最新技術が投入されたにせよ
仕上がりは、以前の映画と似たり寄ったり。
賛否両論はあるにしても
バートンのバットマンとノーランのバットマンって
別物じゃないですか。
スパイダーマンには、前回の三部作との違いは
役者のみ、って気がするよ。

たぶん、見る側だけじゃなく
作る側にもたくさんファンがいるんだろうなあ。
で、「俺なりの『スパイダーマン』を作りたい!」
というか、単純に制作に携わりたい、って人がたくさんいて
またもやできちゃったんだろうなあ。

とにかく、予告以上はなにも無かった。
ピーターの両親失踪の謎は次回に持ち越しだけど
次回が無くても別にイイ。

ガーフィールドはいい役者なんだけどなあ。
勿体無い。


エンディングは聞かなかったよ。
なんで日本語の歌にするんだかなー。
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