きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「舞台『銀河英雄伝説』 -第二章 自由惑星同盟篇- 」(DVD上映会@銀河劇場)

2012年08月10日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)
日程とお財布事情が合わなくて
国際フォーラムの公演には行けませんでした。
ありがたいことにDVD上映会が開催されると聞きましたので
疲れた身体をひきずって行って来ましたよ。

舞台後方にスクリーン設置ではなく、
緞帳すぐ奥ぐらいの場所に
白い布が、貼られた、というより、降りてたのかな?
つまり、大きさとしては緞帳と同じ。
画像はとてもクリアでした。


帝国編と違って、脚本・演出などに
制作側の、原作への愛が感じられました。
押さえるべき処は押さえ、
役者の見せ場作りより
ストーリー優先なかんじ。

映像とのコラボもとても上手かった。
特にフライングボールの場面。
DVDだからかもしれないけれど
暗転はスムーズそう。
お話しは第7次イゼルローン攻防戦前後。
休憩抜きだと2時間強ぐらいのスパンだと思うけど
綺麗にまとめられていました。


河村さんは、あれが彼自身の個性なのかもしれないけど、
あまりにも富山ヤン過ぎる気がする。
もっと彼なりの個性を出してもいい気がするなあ。
でも、河村さんはあれをやりたかったんだろうね。

逆に中川くんは、ビジュアルは私が思うポプランじゃないけど、
芝居が入ればまさにポプランだった。
芝居が巧いなあ。
松井さんは殺陣や見得の切り方が決まっていた。
舞台映えしそうな動き。
この人も外見イメージは違うけど
芝居が入ったら人を食ったおっさんで、
私が思うシェーンコップなかなり近かった。

ユリアンはデカかったけど、
演技のつたなさも含め、少年らしさが良かった。
コーネフはイイ男過ぎw
女性2人のバランスも良かった。
特に馬渕さんは凛とした雰囲気があった。
大澄さんも髭が似合って
想像以上にムライだった。

ここで終わらすしかないだろう、
ってとこで終わったけど、
続きは作られるのかなあ。

最後はゼークト(の方だったかな?)も
一緒に同盟の歌を歌っていたね。


冒頭はわかりづらかったかも。
アーレ・ハイネセンだという予備知識があっても
地球教?って思ったよ。


主な配役
ヤン・ウェンリー:河村隆一
ジェシカ・エドワーズ:馬渕英俚可
ジャン・ロベール・ラップ:野久保直樹
ムライ:大澄賢也
アレックス・キャゼルヌ:天宮良
オリビエ・ポプラン:中川晃教
ワルター・フォン・シェーンコップ:松井誠
シドニー・シトレ:西岡徳馬
フレデリカ:グリーンヒル:はねゆり
ヨブ・トリューニヒト:井田國彦
パトリチェフ:金澤博
ダスティ・アッテンボロー:荒木健太朗
ぜークト(他):伊藤哲哉
ナオミ:長澤奈央
ユリアン・ミンツ:桑代貴明
イワン・コーネフ:中村誠治郎
サレ・アジズ・シェイクリ:大山真志
ウォーレン・ヒューズ:仲原裕之
ビクトル・フォン・クラフト:川隅美慎
アンドリュー・フォーク:樋口夢祈
ある男:LGMonkees
ムーア:深澤英之
トーマ・フォン・シュトクッハウゼン:佐藤和久
ラオ:石塚智司
ジョアン・レベロ:遠山裕介
コーネリア・ウィンザー:佐藤愛美


上映前にトークショーがありました。
事前の告知では田中先生だけかと思われたのですが
実際には(当時)上演中だった「撃墜王篇」から
ラインハルト役のニコラス・エドワードさんと
クラフト役の川隅美慎さんも登壇されました。
田中先生がゆったりめにお話しされるので
正直なところ、お二人がいたから間が保ったところがありました。
司会は安達さん。

同盟篇の前に、帝国篇、双璧篇、オーベルシュタイン篇が
上演されましたが、
帝国篇を見た最初の印象は?の質問に
田中先生「なんでこんなことになったのか、
もっと真面目に書いておけば良かった」
帝国篇を書いていたのは若いときで
勢いに任せた部分もあった。
そこを舞台化してもらって恐縮、みたいなことを仰いました。
ニコラスさんの役作りについて。
帝国篇のDVDを見たら、
松坂ラインハルトは感情の起伏が激しく演じていた。
帝国側は固め(軍人)、優雅(貴族)の部分があり
そこに人間味があって良かった。
そのDVDと小説、アニメ、いろんなラインハルトを見て、
今回の舞台に臨んだ。
川隅さんは帝国篇のゲネプロを見た。
通常ゲネプロは客席で見ている人(スタッフ等)が少ないのに
この時はたくさん人がいてビックリだった。
それを受けて安達さん、当時を振り返り、
「ゲネプロが押して、本当に上演できるか心配だった」
また、田中先生も感想追加。
3次元で表すとどうなるか(見るまで)わからなかった。
ダンス等でうまく銀英伝の世界を表していた。
さらに安達さんの思い出追加。
最初帝国篇を上演すると聞いたとき
「え、でも、女性がいないしー」
女性が殆どでない芝居は成立するか不安だった。

話変わって、川隅さんのクラフト役について
田中先生曰く「卒業してから出世した生徒」。
作家を先生視点として、クラフトは
学生時代は目立たなくて、
いるかいないかわからないぐらいだったけど
卒業してから有名になった。
原作では殆ど出番無しのクラフトを
よくここまで膨らませた。
自分が書かなかった部分を埋めてくれて感謝している。
同盟篇では身体を鍛える場面で
ときおりパンツが見えたらしく
各部署で「今日はどんな・・・」と話題になっていたらしい。
安達「穿かないという選択肢は・・・」

この両名を見た田中先生の印象。
「こんな人がどこにいたんだと思った」
先日NHKで「月蝕島の魔物」がラジオドラマ化されたが
舞台化されることがあったら
ぜひニコラスさんに主演をお願いしたい。

安達さんから二人に
「原作者に聞きたいことは?」
ニコラスさん「ラインハルトのどこが好きですか?」
田中先生「本当は虫が好かない!
なんでもかんでも揃っている。
しかし、周囲との差は、自分の努力で埋めている。
そんな一直線な生き方は自分にはできない。
非常に憧れているけど
(自分には)なれないことはわかっている。
その辺りを演者の個性で表してくれれば。
恵まれていないところを
自分のエネルギーに変えていく。
書いていくうちに情が移ったので
読者が納得できる形で退場させるように考えた。」
川隅さん「作品を作るに当たって、キャラを決めてから書くのか、
書いているうちに見つけて広げるのか」
田中先生「ケース・バイ・ケース。
大雑把に決め、他のキャラとの絡みがあるが
おのずと形成される。
だんだん作者の言うことを聞かなくなる。
野球に例えると、2番なのにバントもできない。
他のキャラとの比較でできていく。
単独でできることはない」

その他、これから上映される同盟篇の河村ヤンについて
田中先生は「フレデリカが惚れたのは当然」。
一部では「イタコ」と呼ばれていたそうです。

退場に当たっては、前方のお客様に
「画面が大きいので後ろの席の方が見やすいかも」とアナウンス。
ニコラスさんのファンらしい前方席の女性たちは
指示に従い、開演前に後方の席に移動されていました。


田中先生の喋りは初めて聞きました。
こういうかんじなんだなあ。
もちろん私が読み込んでいた頃は
先生も若かったんだろうけど。
ニコラスさんの日本語はマテさんよりは上手い程度で
台詞で聞くとツライかも。
すごく真面目そうな印象はあるけどね。
細かったなー。


お土産付きでした。
コメント
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