お財布事情から全幕はB席とE席の組合せ。
今回はどちらを良い席で見るか悩んだけど
どんな解釈で来るかわからないゴメスのソロルを見たくて
こちらをB席にしましたよ。
結果的には正解だったかな。
ゴメスは野性味溢れる戦士で、なおかつ紳士だった。
武人として藩主の命令には逆らえない。
命令され結婚を承諾するが
ニキヤへの愛が無くなったわけではない。
大人の選択をせざるを得なかった悩める男だった。
前回のABT来日公演では
ABTらしい、良く言えば「豪快」な部分があったけど
今日は、ひとつひとつの動きが丁寧だった。
指先まで神経が行き届いた細やかで繊細な動き。
それでいてダイナミックだった。
身体能力のピークと芸術面の深みが合致している時期なのかも。
この旬の時期にバレフェス開催でなおかつ全幕って奇跡だわ!
芝居(マイム)部分が無駄に熱い時があるのも良い。
ビジュアルに合っている。
婚約式の時も、ガムザには笑顔を向けるんだよね。
苦しい気持ちを押し殺して。
大人だけど、誠実なの。
ニキヤへの愛と、藩主(とその娘)への尊敬は
混じらず両立できるんだよね。
二股とは違うと思うんだわ。
ヴィシは毒気も生臭さもない!
ゴメスの包容力でそれらが中和され、美しさが前面に出ている。
ガムザ懇願の場面で、ニキヤの美しさに
「負けた」と思うのが納得できる。
なんだか、ルジと組んでいたころを思い出した。
マラーホフと組んでいるときより断然良い。
優美な踊りでした。
ペース配分もバッチリ。
ちょっと姫すぎるけど、それも彼女の個性だし!
木村ラジャは威圧感が良いよ。
んん~、まさか私の命令に逆らおうとは思わんよな、
って笑顔で無言の圧力。
あれにはゴメスも逆らえないのも自然な流れ。
後藤大僧正の演技には神が降りてきている。
愛が高潔な大僧正を変えちゃったんだよ!
ちょっぴり狂気で暑苦しくて、
そりゃ、ニキヤは受け入れてくれんわなー。
でも、彼の愛も本物なんだわー。
奈良さんのガムザは、
ヴィシとゴメスと三角関係になるには
ちょっと存在感が薄いかなあ。
逆に、この程度の「小娘の我が儘」
と、思えば良いのかな。
平たい顔族の族長の娘が
権力を行使して恋人の中を引き裂いたような
そんなイメージでもいいかしらー。
高慢なようでいて、
時々見せる不安そうな表情は良いかも。
「あなたがニキヤを諦めたら
私(たち)は恐ろしいこと
(=ニキヤを殺す)をしなくてすむのに」
と思っているんじゃないかな。
とても切ない。
権力で得た愛は真実の愛じゃない、ってのを
どこかでわかっているんんだよな。
ニキヤに「あなたが蛇を・・・」と言われたときも
「知らないわー」と思わずシラを切る。
ゴメスとの演技は噛み合っていたと思います。
幻影の場は少々元気が良いような気がするけれど揃っていた。
三人のソリストも気迫があった。
シムキンくんのブロンズ像は、
う~ん、、、すごく期待していたけれど、
ビデオで見た熊川くんほどではないな、
というのが正直な感想。
神秘性はあまり無く、なんだか小猿ちゃんだった。
マカロワがABTのために作った作品を、
マカロワの系譜のダンサーと、
ABTのダンサーが踊っているかと思うと胸熱だわ。
カーテンコールには出てきた赤いドレスの女性は
振付指導のオルガ・エヴレイノフ先生みたい。
ヴィシの衣装はユカリューシャと同じだと思う。
スカラ座からのレンタルね。
ゴメスは白じゃない方は見たことない気がするけど
他と同じ系統のデザインっぽい。
参考 → 衣裳合わせ:ラ・バヤデール制作日記(東京バレエ団)
高岸さん、身体が空いているのなら
一人で太鼓隊やっちゃえばいいのになあ。
【配役等】
ニキヤ(神殿の舞姫):ディアナ・ヴィシニョーワ
ソロル(戦士):マルセロ・ゴメス
ガムザッティ(ラジャの娘):奈良春夏
ハイ・ブラーミン(大僧正):後藤晴雄
ラジャ(国王):木村和夫
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):高橋竜太
アヤ(ガムザッティの召使):崔美実
ソロルの友人:柄本弾
ブロンズ像:ダニール・シムキン
侍女たちの踊り(ジャンベの踊り):矢島まい、川島麻実子
パ・ダクシオン:
高村順子、佐伯知香、岸本夏未、阪井麻美
西村真由美、乾友子、高木綾、渡辺理恵
森川茉央、松野乃知
影の王国(ヴァリエーション1):田中結子
影の王国(ヴァリエーション2):佐伯知香
影の王国(ヴァリエーション3):高木綾
指揮: ワレリー・オブジャニコフ
演奏: 東京フィルハーモニー交響楽団
振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)
振付指導:オルガ・エヴレイノフ
装置:ピエール・ルイジ・サマリターニ
衣裳:ヨランダ・ソナベント
今回はどちらを良い席で見るか悩んだけど
どんな解釈で来るかわからないゴメスのソロルを見たくて
こちらをB席にしましたよ。
結果的には正解だったかな。
ゴメスは野性味溢れる戦士で、なおかつ紳士だった。
武人として藩主の命令には逆らえない。
命令され結婚を承諾するが
ニキヤへの愛が無くなったわけではない。
大人の選択をせざるを得なかった悩める男だった。
前回のABT来日公演では
ABTらしい、良く言えば「豪快」な部分があったけど
今日は、ひとつひとつの動きが丁寧だった。
指先まで神経が行き届いた細やかで繊細な動き。
それでいてダイナミックだった。
身体能力のピークと芸術面の深みが合致している時期なのかも。
この旬の時期にバレフェス開催でなおかつ全幕って奇跡だわ!
芝居(マイム)部分が無駄に熱い時があるのも良い。
ビジュアルに合っている。
婚約式の時も、ガムザには笑顔を向けるんだよね。
苦しい気持ちを押し殺して。
大人だけど、誠実なの。
ニキヤへの愛と、藩主(とその娘)への尊敬は
混じらず両立できるんだよね。
二股とは違うと思うんだわ。
ヴィシは毒気も生臭さもない!
ゴメスの包容力でそれらが中和され、美しさが前面に出ている。
ガムザ懇願の場面で、ニキヤの美しさに
「負けた」と思うのが納得できる。
なんだか、ルジと組んでいたころを思い出した。
マラーホフと組んでいるときより断然良い。
優美な踊りでした。
ペース配分もバッチリ。
ちょっと姫すぎるけど、それも彼女の個性だし!
木村ラジャは威圧感が良いよ。
んん~、まさか私の命令に逆らおうとは思わんよな、
って笑顔で無言の圧力。
あれにはゴメスも逆らえないのも自然な流れ。
後藤大僧正の演技には神が降りてきている。
愛が高潔な大僧正を変えちゃったんだよ!
ちょっぴり狂気で暑苦しくて、
そりゃ、ニキヤは受け入れてくれんわなー。
でも、彼の愛も本物なんだわー。
奈良さんのガムザは、
ヴィシとゴメスと三角関係になるには
ちょっと存在感が薄いかなあ。
逆に、この程度の「小娘の我が儘」
と、思えば良いのかな。
平たい顔族の族長の娘が
権力を行使して恋人の中を引き裂いたような
そんなイメージでもいいかしらー。
高慢なようでいて、
時々見せる不安そうな表情は良いかも。
「あなたがニキヤを諦めたら
私(たち)は恐ろしいこと
(=ニキヤを殺す)をしなくてすむのに」
と思っているんじゃないかな。
とても切ない。
権力で得た愛は真実の愛じゃない、ってのを
どこかでわかっているんんだよな。
ニキヤに「あなたが蛇を・・・」と言われたときも
「知らないわー」と思わずシラを切る。
ゴメスとの演技は噛み合っていたと思います。
幻影の場は少々元気が良いような気がするけれど揃っていた。
三人のソリストも気迫があった。
シムキンくんのブロンズ像は、
う~ん、、、すごく期待していたけれど、
ビデオで見た熊川くんほどではないな、
というのが正直な感想。
神秘性はあまり無く、なんだか小猿ちゃんだった。
マカロワがABTのために作った作品を、
マカロワの系譜のダンサーと、
ABTのダンサーが踊っているかと思うと胸熱だわ。
カーテンコールには出てきた赤いドレスの女性は
振付指導のオルガ・エヴレイノフ先生みたい。
ヴィシの衣装はユカリューシャと同じだと思う。
スカラ座からのレンタルね。
ゴメスは白じゃない方は見たことない気がするけど
他と同じ系統のデザインっぽい。
参考 → 衣裳合わせ:ラ・バヤデール制作日記(東京バレエ団)
高岸さん、身体が空いているのなら
一人で太鼓隊やっちゃえばいいのになあ。
【配役等】
ニキヤ(神殿の舞姫):ディアナ・ヴィシニョーワ
ソロル(戦士):マルセロ・ゴメス
ガムザッティ(ラジャの娘):奈良春夏
ハイ・ブラーミン(大僧正):後藤晴雄
ラジャ(国王):木村和夫
マグダヴェーヤ(苦行僧の長):高橋竜太
アヤ(ガムザッティの召使):崔美実
ソロルの友人:柄本弾
ブロンズ像:ダニール・シムキン
侍女たちの踊り(ジャンベの踊り):矢島まい、川島麻実子
パ・ダクシオン:
高村順子、佐伯知香、岸本夏未、阪井麻美
西村真由美、乾友子、高木綾、渡辺理恵
森川茉央、松野乃知
影の王国(ヴァリエーション1):田中結子
影の王国(ヴァリエーション2):佐伯知香
影の王国(ヴァリエーション3):高木綾
指揮: ワレリー・オブジャニコフ
演奏: 東京フィルハーモニー交響楽団
振付・演出:ナタリア・マカロワ(マリウス・プティパ版による)
振付指導:オルガ・エヴレイノフ
装置:ピエール・ルイジ・サマリターニ
衣裳:ヨランダ・ソナベント