きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

ルジマトフ&レニングラード国立バレエ ~華麗なるクラシックバレエ・ハイライト~

2005年08月12日 | バレエ・ダンス
ルジマトフ、絶好調。こわいくらいに絶好調。年初に「ダンサーとして終わりつつあるかな?」なんて思ったのは大間違いでした。

「ラ・シルフィード」コチュビラ、プハチョフ
コチュビラのコケティッシュな面が良い具合に反映されていました。ジゼル系統の妖精ですが全然別物で、可愛らしい無邪気な妖精でした。来年の「ラ・シル」は、ぜひコチュビラで。プハチョフも、短い時間ながらしっかり演技をしていて、全幕から一部分を切り取ったようでした。脚もしっかり伸びていました。いいよねえ。

「春の水」エフセーエワ、シュミウノフ
まあ、いつものね。

「タイスの瞑想曲」シェスタコワ、シャドルーヒン
振付はV.サリンバエフ。振付自体はそれほど面白味はないのですが、音楽の叙情性と、シェスタコワの叙情性がマッチして、綺麗でした。シェスタコワは音楽に乗るのがうまいね。

「青い鳥」ミリツェワ、マスロボエフ
ミリツェワはカワイイだけだけでなく、動きのひとつひとつが明確。確実に決める。けど、動きは分断されることなく、優美だよね。マスロボエフは、もう2秒でいいから、ポーズを保とうよ。自分の分担を踊ったら終わりと思わないで。踊っているときはいいんだから。

「バヤデルカ」ペレン、ルジマトフ
本当にね。絶好調なんですよ。この年にしては、ではなく、往年のオーラがバシバシ放出されているんです。あんた、何者よ~~~、と思いつつ、脳味噌が溶かされる。どうしましょう。特に最近見た「バヤデルカ」がお疲れモードのマラーホフだったから。踊り一本だと、こんなに踊れるのかなあ。ジャンプもまだまだ高いし、滞空時間、じゃないか、滞空の仕方というのかな。脚が床から離れているときに、すごく余裕があります。ポーズも決めまくるし。う~ん、すごいよ。
あと、思ったのが。ルジもナルシスティックな踊りをするのに、ルジのソロルは、マラーホフのような「言い訳」にはならない。それは、ルジに「幽界」とか「冥界」の概念が、かなり明確にあるからなのかな、と。天国でも地獄でもない場所で、ニキヤとソロルの魂が出会う、というイメージが伝わってくるんだよね。
それと、衣装は新調?見たことのある形だけど、こんな濃い水色だっけ?刺繍があったっけ?なんてことを思っていたので、あんまりペレンは見ていなかったよ。ちょっと、没個性。
トリオにはステパノワがいた。これだけのために来たのかな?化粧は濃くなく、従来のキツさが無くて良かった。コシェレワもいたし、豪華なトリオだよね。

「眠りの森の美女」エフセーエワ、シャドルーヒン
エフセーエワは、日を追うごとに丁寧になっているかな。シャドルーヒンも王子らしい。

「ジゼル」鹿野沙絵子、ルダチェンコ
鹿野さんは肩のラインが柔らかくてジゼルにピッタリです。浮遊感もあり、空気に溶け込むようでした。ルダチェンコは、う~ん・・・。もうちょっと、なにか欲しいなあ。

「白鳥の湖 2幕」コチュビラ、ヴェンシコフ
コチュビラは白鳥も美しいです。腕のラインが素晴らしい。黒鳥込みの全幕を見てみたいなあ。本当に、これだけクラシック・バレエに向いた体型ってないよねえ。若いワリには表現力もあるし。ヴェンシコフは演技は良いがサポートがちょっと不安定。

「海賊」ペレン、シヴァコフ、シェミウノフ
踊りとしての完成度は昨日のシェスタコワが入った三人組の方が高いけど、ペレンが明るく笑っていたから、まあ、いいか。

「パキータ」テリョーシキナ、ルジマトフ
メゼンツェワ系と聞いていたけど、私はクナコワを思い出しました。押し出しが強いわけではないけれど、自然に真ん中に立つ風格がありました。本当にキーロフは人材の宝庫。全幕で来るのはパブレンコだけどさ。テクニックもあり、表現力もあり。細いので、ルジもリフトしやすそう。
ルジはね~。「バヤデルカ」はなんだったの~、っていうぐらい、絶好調度がさらにアップ。どこまで行っちゃうのかな~。なんでしょう、この充実振りは。怖いくらいです。年齢を超越したみたい。どの動きをとっても「ルジマトフ」。う~ん、なんて表せばいいのかなあ。体力等の、すべての限界値を振り切ったというのかなあ。最近は侘びとか寂とか枯れの境地だったけど、そこを越えたら、またエネルギッシュな世界だったというのか。往年の熱量が戻ってきたようなカンジ。新しいパートナーに出会うとダンサーって変わるんだねえ。

最近のマールイ夏ガラは、若いもんがぶんぶん回転してばんばんジャンプして系だったけど、今回は、きちんと、正当派なガラ公演。よくここまで育ったなあ、と感無量。と思っていたら、ルジが10年若返ったような踊りでさらにビックリでした。今日は雨のため朝4時半に起きて洗濯物を取り込んで、すごく眠いのにバレエの前に2つの用事をやっつけて、これじゃバレエで寝るよ、と思っていたのに、そんなヒマなし。まだまだルジに興奮できるよ。嬉しいねえ


書き忘れた。群舞はやはり美しい。美しい白い世界。これだけでも見る価値はある。ありがたや。でも、私の気になるお姉さんが・・・。年初まで前列の方にいたけど今回は後方が多かったよ・・・。
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「妖怪大戦争」

2005年08月12日 | 映画
 むか~し、TVで「妖怪大戦争」を見たことがあったので、あの時のワクワク感がまた味わえるかなあ、と楽しみにして見に行ったのですが
やっぱ角川映画だわ
宣伝以上に面白いところ無しだし。すご~く、深い話をやりそうでいて、なんにもやらない。ぐわーーとかががががーーーと敵と味方が対立して、半端な決着で終わるアレっていうか。私は何度角川の予告に騙されてきたのでしょう。そして今後何回騙されるのでしょう。
 水木しげるをはじめとするメンバーから生まれた妖怪達、ってんで、どうなるかとすごく楽しみだったんです。そしたら、妖怪がたくさん出てくるのではなく、
ただのコスプレでした
妖怪じゃないよ。誰がなにをやっているのかを見つけるのが面白いのであって、その妖怪が、妖怪なりの特性を生かして・・・、ってことはない。敵は加藤保憲が作り出した物の怪なんですが、それが、戦隊モノの敵みたいなメカなんで、余計につまらない。しかも、実際に戦うのは人間の子供。「妖怪大戦争」なんて誇大広告でした。あ~、騙されたワタシが悪いんだけどさ。
 まあ、オチはお笑いっていうか、なんというか。それがネタだったのか、というのか。加藤保憲は、嶋田久作の方がいいなあ。「千と千尋・・・」の「坊」役だった神木君の祖父役がクモオヤジ(名前忘れたわ)の菅原文太なのに要注目!とぴあに書いてあったけど、それなら、辰宮さんの娘さん役を演じた南果歩が出演していることにこそ注目すべきだろう。
 まあ、内容は、それとして。神木君は演技がうまいねえ。級友の子の下手さ振りが目立ってしまったよ。全然別な次元にいるね。
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