きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ドン・キホーテ」レニングラード国立バレエ団(クチュルク&ファジェーエフ)

2006年02月01日 | バレエ・ダンス
主演ペアの感想。
ふたりとも、一生懸命に真面目に踊ってくれているのは
とっても良くわかるんだけど、
やっぱ即席ペアのため、ちょっと噛み合っていないかなあ。
3幕のGPDは技の見せ合いなので盛り上がったけど
1幕はお互いのカラーの違いが有りすぎて、ちょっと違和感。
せめてあと1回組んで踊れれば
かなり良くなる予感はあるんだけどね。
一回だけなのが勿体ない。

クチュルクの相手は、やっぱりミハリョフがいいなあ。
ファジェーエフ相手だと粗さが目立つような。
ミハリョフが粗いというわけではないんだけどね。
クチュルクは例のゴム・バッチンの靴で、
バランス系はいいんだけど、なんとなく動きが重い。
来日したてなのか、あるいは、
ボルドーでゆったりめの音楽で踊っているのか。
(パリ・オペはゆったりな音楽だよねえ)
昨年の「ドン・キ」のイメージが強いもんで、
それに比べると、精彩に欠けるように思いました。
今年だけ見れば良いデキなのかあ。わからん。
「夢の場面」も華やかさではエフセーエワに負けていた。
32回転は全部シングル。
扇の使い方も良いんだけどねえ。
なんか、物足りない。

ファジェーエフも、普通に見れば素晴らしいんだろうけど、
「キーロフの」という肩書きからすると
「もう少し頑張りましょう」だな。
1幕のヴァリのラスト、ポーズが止めきれずに動いちゃったり
小ミス多し。
それが、「『ドン・キ』はコレくらい元気がある方がいいのよ!」
と言えるような勢いはそれほどないので、
もうちょっと・・・、と思っちゃうの。
バジルにしては端正すぎるようにも思う。
王子様を見てみたいなあ。
サポートは、彼自身がダメなのか、
クチュルクと息が合っていないかは、わからんです。

ペアとして、悪くはない。良い方だと思う。
けど。
「素晴らしく良い」を期待したらハズレ、ってカンジです。

エスパーダのシヴァコフは
来てますよ!
気障っぷりが板に付いている。楽しい。とっても楽しい。
そりゃ、技術もいいんですけどね。
ちゃんと、彼オリジナルの「エスパーダ」が
舞台に存在しているのが嬉しいですなあ。
かっちょっええっっっっ!!
2・3幕の黒い衣装、
遠目だとインナーが黒レザーに見えたんだけど
似合いまくりでウハウハでした。

キホーテは(アレクセイ)マラーホフ。
本日一番の期待はずれでした。
ガマーシュなど、素晴らしい演技を披露してくれる方なのですが
キホーテは、普通に老騎士でした。
優雅で、そこそこ正常な神経と常識を持ち
肉体も頑強そうです。
普通に竜を
倒せそうです

ナントカと紙一重とか哲学的とか、そんな雰囲気とは無縁。

ガマーシュはポドショーノフ。彼のガマーシュはお初なんですが
とっても細かい演技バリバリで楽しかった!
どこにいても、なんかやっている。
それを受け止めるロレンツォのブレグバーゼも最高です!!
彼はこれが一番良い。好きっす。
サンチョのトルマチョフも、イイよねえ。
お姉さん達、なんでそんなに苛めるのよ~~。
可哀想だよ~~~。

大道の踊り子のヴィジェニナの髪は、今日は黒。
演目に合わせて染めているんでしょうか。
彼女は黒髪の方が似合うなあ。
大きい体をのびのびと使った踊りは
いつ見ても惚れ惚れ。

森の女王はエフセーエワ。
綺麗になったなあ。
白い衣装を着て輝いていました。
次は白鳥を観たいなあ。
キューピッドのシシコワは相変わらず可愛い。
忙しなくなりがちな踊りを
充分に余裕を持って踊ってますよね。
夢の場面のコールドには
ミリツェワ、コチュビラ、コシェレワ、ヴィジェニナなどが参加。
豪華すぎます。

酒場の場面。
踊りはないんだけど、ウェイター(?)のお兄さんの演技が
ものすごく良かった。
誰なんでしょう?
金髪を振り乱して、芝居しまくってました。

クリギン(父)は、いつもの闘牛士(黄)です。
髪を後ろにひっつめて、モミアゲ描き足し。
クリギン親子にヴェンシコフにチェスノコフと
金髪濃い系勢揃いでしたね。
眼福。


会場で、えらくイイ男がいるな、と思ったら
シャドルーヒンでした。
間近で見ると、髪の毛は普通だったわ(笑)
ってことは、隣の美女はシェスタコワよね。
金髪に戻っていました。


開演はかなり遅れて(招待券?引き替えが
開演5分前でも長蛇の列だったし)
2幕カーテンコール時に地震があったせいか
終演は21時半頃でした。

ええと。あと。気のせいかもしれないんだけど。
「夢の場面」の幕が上がる前に、
女性の笑い声・喋り声が響いていたように思いました。
音源は幕の内側のような。
スモークの焚かれ方が悪かったのかしら?


もひとつ。本日の敢闘賞。
オケの小太鼓さん。
パーカッションとしていくつもの楽器を
兼任しているみたいだけど
闘牛士が出てくる前の「街の皆さんの踊り」のところでは、
右手にカスタネットを打ち、
左手で撥を持って小太鼓を叩いていました。
両手カスタネットの時もノリノリで
見ていて楽しかったです。
3階席下手に座ると、わりと目に入る位置なんですよ。パーカス・エリア。




【配役】
キトリ:クチュルク
バジル:ファジェーエフ
ドン・キホーテ:マラーホフ
サンチョ・パンサ:トルマチョフ
ロレンツォ:ブレグバーゼ
ガマーシュ:ポドショーノフ
エスパーダ:シヴァコフ
大道の踊り子:ヴィジェニナ
メルセデス:ポリョフコ
森の女王:エフセーエワ
キューピッド:シシコワ
ファンダンゴ:クズネツォワ、チェスノコフ
ジプシー:モストヴァヤ、リャブコフ
キトリの友達:ロバノワ、ガルネツ
ヴァリエーション:コチュビラ、コシェレワ
3人の踊り:スホワ、カミロワ、フィルソワ
4人の踊り:コチュビラ、エゴロワ、マカロワ、カシチェーワ

指揮:アニハーノフ
コメント
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