きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「関心領域」

2024年05月25日 | 映画


予告で見たとおり、
アウシュヴィッツ収容所の隣の司令官宅で
上流家庭の姿が淡々と描かれる。

隣から聞こえてくる大声、
なんと言っているのか、
怒号なのか掛け声なのか、
はっきりとはわからない声が
隣の家にも聞こえてくるが
司令官家族も使用人もまったく気にしない。
銃声、猛々しく犬が吠えている、
それらは物理的に聞こえていても
心には全く響いていない。

ユダヤ人の私物を召し上げ再分配することにも
疑問はない。
「歯磨き粉にダイヤを隠していた。
 (これがそのダイヤ)」
のように、当然のことのように話す。
しかし、悪魔のように怖いのではない。
普通の人の普通の会話。

隣とは、いろんな面で距離がある。

ときどき挟まれる白黒の映像や「詩」から、
隣と繋がる者がいるのも示唆される。

やがて、移送人数が大幅に増えることが通達され、
収容所の煙突から出る煙も太くなる。

淡々と進む話が恐ろしく。
この恐ろしさは映画ならでは。


彼らは特異な残虐者ではなく、普通の市民。
私たちとどこが違うのか。
私があの家族の一員だったら
隣を気にかけるのだろうか。


という感想も、もちろんあるんだけど。
司令官の髪型も気になりすぎて。
そこだけフサフサ?
刈り上げ部分、広すぎない???
の気持ちが常にどこかにあって。
のちに、ドイツでの会議場面で見分けるのが楽で、
このためだったのか!と思うけど違うよね、も
なんだかグルグル。
史実どおりらしいんだけど。

司令官でも、ドイツ本国ではトップというわけではない。
階層、たくさん。
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