きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ジゼル」沖&柄本/東京バレエ団

2021年02月26日 | バレエ・ダンス


1幕。
ペザントの衣装が変わった!
色分けは同じなんだけど、
女性陣は岡田色から荻田色。
男性は白ブラウスに赤系or緑系のベストで
タイツが白かベージュか?だった?
よこぞここまでのマイナーチェンジ。

弾くんは、やっぱり、
水香ちゃん相手じゃない方が
しっかり自分の演技ができるのかな。
登場したときからノーブルで、
あきらかに村人じゃなかった。
異質感がちゃんとあった。

沖さんは遠目だと吉岡さんを思い出す。
狂乱は魂が身体から抜けたようだった。
芝居は良いけど、踊りがなんか足りない?
なんだろう。元気になりすぎないよう、
控えめな踊りを目指して、
1歩踏み出すところが、
0.75歩になっているような?

笛が鳴ったとき、アルブレヒトが、
ああ、このときが来てしまった、
という表情が良かった。
諦めでも抗いでもなく、
ああ、というかんじ。
バチルドの手にキスをしようとする前に、
ジゼルをしっかり見る。
じゃあ、僕は、行くよ、かな。

政本さんのバチルドは華やかではないけど、
善良そうだった。

宮川さんのヒラリオンもいいよ!
良い意味で、うざくて、小物感。情
熱はあるけど、ジゼルはこちらは選ばないよな、の説得力。
空回りはしてないんだ。
髭も似合っている。


2幕。
沖さんは浮遊感たっぷりに、
精霊としての芝居をしつつ、
活き活きと踊っていた。
1幕は2幕との対比のための控えめの踊りだったのか、
初日だからだったのか。
芝居と、真ん中で踊る押し出しを両立させるのは難しいかな。

演出なのか今日の二人のバージョンかは不明だけど、
ラストはアルブレヒトがマントを片手に去っていく、
ということは、2幕はアルブレヒトの夢なのかなあ、と思う。
だから、ジゼルは精霊というより死者なのかも。
人間の暖かさが薄かったように私は思いました。

柄本アルブレヒト、立ち去ってはいないか。
佇んで、で終わりか。
現実世界に戻ったかんじだった。

二人の踊りは息がピッタリで、
沖さんは体重を感じさせない浮遊感。
物語はあんまり私の好みじゃなかったけど、
二人の踊りは見応えがありました。

伝田さんは一人で踊っているときは幽玄。
精霊たちが出てからは統率者的。
群舞は凄みまではいかないけど、
雰囲気の出し方は良かった。

宮川さんは前髪とかかな、
いつものキリッとした感じがなくて、
翻弄され殺される男が似合っていた。
踊りの見せ場もやりすぎず、
物語の中でもがいていた。

伝田さんには井脇さん、
三雲さんには佐野さんの面影を感じ、
東バ、なんだなあ、と。
物語は出演者で変わっても、
団のベースは変わらないんだな、と。


【配役等】
ジゼル:沖香菜子
アルブレヒト:柄本弾
ヒラリオン:宮川新大

バチルド姫:政本絵美
公爵:ブラウリオ・アルバレス
ウィルフリード:南江祐生
ジゼルの母:奈良春夏

ペザントの踊り(パ・ド・ユイット):
 金子仁美-樋口祐輝、中川美雪-生方隆之介、
 涌田美紀-池本祥真、足立真里亜-大塚卓


ジゼルの友人(パ・ド・シス):
 二瓶加奈子、三雲友里加、加藤くるみ、
 榊優美枝、菊池彩美、花形悠月

ミルタ:伝田陽美
ドゥ・ウィリ:二瓶加奈子、三雲友里加

指揮:井田勝大
演奏:東京交響楽団
コメント
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