きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「海の夫人」

2015年05月29日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)


ノルウェーの田舎の海岸の灯台守の娘エリーダは
初老の男の後妻に入った。
優しい夫に守られ、義理の娘達とギクシャクしながら
かつての恋を思い出す。
彼は自分を新天地に連れて行ってくれると言った。
行きたい、でも・・・。
悶々とする日々。

最初は麻美さんほど強い女性がなにを悩む、と
先入観混じりで見ていたけど、
あれほど強い自我を持っていても
女性は自ら檻を作ってしまうんだな。
その檻を壊す手伝いをするのが男性なのは
皮肉と捉えるべきなのか、
男女は関係ないと思うべきなのか。

私の解釈の違いなら申し訳ないんだけど
「女性解放」をネタにすると、
そればかりを声高に唱えることが多いけど
長女のように旧来の制度の中に生きるのを
「自分の意思」で選ぶ道を提示しているのが
すごくいいと思った。
「女とはこうあるべき」ではなく
誰もが自由に選択できる、というのがいいんだ。

次女が継母と折り合えなかったのも
父が全ての決定権を持っていたからなのかも。
そこを抜け出して、自分の意思で、継母を認める。
前半で彼女は、まだ若い青年の命が長くないことに
「ドキドキする」と言う。
少女特有の残酷さかと思ったけど、
様々な呪縛から逃れられるという面の「死」への憧れなのかも。

あっくんの彫刻家は若いのに一番頭が固く、
旧体制のありかたに疑問を持つことすらない。
「女は男より劣っているのですから」と爽やかに言うのも
この時代の常識を素直に言っているのだとわかるので腹が立たない。
いろんな土地を自由に行き来し、
職業すら定まらない若者なのにね。
否定を繰り返す登場人物が多い中、
全肯定のポジティブシンキング。
空気を読まない不思議くんを上手く自然に作っていた。


寝不足で臨んだため、ちょっとウトウトしてしまったので(ごめんなさい)
話を読み切れていない部分もあるかと思いますが、
ご容赦くださいませませ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする