きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「くるみ割り人形」ダン&カラン/オーストラリア・バレエ団

2010年10月15日 | バレエ・ダンス
なんだか、映画を見ているようだった。
おとぎ話とリアルな女性の一生が交わっていた。

嵐が来て恋人達は去る。
バレフェスでその部分だけ観たときは
夕立が来た、ぐらいだと思っていた。
ただの天気のことだと思っていた。
でも、あれは、「革命」という嵐の前兆だったんだな。

私が、いま、こんなにバレエを観られるのは
パヴロワ達が世界を巡って踊ったから。
その種は各地に根付き、芽を出し、花を咲かせている。
彼女が現役の時代、
ロシア・バレエ隆盛の時代に
ロシア革命が起きなかったら、
どうなっていたのだろうか。
「ロシア・スタイルのバレエの流出」はあったのだろうか。
帝政ロシアが続く方が、
彼女たちには幸せだったのだろうか。

そんな気持ちも込み上げる。

話はわかりやすい。
古典の改編はあんまり好きじゃないんだけど
マーフィー版はどれも素直に観られる。
たぶん、振付が好みなんだろうなあ。
息継ぎするタイミングが同じみたいな。

カーテンコールの時に出てきたのがマーフィーなのかな。
マイヨーをさらに女性的にした雰囲気だった。

激動の時代と重なる女性の一生。
よくこんな物語を構築できたなあ。

そして、やっぱり衣装がいいんだ。
制服マニア、軍服マニア必見。

年老いたクララの友人達は
リアルにご年配の方々なのかな。
子供もたくさん出てくるし、
老若男女取り混ぜて出演はバレエには珍しいよね。
バレエの枠を越え演劇寄りになっているのは
そのあたりもあるのかな。

前回の「白鳥」の時に
オーストラリア・バレエ団のダンサーは横並び、的なことを書いたけど
こうして観ると、ダンは華やかだ。
年老いたクララのジョーンズも素晴らしかった。
彼女の演技には随所で泣かされた。
カランは、軍服が似合うのはわかっていたけど
眼鏡の医者も似合っていた。
オーストラリア、隠し球多すぎ。

群舞も楽しかったなあ。
揃わなくてもいいのだ!


【配役】
年老いたクララ:マリリン・ジョーンズ
クララ、バレリーナ:ルシンダ・ダン
子ども時代のクララ:柴平くるみ

ロシア人たち:
 オードリー・ニコルズ、キャスリーン・ゲルダード、シェーン・キャロル、
 コリン・ピーズリー、ロバート・オルプ、フランク・レオ、アンドリス・トッペ
医師/恋人の将校: ロバート・カラン

バレエ教師:コリン・ピーズリー
バレエ学校校長:アンドリス・トッペ
将校:アンドリュー・キリアン、ティ・キング=ウォール
クララの友人:アンバー・スコット、ラナ・ジョーンズ
ニコライ皇帝、アレクサンドラ皇后:ベン・デイヴィス、ローラ・トン
大公妃たち:
  ジュリエット・バーネット、エイミー・ハリス、
  キスメット・ボーン、ジーナ・ブレッシャニーニ
皇帝の護衛隊:
 ブレット・サイモン、アンドリュー・ライト、ジャリド・マッデン、ギャリー・ストックス

"くるみ割り人形"-王子、クララ:ルディ・ホークス、ルシンダ・ダン
スペイン:ジーナ・ブレッシャニーニ、ジュリエット・バーネット、久保田美和子、
マシュー・ドネリー、ダニエル・ゴーディエロ
エジプト:
 ジャリド・マッデン、ジョン=ポール・イダジャク、ミッチェル・レイナー、
 ジェイコブ・ソーファー、アンドリュー・ライト、ノア・ガンバート、ジャ・イン・ドゥ
オーストラリアの水兵たち:
 ツ・チャオ・チョウ、ケヴィン・ジャクソン、チェンウ・グオ、
 ジャ・イン・ドゥ、ジェイコブ・ソーファー、マシュー・ドネリー


指揮:ニコレット・フレイヨン
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
合唱:江東少年少女合唱団

協力:東京バレエ学校

振付:グレアム・マーフィー
共同製作:ジャネット・ヴァーノン
構成:グレアム・マーフィー、クリスティアン・フレドリクソン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
装置・衣裳:クリスティアン・フレドリクソン
照明:ジョン・ドゥルモンド・モンゴメリー
映像コラージュ:フィリップ・シャールエット


◆上演時間◆
【第1幕】 18:30-19:25
休憩 25分
【第2幕】 19:50-20:50
コメント
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