きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「白鳥の湖」ロホ&ボネッリ/東京バレエ団

2009年08月06日 | バレエ・ダンス
ロホは、踊りはともかく、体型はあまり好きじゃない。
ボネッリも、見たことがあるはずだけど、よく思い出せない。
そんなイメージで行きました。
ほぼイメージ通りでした。

ロホの白鳥は、私の理想からすると、
体系的にイマイチ。
胴回りが厚すぎるとか、腕とか首とかが長くないとか。
ちょっと顔が大きめとか。
2幕は、とにかく白いチュチュがあまり似合っていなくて、
う~ん・・・・・・・・・・、と思って見てました。
最後に、夜明けに白鳥に戻ったときの背中が
一瞬にして「人間でないもの」になったので
そこはシビれた。
4幕での演技はとてもクリアで、
あの体型でも(ごめんね)、
狸寝入りには、まったく見えなかった。
 ←ギエムの時は狸寝入りで、勝った方につくぞ!としか見えなかった。
裏切られた辛さとか、人間に戻れた喜びとか
明確に伝わってきた。
演技がある方がいいな。
黒鳥は、もう、素晴らしいとしか言いようがない。
回ったり跳んだりするけど、
ものすごく安定感がある。
回転もダブル以上、トリプルが多かった?フォースもあった??
技術だけではなく、とにかく艶やか。
王子でなくても引き込まれちゃう。

ボネッリは、2幕までは、悪くはないけど、
地味というか、華がないというか。
王子らしい品はあるんだけど。
でも3幕を見ると、ロホの相手としてはいいんだろうな、と思った。
彼女が思いっきり踊るのをとてもうまくサポートしていた。
4幕ではうってかわって、熱く踊っていた。
オデットへの滾る情熱で戦っていた。
最後は盛り上がったわー。

ロットバルトは木村さん。
元気に、張り切って踊ってました。
3幕はツノ兜&あごヒゲ。
オディールも気になるが、こっちも気になって
眼がたくさん欲しかった。
カーテンコールでは、マスク越しでも
満面の笑みなのがわかった。

道化の松下くんも良かったです。
軽やかで、どの動きも、踊りのための踊りではなく
道化の動きの一環になっていて
とても自然でした。
可愛かったよ~。

パ・ド・トロワも綺麗だった。

3羽の白鳥の中では
高木さんがいちばん良かったな。
オデットの経験が活きているのかな。
田中さんの「地味」は、すでに「個性」に達したかも。
奈良さんにも、なにかひとつでもいいから
「色」があればなあ。
それはスペインでも思った。

スペインの男性は後藤くん(白)と平野さん(黒)。
平野さんの足先は綺麗だった。

マズルカの山本さんの目線の入れ方が
とてもかっこよかった!

久々に、夏の暑さに疲れた身体で見ると
2幕のフォーメーションは、やっぱりヘンだ。


あと、オケがものすごく悪かった。
管なんて、ひっくり返る以前だ。
3幕ロットバルトの登場の時なんか
ひどい、なんてもんじゃなかった。
ヒョロ~~、みたいな、力のなさ過ぎる音でハズした。
会場の空気がちょっと揺らいだよ。
バレエの演奏って、オーケストラにとっては魅力がないらしいけど
それでも、バレエがきっかけで演奏会に行く人だっていると思うのよ。
キャスト表にも団体名が載るんだから
もっとプロ意識を持って仕事に臨んで欲しい。


主な配役
オデット/オディール:タマラ・ロホ
ジークフリート王子:フェデリコ・ボネッリ
王妃:松浦真理絵
悪魔ロットバルト:木村和夫
道化:松下裕次

家庭教師: 野辺誠治
パ・ド・トロワ:高村順子-佐伯知香-長瀬直義
ワルツ(ソリスト):西村真由美、乾友子、吉川留衣、矢島まい、渡辺理恵、川島麻実子

四羽の白鳥:森志織、福田ゆかり、岸本夏未、阪井麻美
三羽の白鳥:高木綾、奈良春夏、田中結子

司会者:永田雄大
チャルダッシュ
(第1ソリスト):乾友子-長瀬直義
(第2ソリスト):森志織、福田ゆかり、高橋竜太、氷室友
ナポリ(ソリスト): 高村順子-松下裕次
マズルカ(ソリスト): 田中結子、山本亜弓、横内国弘、野辺誠治
花嫁候補たち:西村真由美、佐伯知香、村上美香、岸本夏未、渡辺理恵、川島麻実子、大塚玲衣
スペイン:高木綾、奈良春夏、後藤晴雄、平野玲

指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

終演後に友人達と話していて。
私としては、高木さんが華やかになってきたし
松下君も軽やかに踊っていたしで
なかなか良い舞台だったよな~、思っていたけど
普段東バを見ない友人達からは
「それほどでも」的な感想だった。
好きなあまり、いろんなところのハードルが低くなっているのかしら、私。
まー、その方が楽しいけど。
コメント
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