きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「プシケとゼウス」

2009年05月14日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)
オリンポスの麓に住む姉妹、プシケとマレーネ。
パーンが夜明けを告げる笛を吹くとゼウスが現れ歌い、
その歌に合わせ、プシケは踊る。
マレーネは姉のように、ゼウスに踊りを奉納することを夢見ていた。
ゼウスは美しいプシケに惹かれていく。
それを快く思わないパーンは、プシケに一輪の花を渡し、
それを持って踊るように言う。
しかし、それはゼウスが大切に育てている花だった。
怒ったゼウスにより、プシケは、
恋人アポロンもいる光の世界から追放され
闇の世界に落とされる。
闇の世界を支配するのは、破壊の神・バッカス。
プシケはバッカスの花嫁となってしまうのか・・・。

ギリシャ神話の神々が出てきますが、
いわゆる「プシケの物語」と微妙に話が違います。
バッカスって酒の神様じゃないか?とか
いろいろ思っても、それは無視して。

誤解や苦難があっても、
希望を捨てなければ真実の愛は成就する、
って話でしょうか。

そういう甘いお話もあるにはありますが。。。

ダンスコンサート、という面では
いや、もう、すごい舞台でした。
プシケのヤンさんは、
 ・恋する乙女の踊り
 ・偉大なる神に捧げる踊り
 ・追放された苦しみの踊り
 ・絶望に苦しむ踊り
 ・闇に心を捕らわれた官能的な踊り
と、いろいろと踊りますが
どれも見事に踊りわけています。
美しくて、優雅で、迫力がありました。
しかし、細いな~~。

プシケの恋人・アポロンは元東京バレエ団の後藤和雄さん。
後藤(和)さんをこんな間近で見るとはなー。
青山円形劇場の前から2列目って、
舞台に手が届きそうな近さなんですよ。
そんな場所で後藤(和)さんの踊りを堪能。
手足が実に美しく伸びます。
舞台が狭く感じられます。
・・・東バに残ってたらソロルは確実だったよなあ、とか
さまざまな雑念がちょいと入りながら見てました。
ごめんなさい。
高岸さんがいたから、後藤さん(和)さんって
大きい(背が高い)ってイメージはあんまりなかったんだけど
ヤンさんが腕の中にすっぽり入っちゃうんだから
記憶より大柄なのかしら。

そして、バッカスの大貫勇輔さん。
すんごい踊りでした。
ちょっとした動作が、「人間じゃない」というか
「人外」というのか。
いちおうギリシャ神話の神の名前がついていますが
イメージとしては「鬼」です。
清らかなものを喰らい、破壊する。
踊りの技術も、それはそれは素晴らしいのですが、
なによりも存在感がハンパじゃない!!!
大迫力でした。

後藤(和)さんと大貫さんのダンス対決の場面もありました。
白と黒。
光と闇。
ぶつかり合うエネルギーに
ノックアウトされつつ、
目を離すことができません。

ゼウスは、オペラ歌手の吉武大地さん。
滋味溢れるステキな歌声です。
個人的には、ヒゲがツボでした。
(ミーハーですいません)
チラシの写真等では、いまどきの若い人、
ってイメージだったんですが
舞台で歌う姿は威厳に溢れていました。
プシケへの思いを語る場面は優しく
それだけ感情が豊かだからこそ
怒りの度合いも激しいんだろうなあ、と
感じさせるゼウス様でした。

パーンの樋田さんは、軽々とした踊り。
パーンの、いたずらっ子のイメージが良く出ていました。
アンサンブルの皆様の踊りも良かったです。

キーボード、ドラムス、バイオリンの生演奏も
臨場感がありとても良かったです。

ただ、オチは、アレでいいのか?
マレーネが「私もあんな恋人が欲しいなあ」って
なまじダンスや歌に迫力があったぶん
話がそれらにそぐわないような気がしました。
でも、こういう甘さで中和するぐらいの方が
いいんでしょうかねえ。

余談ですが、ヤンさんには
オサちゃんやあさこちゃんから
お花が入っていました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする