きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「この森で、天使はバスを降りた」

2009年05月07日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)
刑務所から仮釈放されたパーシーは
ウィスコンシンの田舎町・ギリアドに来た。
夜中にバスを降りた彼女は
町唯一の食堂「スピットファイア・グリル」で働くことになる。
食堂の経営者のハンナは気むずかしい老女、
ハンナの甥・ケイレブは「男」である自分の矜持を保つため
妻のシェルビーを抑圧する。
閉塞感溢れる町が、パーシーによって
徐々に変わっていく・・・

もとの映画が好きなので
舞台化(ミュージカル化)と聞いて
行きたいような行きたくないような気持ちでしたが
ウタコさん出演に背中を押されました。

パーシー役の大塚ちひろちゃんは
時々(彼女にしては)汚い言葉を使うけど
映画のアリソン・エリオットほどやさぐれ感はなく
普通のお嬢さんだった。
まあ、それは想定内だからいいんだけど。
シェルビー役の土居さんがとても良かった!
おどおどして、夫に従うしかなかったエフィが
パーシーやハンナを手伝うことにより
どんどん「自分」を確立していく。
だからといって「自分」を無くすわけではない。
彼女の包容力は、パーシーの魂の支えになる、
その辺りが実に明確に演じていて、
なおかつ美しい歌声で、素晴らしい!と言うほかない。
ウタコさんのハンナは、意固地で
でも傷をかかえていて、、、
フィルターをかけちゃう自分をどうかと思うけど
やっぱり元男役だからこその力強さがあったと思います。
イメージ通りのハンナでした。
(大浦さんは好きだし降板は残念だけど
 私のハンナのイメージでは無かったの)

保安官役の藤岡さんは歌声がとても綺麗だった。
ファンも多いみたい。
宮川さんも、妻や土地は愛しているけど
横暴な夫をうまく演じていました。

1幕は、映画版が好きな私でも
なかなか納得、だったんですが、
ラストが・・・・・・
映画と違う、ってのは聞いていたし
映画とまったく同じに作れとは言わない。


けどさ・・・

無駄に恋バナを入れて
最後は大団円って
宝塚か?
イケコか?

なんだか、ガックリ来ちまったよ。。。
エッセイ・コンクールだなんて
無駄に他人に夢を見させてさあ。
ただの人騒がせだよ、アンタ達。

映画が良かったのは
救いようのない悲劇の後に
ほんのり希望があるところだったんだけど。
それは舞台で再現は難しいとは思っていたけど。
こう来るとはなー。
なんで、こんな単純な話にしちゃったんだろう。

脱力感でいっぱいです。

このオチで、彼女を「天使」とするのは
あまりにもひどすぎる。


芝居を見て、なんだかなー、と思った人は
映画を見てみてください。
DVDが、いまなら980円です。
この森で、天使はバスを降りた [DVD]
「私は、なにも知らなかったのです」
(って意味の言葉だったと思うけど、、、
 確認する時間がありません。不確かなのに書いちゃってすいません)
この言葉を言うのに、どれだけ勇気がいることか。
自分の間違いと向き合うことができれば
先へ進むことができる。
それも作品の主題の一つだと思うんだけどね。


18時半開演で、終演予定は21時5分。
本日初めて後方席(18列)に座りましたが
とっても見やすかった!
段差があるのがいいです。
コメント
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