きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「プロテージ/偽りの絆」

2009年05月06日 | 映画
香港でヘロイン密売を牛耳るクァン。
年齢的なことと持病のことから
彼は弟分のニックに、すべてを譲ろうと考えていた。
だが、ニックは実は潜入捜査で組織に入り込んだ警官だった。

アンディ・ラウ、ダニエル・ウー、アニタ・ユンの
豪華共演香港ノワール。
前半部では、アンディがショボい初老の男に見えて
あー、ついにこういう役が来たのか、
と、ちょいとショックでしたが、
後半には、一大組織の首領の顔を覗かせ
大物感漂う芝居には、もうひれ伏すしかないっす。
自分の年齢・病気以外にも、
ヘロイン市場は他の薬物に取って代わられ衰退傾向、
生産地の三角地帯もやがて観光地になるだろう、
様々な環境が「終わり」に近づきつつある中で
アンディ演じるクァンは、もがきながらも
先に進もうとします。
ヘロインは毒じゃない。
タバコだって健康に悪い。
それと同じで、手を出す方が悪い。
売ったことにより廃人になる人がいても
それは自分には関係ない。
クァンは言い切ります。

ダニエル演じるニックは、
彼や彼の家族や仲間達を裏切りつつ
隣人の子連れの女性がヘロイン中毒で
逃げた夫に捕まり食い物にされているのを見て
「麻薬」というものにいろいろな思いを抱きます。

潜入捜査モノ、という
騙し騙されの部分も緊迫していますが、
この、「麻薬」に関する意見、とでもいうのかな、
監督さんの強い意志を感じました。

新旧スター対決の部分もありますが
どちらとも一歩も引かない演技です。
アンディは白髪交じりでもカッコイイ。
ダニエルは、いい身体してるよねー。ハンサムだしー。
二人の並びは大画面で見るとウハウハです。

ちょいとグロシーンもありますが
単館上映なのがもったいない!
もっと広く公開してもいいのになー、と思いました。
「新宿インシデント」公開記念なんだよね。
ジャッキー人気にあやかって
アンディ&ダニエルを拝めたんだから
感謝しないといけないかなー。
現題は「門徒」。
その方がしっくりくるなー。
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「エンプレス」

2009年05月06日 | 映画
燕の国。
王は戦いの中、倒れる。
王は遺言で将軍の雪虎を後継者に任命する。
王の甥(たぶん直系男子の中では一番王に近い)は
自分こそが王位を継ぐべきだと言うが
雪虎は、王女の飛児を後継者とし、
自分が補佐をすると宣言、それが側近達に指示される。
王女は後継者として剣の技を磨くが
王の甥は王女を暗殺しようと試みる。
王女の危ういところを助けたのは
かつて「最強の戦士」と呼ばれた男だった。

まー。
なんだ。
サブタイトルは
に、しちゃえよ!
というくらい、
見ているのが気恥ずかしくなる映画でした。
人里離れて暮らす元戦士。
そこで二人はラブラブに、って
いったいいつの映画だよ・・・・・・・、と
あまりにもありすぎる設定に唖然としちゃったよ。
出演者は、ケリー・チャンにドニー・イェンにレオン・ライ。
無駄に豪華。
ってか、豪華だから、この話でも成り立つか。

お目当てはドニーでした。
アクションはそれほどないけど
コスプレだけでもいいかー、と。
スクリーンで見られる、それだけでいいのよーん。
王女を守る役と、王女に恋される役。
彼には前者しか振られないんだよねー。
たまに後者が来ないかなー。
誰かに微妙に似ている、誰だっけ、
前に私は誰に似ていると思ったんだっけ?
加藤剛、じゃないよな、と思って
自分が書いた昔の感想を読んだら
ベースは林家たい平、目元は市川雷蔵って書いてた。
その通りだな。
ケリー・チャンって意外と寄り目なのは大発見だった。
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「チェイサー」

2009年05月06日 | 映画
元刑事でいまはデリヘルの元締めのジュンホは
同じ客に呼び出された女が二人失踪したのは、
その客が女達の「支度金」を巻き上げた上、
別の組織に売ったのではないかと疑う。
同じ客から3度目の電話が来たため、
ジュンホはミジンを派遣し、
客の居所・素性を確かめようとする。
しかし、その客は、、、

自分の「手持ち」の女が次々と消えたとき、
疑うのはあくまでも「支度金の持ち逃げ」。
最初から連続殺人なんて、誰も思わないよねー。
そういう「普通の感覚」が示されるからこそ、
シリアルキラーの異常さが浮き彫りにされるのかな。
追いつ追われつ、追い詰めた、と思ったら逃げられる。
逃げ切った、と思ったら、再び捕まる。
肉体的な追いかけっこも、
精神的な心理戦も、
緊迫感があり、いつでもドキドキハラハラでした。

韓国の映画って、どうしてあんなに殴って血を出して顔を腫らすのかしら。
「ボコる」レベルが日本とは違うんだよねー。
あれくらい、日常茶飯事なのかしら。

ハリウッドがこの映画のリメイクの権利を買ったそうです。
ハリウッドだとハッピーエンドになっちゃいそうだねえ。

ジュンホ役のキム・ユンソクは
椎名桔平ちゃんを、もうちょい丸顔にしたようなカンジかしら。
元刑事、という設定が途中で、
「<副業>に精を出したからクビになった」から
というのがわかるのですが、
それがものすごく頷けました。
なによりも金が優先、
金儲けの道具にしか過ぎない女達からは
「ゴミ」と呼ばれる、
そんなジュンホの、
ダメ人間ぶりが滲み出る見事な演技です。
同時に、「客」を追い詰める執念、判断力は
元刑事だからこそなんだろうな、とも
納得させてくれます。
「客」役のハ・ジョンウは、
いっけん穏やかに見え、
近所のおばちゃんからも信頼されている。
その外見が、かえって恐く見えました。

ジュンホの手下も、いかにもマヌケ、って顔だったなあ。

実話を元にしたそうで、
だからこそ、最後はああするしかなかったんだろうなあ。
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