きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ラ・バヤデール」グラチョーワ&ネポロージニー&アラシュ/ロシア国立ボリショイ・バレエ団

2006年05月07日 | バレエ・ダンス
 グラチョーワのニキヤは、やっぱり好きだな。腕の使い方とか。上体の反らし方とか。音楽を十分に使い切って、うね~~~っとするところが好きなの。どこか諦念が漂っている風情も、なんとも言えない。ソロルは好きだけれども、身分違いも承知していた部分もあったのかも。諦めていたけれど、ソロルに背を向けられた瞬間、諦めを捨て、それゆえに死を選んだのかもなあ、とか、また話を勝手に作るワタシ。それがあるから「影の王国」の場面が白くて神々しいのかも。「人間」から「違う世界の住人」になったのかもね。ソロルを許すけれども、ソロルと共に歩めない存在になっちゃったのよ、と。技術的にも素晴らしいんじゃないかな。あんな長いベールなのに揺るがないんだよね。
 ネポロージニーは、見慣れてくると確かに王子様だ。名門戦士の家系ってだけで、本人は戦士じゃないかも。虎を狩っていないし(笑)、狩の誘いを断っても(本当はニキヤに会うためだけど)誰も不審には思わないのだな。なんか、そういう人なのかも。だから優柔不断さが似合うのかも。今日も長身を生かしきった踊り。まっすぐな手足、高く正確なジャンプ。でも、もうちょっと仰け反るようにと心の中でダメ出しをしちゃうわ。そういう人が原点だから。ごめんね。
 アラシュは、ごくごく普通に「いいところのお嬢様」。アレクサンドロワほどの迫力はないけれど、親に甘やかされて育ったんだなあ、と。自分のことしか考えていないとしても、それはお嬢様だから仕方がないのだ。ちょっと歯が気になるけれど、品の良いお嬢様でした。ニキヤを見ていたのでガムザッティはどうかと思ったけれど、こちらの方が似合っているかも。アレクサンドロワは、ちょっとアムネリスが入ってたよなあ。そこも好きだったけど。アラシュのガムザッティは、蛇を仕込んだ共犯者。ソロルが責めても、「そうよ、どこがいけないの?」と言い返す表情。彼女からすれば当たり前。恋敵を葬る、というよりも、お仕置きなんだろうなあ。でも藩主の娘とバヤデールだから、軽いお仕置きも、イコール、死、なんだよな。そういう世界の人に見込まれちゃったからこそ、ソロルだって逆らえないのだわよ。仕方がないわね。衣装はアレクサンドロワと同じかな?ソロルと同じ薄い紫色。シプリナは水色でした。みんな違うのかしら?

 今日はボリショイ「バヤ」を初めて一階席で観ました。男性陣のジャンプ力のすごさにビックリ。特に黄金の仏像。脚が真横だよ。なのにあんなに高く跳んでいるよ。う~ん、感動。ボロティン自体も彫像のような身体だった。

 壷の踊りは、踊り手自体は悪くないんだけど、観ていてとってもイライラする。あの壷を奪い取って、床に叩ききつけたくなるのは私だけ?

 いつも気になったところ。パ・ダクシオンじゃないほうの、茶色系の4人の女性の踊り。いつも揃っていなかった。特にラストが不揃いだった。拍手がなかなか出ないのも道理なのだ。「影の王国」の群舞、床に降りきって8×4に並んだところの最前列最上手の人が、いつもグラグラしていた。
 
 オケが、イマイチなんだよなあ。音自体は合っていても、「『ラ・バヤデール』の世界を構築する」要素ではないんだよなあ。入場料が高くても、座付きオケがいいなあ。マールイは、多分だけれども、演奏者が、いま出している音がどういう場面でどういう気持ちを表しているのかを、ちゃんと承知しているように思えるんだよね。キーロフの時はヴァイオリンのソロが涙が出るほど美しく神々しかった。ああいう音があればなあ、と、3回とも思いました。



ニキヤ:ナデジダ・グラチョーワ
ドゥグマンタ:アレクセイ・ロパレヴィチ
ガムザッティ:マリーヤ・アラシュ
ソロル:ウラジーミル・ネポロージニー
大僧正:アンドレイ・スィトニコフ
トロラグワ:ヴィタリー・ミハイロフ
奴隷:キリール・ニキーチン
マグダヴェーヤ:ヤン・ゴドフスキー
アイヤ:エウゲニア・ヴォロチコワ
ジャンペ:
  ジュ・ユン・ペ、スヴェトラーナ・グニェドワ、スヴェトラーナ・パヴロワ、
  アナスタシア・スタシケーヴィチ、アナスタシア・クルコワ、ユリア・ルンキナ
パ・ダクシオン:
  ユリア・グレベンシュチコワ、オリガ・ステブレツォワ、ヴィクトリア・オシポワ、
  アンナ・ニクーリナ、パーヴェル・ドミトリチェンコ、エゴール・クロムシン
太鼓の踊り:アナスタシア・ヤツェンコ、ヴィタリー・ビクティミロフ、
デニス・メドヴェージェフ
黄金の仏像の踊り:アンドレイ・ボロティン
マヌー(壷の踊り):アンナ・レベツカヤ
影の王国 第1ヴァリエーション:エカテリーナ・クリサノワ
     第2ヴァリエーション:ナターリヤ・オシポワ
     第3ヴァリエーション:ネリ・コバヒゼ

指揮:パーヴェル・クリニチェフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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