きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

東京バレエ団「上野水香オン・ステージ」横須賀公演

2024年03月31日 | バレエ・ダンス




― 第1部 ―
「白鳥の湖」第2幕より
振付:レフ・イワーノフ
音楽:ピョートル・チャイコフスキー

オデット:上野水香
ジークフリート王子:厚地康雄
ロットバルト:岡﨑 司
四羽の白鳥:金子仁美、涌田美紀、足立真里亜、安西くるみ
三羽の白鳥:加藤くるみ、髙浦由美子、橋谷美香


白鳥第2幕はロットバルトのソロから。
ブルメイステル版だけど装置ではなく、旧版の踊り。
なんだか懐かしい。
ただ岡崎さんには貫禄も悪意もなく、たんなる若手ソロ枠。
惜しいような、こういうときに若手を使うのは正解なような。

水香ちゃんは、美しい!
ただその一言。
動きは丁寧で、なおかつ芝居も綺麗に乗ってる。
ソロでも王子が下手にいるので、
彼に気持ちが向いているのがよくわかる。
まだまだいけるよ、全幕が見たいよ。

厚地さんは踊りはないけど佇まいに気品があり、
水香ちゃんとの体格のバランスが良い。
サポート完璧。

4羽、3羽も、群舞も、ひたすら美しい。
この短い時間は、完全に別世界だった。
いまのガラがこれなら、
4月末の全幕はどんだけのレベルになるのか。
楽しみ!


― 第2部 ―
「ドン・キホーテ」より抜粋
振付:ウラジミール・ワシーリエフ(マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴールスキーによる)
音楽:レオン・ミンクス

キトリ:秋山 瑛
バジル:生方隆之介
メルセデス:伝田陽美
エスパーダ:安村圭太
2人のキトリの友人 ヴァリエーション1:三雲友里加
          ヴァリエーション2:平木菜子


秋山さんの32回転、後半は1/4ずつ着地を変えて行くアレのような?

秋山さんと生方さんのペアは慣れてきたのか安定感マシマシ。
リフトも秋山さんは180度綺麗に脚を開き、
生方さんは片手でブレなし。
2人の体格バランスも良いね。

エスパーダは安村さん!
やったー!
濃い〜。
カテコのニッコリ😄笑顔も良い〜。
伝田さんも濃くて華やか。
こちらも良いバランス。

三雲さんのふんわり、
平木さんの、なんというの、ガッツリ?かな、
個性の違いが楽しいね。


「Nocturne for Three」
振付:ブラウリオ・アルバレス
音楽:フレデリック・ショパン(ミルシテイン編)

上野水香、厚地康雄、ブラウリオ・アルバレス


この流れに入れるのはどうかな、とも思うし、
新しい水香ちゃんを見られるのは嬉しいとも思うし。

アルバレス君ではなく
弾君とかプリンシパルならまた違うのかな。


― 第3部 ―
「ボレロ」
振付:モーリス・ベジャール
音楽:モーリス・ラヴェル

上野EBSCO(

池本祥真、岡崎隼也
生方隆之介、岡﨑 司


もしかしたら水香ちゃんの「ボレロ」は最後かもしれない?
この先、踊る機会はあるのか?
(NBSなら「最後の~」興業があるかな?)

そんな気持ちを踏まえて見て。
今回は水香ちゃんが後輩に踊り続ける姿を見せて、
後輩が彼女が作った道を踏みしめて続いているように見えた。
ギエムのラストもこんなかんじだったな。
君たち、踊り続けてね、と。

ベジャールから振付を渡されて、
ごく初期は振付以外の加味はなくて。
今日は振付は崩さず、
しかし、熱い魂は込められていて。
男性女性の枠を越えた水香ちゃんという個性があった。
物語不要な存在。

なおかつ。
今日はメロディとリズムの一体感がマシマシだった。

いつもだとメロディを見ていて、
メロディがリズムをどう巻き込むか、
そこに物語を、
例えば、ジャンヌ・ダルクに鼓舞される兵士、などを見出し、
メロディとリズムは別々に見ていて、
いつしか一体化、という流れを見ていたんだけど、
今日はメロディとリズムが最初から同時に視界に入ってきた。

メロディがリズムを動かし、
リズムもメロディを動かしている。
融合より、相互作用。
あなたがいるから私がいる。
私がいるからあなたがいる。
そして、音楽もその中を綺麗に流れていた。
上手く表現できないけど、いままでとは違うボレロだった。
横須賀まで行って良かった。

前に6人後ろに6人だっけ、
リズムが肩を組んで片足を上げて腰を落とすところ、
前の組の上手側の誰かが上げた脚が維持できなくて、
ちょっぴりデンジャラスだった。
4人で崩れたのが最高記録、と
どこかで誰かが言っていたのを思い出した。

~上演時間~

第1幕  16:00~16:40
休憩      20分
第2幕  17:00~17:25
休憩      15分
第3幕  17:40~18:00
コメント
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