本日の昼公演は新ジーザスに新ユダです。
加藤さんのジーザスは良い意味で普通の青年。
ギリギリまで「死」は概念であり、
自分が本当に死ぬとは、十字架にかけられてから実感するのでは?
ゲッセマネで捕らえられたとき驚いた表情だった。
鞭に打たれているときも、いままで見たどのジーザスより痛そう。
この時が本当に来るとは、予期はしていたけれど、
それよりもずっと苦しい、そんなかんじ。
リアルな肉体を感じた。
彼とユダは同じぐらい「ただの男」で、
どちらの役になるかは神の気まぐれにすぎないように思えた。
そんな人間が祭り上げられ、
自分の覚悟よりは実は殉教者だった、そんなかんじ。
カリスマ性は薄めなのに崇められる、
彼と民衆の間に溝がある。
ジーザスとしてのいまの彼なりの役表現としては
力強さがないのがちょうどよいかんじ。
好みとして言えば、あり、です。
そういうジーザスだけど真ん中芝居は確実なので、
ちゃんと話を紡いでいる。
新ユダの吉岡さんの方が、
いまのところ、観察期間なかんじかなあ。
高音が出ないのはどうなの?
ラストの年のキヨミチ並みに出てない。
若いのに。
あと、役として話を引っ張る力が弱い。
ソリストはOKでもプリンシパルとしては?みたいな、
ユダ役以前の部分で疑問符が。
冒頭のいくつかの部分の語尾で音が伸びないのは
アレンジではなく、技術が足りないのでは?と思ったり。
スパスタはほぼ音域に合っているけと、
「マホメットは山をほんとぉに」もアレンジ無しなのは個性よりも、かな?
ジーザスはまだ孤独と諦念が薄く、
ユダは絶望より怒りが強い。
新コンビならではの距離感はとても良い!
エモさ皆無なのはとても新鮮!!
こういうパターンもあり!
慣れてきたらどの方向に行くのかなあ。
ちょっとワクワク。
今期から登場とはいえ、
デビューが早かったマリアはすでに貫禄あり。
新人コンビ相手だと、
ジーザスがスターさん
マリアがFC代表さん
使徒がスタッフさん
ユダは入出の貢献度がとても高い会員
みたいな力関係を感じました。
ペテロの大空さんの歌は安定。
劉さんのヘロデは動きが多く華やか。
敢えて言うとシモーヌ系になるかな。
こうくるか。
コメディリリーフとしてバッチリ!
スキンブルだからダンサーなのかな。
いちいち動きを入れてくるけど、うるさくない。
今期は赤の照明が強いような?
前半は、舞台全体はともかく、
役者の顔がぼやけるような照明になっているような?
幕が開いてしばらくは目を見開かないと
役者の表情が読みにくかった。
浜松町の自由劇場ではジーザスが鞭打たれ、
同じ頃、日比谷の東京宝塚劇場ではビームが鞭打たれている。
【配役】
ジーザス・クライスト 加藤 迪
イスカリオテのユダ 吉岡 慈夢
マグダラのマリア 守山 ちひろ
カヤパ(大司教) 金本 和起
アンナス(カヤパの義父) 吉賀 陶馬ワイス
司祭1 佐野 正幸
司祭2 玉木 隆寛
司祭3 川原 信弘
シモン(使徒) 大森 瑞樹
ペテロ(使徒) 大空 卓鵬
ピラト(ローマの総督) 山田 充人
ヘロデ王 劉 昌明
【男性アンサンブル】
櫻木 数馬
田口 暉
桧山 憲
香取 直矢
森 健心
永瀬 俊秀
武智 正光
横井 漱
安斎 恵太
佐橋 秀明
武藤 洸次
平山 祥
【女性アンサンブル】
小島 光葉
光井 さや
川田 菜々子
高倉 恵美
辻 茜
廣本 則子
片倉 あかり
梅澤 紗耶
山田 志保
志田 奈津帆
北中 芹佳
鳥越 ゆみこ