きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

Sound Theatre「CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト ニコロ・パガニーニ~ 」@神奈川芸術劇場

2015年06月20日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)


山本くんが予想以上に良かった。
純朴な青年が才能の限界を悟り苦しみ、
悪魔の誘惑に負ける。
普通の人間だからこその苦悩がビシビシ伝わってくる。
契約後は雰囲気がガラリと変わる。

こう見るとリカちゃんだと
悪魔と悪魔の契約だったんだな。
パガニーニに元からある悪魔部分を引き出されて、
破滅して、ほんのちょっぴり救いがある。
山本くんは人間が悪魔に翻弄される。
それを負け抜けで出し抜くのが良いね。
違いが面白かった。

山寺さんは芸達者で、
佐藤さんは可愛らしかったです。

ライブペイントアート付きでした。

ローラーでペンキで線を重ねていくと
いろんな絵になり、最後はバイオリンを弾く天使に。



原作・脚本・演出:藤沢文翁
音楽監督:土屋雄作

朗読:山本裕典 [ ニコロ・パガニーニ ]
   佐藤利奈 [ ミーシャ、他 ]
   山寺宏一 [ アルマンド、他 ]

演奏:土屋雄作 [ ヴァイオリン ]
   吉田篤貴 [ ヴァイオリン・ヴィオラ ]
   井上真那美 [ チェロ ]
   齋藤純一 [ ギター ]
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「海賊」アナニアシヴィリ&遅沢&井澤/K-バレエ・カンパニー@神奈川県民ホール

2015年06月20日 | バレエ・ダンス
前に「海賊」見たときも思ったけど
熊川くんは理性的にロジックを積み重ねて話を作るので
荒唐無稽からは縁遠く、「白鳥」はいいけど、
「海賊」は勢いが無さすぎて気持ちが盛り上がらないね。
ビルバントがランケデムを殺すとか、
アリがコンラッドを庇って撃たれて死ぬとか、
きっちり見せるのは物語の整合性のためとはいえ蛇足とも思える。
が、これが熊川くんの個性だしなあ。
彼が作る物語はダウエルよりピーター・ライトに近いと思う。

ニーナは体型はアレだけど、
踊り出すと目をひくわ。
昔ほどじゃないけど昔が素晴らしすぎるから、
今は標準よりかなり上くらい。
実にチャーミングだった。
仕草ひとつひとつがキラキラしていた。
32回転もスピードがあった。
「どれだけ回れるか」ってことだけではないんだよね。
音楽の高揚感、そしてエネルギーの放出を
客に届けられるかどうか。
踊りの、その先をどこまで表現できるか、それがアーティスト。

ニーナと、Kの方々を比べるとその辺が全く違う。
当たり前ではあるんだけど。
東バではゲストが来ていてもそれはあんまり感じないから、
強力な欲目フィルターが作動しているんだなあ、と、改めて思いました。
それにしてもニーナとキャシディが組んで踊るとはなあ。
アメージング!

海賊はマールイが基準なせいにしても、
男子の身体が細すぎて、全く海賊らしくないなー。
前は熊川くんしか見てなかったから気がつかなかったのかなあ。
ランケデムも若い子が頑張っているなあ、としか見えず、話に入っていけないわ。


そして、後ろの席の幼児がうるさかった。
男性が踊り出すと「熊川哲也?」と隣のお母さんに聞く。
今日は出ないんだよー!
お母さんも応えないでよ。
椅子は蹴るしさー。
ぷんぷん。


【主な配役】
メドーラ:N.アナニアシヴィリ
コンラッド:遅沢佑介
アリ:井澤諒
グルナーラ:小林美奈
ランケデム:石橋奨也
ビルバント:N.ヴィユウジャーニン
サイードパシャ:S.キャシディ
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「駆け込み女と駆け出し男」

2015年06月20日 | 映画
美しい東慶寺(ロケ地は兵庫県らしい)の四季と、
そこにで繰り広げられる人間模様。

東慶寺に駆け込んできた女性3人。
それぞれに事情がある。
その中の「妾」の真意は後半に判明。
確かに、旦那を見る目には色気があったよなあ。
嫌いな相手に向ける視線では無かった。
彼女が冒頭に言う「間が悪い」も
それを受ける場面で、どどどーんと涙。
現代の私らの年代で言えば、
「死ぬ前にガラかめの最終話を読みたい」
ってことなんだろうね。

駆け込んで、2年お勤めをすれば
夫から離縁状を貰える。
女達は中で変わっていく。
学を得たり、恨みが薄くなったり。
外の男は変わったり、変わらなかったり。
鉄練り夫の改心を、
全くアップにならない手の甲の傷で表すのは
上手いとも思うし、
もっとしっかり描いて欲しいとも思う。

戯作者志望で医者志望の洋ちゃんは
軽くてお調子者で純情で、ぴったりな役。
早口言葉も、聞き取りやすさはともかく
身体にしっかり入っていた。
戸田恵梨香ちゃんも純朴な女性で
だんだん変わっていく姿がとても良かった。

などよりも、ウメちゃんが
凛々しく男前すぎて痺れまくり!
惚れてまうがなー!
いや~、予告に出なかったからオープニングロールで名前を見て、
ほお、出るんだ、というぐらいの軽い気持ちだったんだけどねえ。
すごかった、いろんな意味で。
彼女が演ずる東慶寺のトップさんは
知識欲が深いらしい。
「お宝」は純粋に研究対象と、監督さんは言っているみたい。
自分の力で、女の力で、
いろいろやりたい人なんだろうな。

駆け込み女を悪く思う尼僧の一人が
すごく華やかな顔立ちだわ、
と思ったらみろりんだった!

麿赤兒とか北村有起哉とか橋本じゅんとかも。
実に俺得な映画でした。
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