きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ジゼル」ソボレワ&レベデフ/ミハイロフスキー劇場バレエ(旧レニングラード国立バレエ)

2015年01月07日 | バレエ・ダンス
今日の主演2人はどんなダンサーかよくわからずに来たけど
幸薄そうな初々しいお嬢さんに、
浮かれポンチな陽気な坊ちゃんの組み合わせで
なかなか好みの組み合わせでした。

ソボレワは手足が長く、
しなりかたに独特のクセがある。
踊りは硬質なイメージ。(身体が硬いのでは無く、ね)
1幕では地味めだけど、
だからこそ、恋に慣れていない少女が
恋を失って死ぬ流れがクリアでした。
狂乱は静かに内側に繊細に壊れていく系。好きだわ。
2幕では見事な精霊でした。
登場時の回転はスピード感ありあり。
その後は儚げで、浮遊感、空気に漂っている感が素晴らしかった!
これぞウィリー!
この世のものではない感がすごくあった。
すでに人間ではない存在になっていて
アルベルトへの愛だけが残っているかんじ。
それが成就して(彼女自身が納得したので)
朝日に溶けて消えていくのに説得力がありました。
いいジゼルを見たわ~。
大当たり!!

レベデフはすごく大人っぽくなった。
テクニシャンダンサーだけど
キャラに合った演技も上手いわ。
後先考えずに恋いに浮かれていて
ほんとに「今」が幸せなんだな~、と
心底思えるキラキラ笑顔。
公爵ぐらいはなんとか騙せると思ったのに
バチルドを見て絶望。
取りすがるジゼルをきっぱり拒絶して、
諦めるか、と思うも、やっぱり無理で。
壊れていくジゼルに何度も近寄るのが今迄とは違う真剣さで。
なんのかんので純情なのね。
2幕でも細かい演技に手抜かりなし。
後悔の念、嘆きがひしひしと伝わってきた。
操られジャンプはやっぱり垂直。
フォーメーション的には垂直がデフォなんだろうな。
サラファーノフより数はやや少ない回数だけど、
手の振り無しの足だけジャンプだった。
倒れ方も自然。
最後は墓に百合の花を捧げて沈没。

2人のキャラ、芝居が
とてもよく噛み合っていていました。
昨日はプロフェッショナルの2人が
職務を全うしました、ってかんじで
今日の方が総体的なレベルが低いけど
2人合わさった化学反応が起こったかんじ。
2パターン見ることができて幸せ。

オマールは額が広くなったわ。(ごめんね)
もっと鬱陶しい演技でくるかと思ったけど、
なんでしょ、姑息な根暗なオタク系?
アルベルトが考え無しのアホボンに対し、
なんとか2人の恋路を止めようとする方向が
力尽くではなく、理詰めで追い込もう的なかんじ?
アルベルトとは対称的なキャラなので
これはこれでありだと思う。
話としては三角関係(というかカップルと横恋慕)が
成り立てばいいと思うので。
ただやっぱり演技が薄いかなあ。
狂乱の場面では村人に溶け込んでいた。
もっともっと、やらかしてくれると期待してたんだけどなあ。
君がクドくなくて、暑苦しくなくて、どうするんだ!
私は寂しいよ。

イグナツェワは今日も素晴らしいバランス。
これみよがしではない、自然さが良いね。
ヤフニュークは今日はピシッと決まっている。

公爵はジゼル母の手をにぎにぎ。
むかし関係があったんだろうな。
二人の子がジゼル?
ジゼルとアルベルトのような関係だった?
だから2人を止めるのかな、とかとか。
バチルドは壊れていくジゼルをかなり気にしていた。
優しいね。

久し振りのミリツェワは可憐でした。
音の取り方が好みだわ。
また来てくれて嬉しい!
ありがとう!

今日の客入りは昨日より悪めだったけど
今日の方がカーテンコールのスタンディングが多かった。
物語としては今日の方が断然良いね。
ソボレワもレベデフも嬉しそうだった。
ソボレワはまだカーテンコールに慣れていないのか
レベデフが上手に移動したのに気がつかず。
レベデフはとりあえず1人で挨拶した後
ソボレワを連れに戻りました。


【配役等】
ジゼル:アナスタシア・ソボレワ
アルベルト:ヴィクトル・レベデフ

ミルタ:イリーナ・コシェレワ
森番ハンス:アレクサンドル・オマール
ぺザント・パ・ド・ドゥ:ヴェロニカ・イグナツェワ、アンドレイ・ヤフニューク
ベルタ(ジゼルの母):アンナ・ノヴォショーロワ
バチルド(アルベルトの婚約者):アーラ・マトヴェーエワ
公爵:アレクセイ・マラーホフ
アルベルトの従者:ロマン・ペトゥホフ
ドゥ・ウィリ:タチアナ・ミリツェワ、ワレーリア・ザパスニコワ

指揮:ヴァレンティン・ボグダーノフ
管弦楽:ミハイロフスキー劇場管弦楽団
コメント
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