きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「白鳥の湖」フィリピエワ&ニェダク/キエフ・バレエ

2014年01月12日 | バレエ・ダンス
フィリピエワの白鳥は前に見たときより、
たおやかで美しい。
気品も有り、悲劇のヒロイン像もクリアに造っていた。
時々ほんのわずかだけどバランスを崩す。
お疲れなのかな。
黒鳥は解き放たれた鷹のよう。
細かいミスはちょいあったけど大迫力の踊り。
32回転はぶれない高速シングル。
ヴァリはボリショイ版でした。

ニェダクは気品もありマイムもわかりやすい。
なにかっちゃ飛んでいるんだけど(トロワのコーダ後半とかも)
綺麗に身体が伸びていて着地音皆無。
素晴らしい!
憂いを帯びて迷う演技とか、表現力も、とても高い。
ジャンプ中に回るというの?
フィギュアスケートのようなジャンプは少々着地にブレ有り。

チェボタルのロットバルトは鳥っぽい。
闇に溶けて飛ぶ鳥のよう。
衣装がシンプルなのがちょっと寂しいけど
踊りやすそうではある。
2幕最後は出トチ?普通はいるよね。
幕が閉まりかけた時に見えた黒タイツは誰なのか。

大小の白鳥は役通りの体格。
群舞はバヤより揃っている。
1幕のフォーメーションが変わっているけど、単調。
それより衣装が!
男性は白基調で宮廷っぽいのに、
女性はジゼルの肩出し版で、
垢抜けない水色のスカートに大きな花の形の飾りで
ダサさ倍増!ヒドいよー。

道化は無し。
家庭教師は無駄に綺麗に踊ってた。

キエフの白鳥は初めて見たんだけど、
4人の花嫁候補がチュチュでソロ有り
(チャイパドのヴァリ曲とか)でびっくりした。
各国の踊りの衣装は重みがありそうな生地に
金色の入れ方も良く見栄えする。
1幕のワルツだけなんであんなに変なんだ?

3幕は
花嫁のソロ×4の後、
ブルメイステル版黒鳥パドのコーダ曲で4人まとめて踊り
王子が迷って全員拒否し、
オディール登場、
悪魔の手下のスペインが踊り、
普通に招待客の三カ国が続き、
パ・ド・ドゥ、の流れ。
白鳥の幻影が出るのは3幕最後だけ。
紗幕が無いのかな。

最終幕は黒鳥が出てきて
2羽の白鳥のソロがあって
ロットバルトの羽が毟られる、
ハッピーエンド版でした。
眠いけどオーソドックスなコレが私は一番好き。
変則的な白鳥が続いたので普通の白鳥が見たい!
という昨年からの思いがやっと叶いました。

鉄板演目を座付きのオケが演奏すると
チームワークの良さが発揮され
作品全体のレベルが高くなるように思います。
時々音が足りない時があったように思うけど
作品の出来映えに無問題というのはいいことです。
カーテンコールの時、まだオケピ内にいる指揮者が
オケの各パートごとに拍手を送っていて
とても素晴らしいと思いました。


【主な配役】
オデット/オディール:エレーナ・フィリピエワ
ジークフリート王子:デニス・ニェダク
ロットバルト:ドミトロ・チェボタル
王妃:オクサーナ・グリャーエワ
家庭教師:セルギイ・リトヴィネンコ
パ・ド・トロワ:
 オリガ・キフィアク、ユリヤ・モスカレンコ、ヘンナージィ・ペトロフスキー
花嫁候補:
 カテリーナ・カザチェンコ、ユリヤ・モスカレンコ、
 アンナ・ムロムツェワ、アナスタシア・シェフチェンコ
大きな白鳥:
 カテリーナ・カザチェンコ、ユリヤ・モスカレンコ、
 アンナ・ムロムツェワ、アナスタシア・シェフチェンコ
小さな白鳥:
 オクサーナ・シーラ、テチヤナ・ソコロワ
 エリザヴェータ・ゴギードゼ、カテリーナ・カルチェンコ
ヴェニスの踊り:コスチャンチン・ポジャルニツキー

指揮:オレクシィ・バクラン
管弦楽:ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
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