きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「エリザベート」@大劇場(宝塚月組)

2018年08月31日 | 宝塚(月組)


エリザベートが必死で生きているのは伝わるけど、
死の影も孤独もない。
足を踏ん張って生きている現代のキャリアウーマンが
たまに心が折れたときに逃げ込む妄想を、
覗きこんでるかんじ。
耽美さは皆無。
シシィの孤独と絶望感は見えなかった。
普通の人が恐れる「死」に惹かれる奇矯さがない。

ちゃぴは地声音域が広いので
「私に」の「に」以外は地声の声音で
無理のない発声は聴きやすいけど雄々しすぎる。

みやちゃんはちゃぴより小柄に見え威圧感が薄い。
シシィを抑えつけても跳ね飛ばされそう。
持ち歌との音域が合っていない。
高音部が弱い。
特に鏡の間の「耐えられない」の「え」が裏声で
女の子の声になってしまうのが惜しい。
威厳も足りてない。

たまきちが「死」でも「黄泉の帝王」でもない、以前に
この役に必要なナルシズムがと根拠の無い自信全く足りない。
女は俺に靡くはず、と無条件に思う男でないとこの役は無理なんだな。
歌唱力じゃないんだ。
たまきち、テレを捨てよう。まずそこからだ。

結果的にそれぞれはいいのに
芝居部分が噛み合っていない。
難しいね。
後半で変わるかな。

れいこちゃんは出てきたときは
見た目ほど芝居は濃くなくて
ちょっぴり残念だったけど、
カフェあたりから乗ってきた。
もっとやり過ぎちゃってもいいよ!
上3人が私のイメージに合わないので、
れいこルキーニが出てくるとすごく安心する。
狂言廻しとしては話に入り込み過ぎない
ちょうど良い距離。
二幕出だしのアドリブは、

 そこの綺麗なお姉さん、
 平成最後の夏休み、
 僕と一緒に過ごしませんか?

みたいなかんじ。
フラッシュを落としていました。
「キッチュ」の出だしで
もう少し腰を振って~と思うのは
私の基準がリカちゃんだから仕方がないね。

ありちゃんルドルフは繊細な皇太子だった。
精神的にも立場的にも追い詰められて死に縋りつく、
とてもクリアな芝居だった。
歌も迫力がある。
台詞まわしが舌足らずの若造なのが惜しい。

みやちゃぴはロイヤル感がかなり薄め。
ゆりちゃんのグリュンネのいちいち礼は気品ある。
すーさん頑張ってる。
組長と渡り合えるまゆぽんの父らしさよ!
からんちゃんの歌もいい。

革命家、れんこんは小柄だけど芝居は熱い。
おだちん凛々しい。
特に2幕後半の髭姿がたいへんよろしい。
繰り返すね。
髭のおだちん!!
ぐっさん、頰のラインが巨匠似?

海ちゃんのヴィンディッシュも良かったよ。
攻撃的ではない、静かな、しかし確実に狂気。
とても美しかった。

小ルドは綺麗なソプラノだったけど、
少年ではなくお嬢さんだった。

黒天使の見分け、芝居中は難しい。
暗闇にいるから。
ショーで明るくなると2階11列からでも
ギリちゃんは容易に発見できる。
白塗りのギリちゃんは、
なんかマミちゃんに似てる?
黒天使は番手並びにと
身長順が混在なので見失いやすい。
下手側が多いのかな。
髪はかなり左寄り分け目で上部はストレート。

黒天使ちゃん、若手もいるから
ロケットもキョンシー混じり。

ロケットも男役ダンスもまさか20年同じ振りになるとは。
好きだけど。


みやトート、たまフランツ、の方が合うよね。
どうにもならんけど。
たまきちがいつ開き直るかだ。


Love一郎は相変わらずLovelyだった。
Love一郎の音はムラ特権。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 最近の美味しいもの | トップ | 清荒神などなど »

コメントを投稿