きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ロミオとジュリエット」シュツットガルト・バレエ団

2005年11月12日 | バレエ・ダンス
 スペイン生まれのアマトリアンに、同団唯一のドイツ人プリンシパル・フォーゲルのコンビ。バレ・フェスで見たフレッシュ・カップルです。今まで見た中で、一番若いロミオ&ジュリエットかも。
 その若さに期待したのですが。若さ=若い役が合うってワケではないのを実感。フォーゲル君は可愛い。可愛いともさ!真面目な良い子なんだろうなあ、ってのはわかるんだけど、ちょっと、華がないっていうのかなあ。まだ主役を張るには厳しいかも。特に、前回のクランコ版はマラーホフで、その前に何回かマクミラン版のフェリ&ボッカを見ている身とすると、特に。なんちゅーか、こう、「内側から迸る情熱」が足りなんだよなあ。身を焦がす恋、まで到達していないように思うの。ラブラブだけど。お互いに夢中だけど。表情が少ない?感情表現が小振り?
 アマトリアンは、わりと良し。乳母との戯れる少女時代から死ぬまでの「成長段階」が明確でした。脚さばきとかもキレイでした。
 う~ん、ただ、、、。クランコ版ロミ&ジュリって、それこそ人が死ぬときに、肉を裂かれ、血が滴るのがイメージできるような、生々しさが魅力だと思うのですよ。ラブロフスキーより、マミミランより、よりリアルな、現実的な話っていうのかなあ。この若いカップルだと、その辺のリアルさが足りなくて、可愛いお伽話系に向かっちゃっているような気がします。この2人ならラブロフスキー版の方が合うかも。。。バルコニーの場面もスピード感に欠けていたし・・・。死に向かう理由がわかりません。
 ティボルトのイェリネクは描き込んだ(? 4階席からは判別不能)のヒゲが良く似合って、なかなかにニヒルなハンサム。ヴィクター・バービーがティボルトの基本な私には、なかなか好み。死ぬ間際も良かったし、マキューシオを殺してしまったのは「ウッカリ」で、「そんなつもりでは無かったのに・・・」みたいな雰囲気も良かったです。ちょい善人系も入っているかな?前回はキャピュレット夫人の愛人か?という議論も出ましたが、今回は出ないでしょうな。あくまでも「親戚」の一員レベル。
 マキューシュオのザイツェフ、ベンヴォーリオのカニスキンは、ロミオと並ぶとまさに「三馬鹿」(すいません)。お調子者トリオなんだなあ、と。良い並びじゃないでしょうか。特にザイツェフの満開笑顔はよろしいですな。
 ジプシーのお姉ちゃん達、カーニバルのダンサー達も良かったです。群衆がそこかしこで小芝居を入れているので、どこを見てよいかわかりませ~ん。パリスは最初からキャピュレットの一員ぽかったなあ。ジュリエットに惚れているようには全然見えない。そういう設定なのかな?

 据え付けの舞台セットは、何回見てもウマイ手だと思います。暗転が短いのは有り難い。

 指揮者のタグルさんもいいですな~。前奏の時なんか、右から左、横真一文字に腕を思いっきり振っていましたよ。

 う~ん。ちょっと不燃焼気味。マチネだから仕方がないのかな?スー・ジン・カン&バラキエヴィッチを見た方が良かったかなあ。。。

*11/16追記
モンタギューとキャピュレットを逆に書いていましたので
訂正しました。毎度毎度すいません。
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