きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ロミオとジュリエット」足立&秋元/東京バレエ団

2022年04月30日 | バレエ・ダンス


柄本さんのトークを踏まえ、ロミジュリ2日目。
樋口さん降板で代役は玉川さん。

秋元さんは5階まで届く芝居。
ジュリエットには包容力。
秋元さんらしいけど、私の好みほどの疾走感は薄いかな。
バルコニーの懸垂は1回だった。
秋元さんロミオはもう少し爆発してくれたら、とは思うけど、
演技はちゃんと5階まで届く。
柄本さんも5階まで意図する芝居を届けられるようになってから、
舞台で生まれる感情に従って、の方がいいと、
個人的には思うけど、
それはヅカとか濃い人を見慣れてるから思うんだろうな。

足立さんはバルコニーでもまだ子供。
パオリンちゃんくらいの子供。
バランスが難しいね。
初演だし。
ジュリエット、無理矢理例えると、

舞踏会まで パオリン
バルコニー カリーナ
寝室以降 ネイサン

ぐらいの段階が見えるのが好み。
あくまでも個人的な好み。

足立さんは3幕ではキリッとして
人形から、魂がこもった人間になったようだった。
恋を知って大人になる、とはちょっと別方向だけど
きっかけがあり、変わる、は表していた。
もうちょい色気が欲しいかなあ。
サバサバな男子みたいなかんじ。
子供ではないけど。

代役(他日キャスト)が入っているためか
三馬鹿がかなり揃ってないけど、
三馬鹿だからそれでいいのだ。
宮川さんは今日もキレキレな踊り。
鉄砲玉も納得なイキの良さ。
死に捕まるのが見ていて辛い。

三雲さんロザリンドが艶やかだよ。
街の賑わい、ジプシー達は今日も活力がある。

さっきのトークショーで柄本さんはマキュの死を
「事故のようなもの」と言ってて、
それを踏まえて見るとティボも最初は、
「これは違うこんなつもりじゃ」と言ってるんだよね。
そこから開きなおざるを得ない。
この版はロミオのせいじゃないけど、
それもまたそれで辛いね。
安村さんは濃くていいね。
ラスプーチン、プガチョフもいけそう。

ヅカ版のロミジュリのパリスは「うん、やめとけよ」と思うけど、
バレエだと「パリスにしとけよ」と思うことがあるよね。
大塚パリスも良縁だと思うなあ。
親の立場なら間違いなくそう思うよ。
パリスが霊廟で殺されるのが気の毒だけど、
ジュリエットが短剣を手に入れるためには仕方がないのかな。

神父様がくれた薬瓶は丈夫。
投げ出したときあんなに音をたてるのに割れない。
「あら、ドンナ、ベラドンナ!」が今日も頭を回る。



この版の神父様って薬を渡すためにいるよね。

クランコ版ロミジュリ、というか、ユルゲン・ローゼの美術、
他の版と反対でモンタギューが赤、キャピュレットが青紺黒なのに、
2幕の神父様のところに行くジュリエットと、
ティボルトの死を嘆くジュリママの衣装が赤系なのはなぜなのか。
意味があるのかな。

それはそれとして、舞台セットも衣装も違和感なしだった。
東バがずっと使っているんじゃかいかと思うぐらい自然に似合っていた。

足立&秋元、まあ、想定内ぐらいかな。
爆発はないけど、無難に良い、かんじ。
昨日の組も今日の組も、
あと5回ぐらい踊り込んだらもっとカラーが出るだろうな。


【配役等】
振付:ジョン・クランコ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
装置・衣裳:ユルゲン・ローゼ

キャピュレット家
キャピュレット公:木村和夫
キャピュレット夫人:奈良春夏
ジュリエット:足立真里亜
ティボルト:安村圭太
パリス:大塚卓
乳母:坂井直子

モンタギュー家
モンタギュー公:中嶋智哉
モンタギュー夫人:菊池彩美
ロミオ:秋元康臣
マキューシオ:宮川新大
ベンヴォーリオ:玉川貴博

ヴェローナの大公: 和田康佑
僧ローレンス:ブラウリオ・アルバレス
ロザリンド:三雲友里加
ジプシー:二瓶加奈子、政本絵美、平木菜子
カーニバルのダンサー:
 岡﨑司
 涌田美紀、安西くるみ
 岡崎隼也、井福俊太郎


指揮:ベンジャミン・ポープ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


~上演時間~
第1幕 14:00 - 14:55
休憩    20分
第2幕 15:15 - 15:45
休憩    20分
第3幕 16:05 - 16:45
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