NBSの前説から。
薄氷を踏む思いで今日を迎えた。
ダンサー達は日本入国、自国帰国に隔離があるが、それを承知で参加。舞台で踊るのをとても楽しみにしている。
協賛のKOSEおよび文化庁など関係官庁に感謝。
今回はブラボー禁止!
─ 第1部 ─
「ゼンツァーノの花祭り」
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
音楽:エドヴァルド・ヘルステッド
オニール八菜、マチアス・エイマン
ブルノンヴィルの鬼振付をなんなく踊り、かつ溢れる気品。
上体などのなんともいえない溜めに
パリオペのエスプリを感じる。
活気より優雅さなのもパリオペらしい。
オニールさんの方が大きめ。
「ロミオとジュリエット」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:レオニード・ラヴロフスキー
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
オリガ・スミルノワ、ウラジーミル・シクリャローフ
身体能力が高そうなダイナミックな踊り。
初恋の清々しさが美しい。
「パーシスタント・パースウェイジョン」
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
菅井円加、アレクサンドル・トルーシュ
去る女と未練の男と私は感じたけど、
とにかく菅井さんが素晴らしい。
以前見たの古典の海賊も良かったけど、
今回のコンテでは身体すべてが雄弁で
目が吸い付けられる存在感。
素敵すぎ!
「オネーギン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
ドロテ・ジルベール、フリーデマン・フォーゲル
ユーゴ・マルシャンの入国が間に合わず
ドロテの演目変更に、フォーゲルがIN。
幸せいっぱい。
ちょっとひやっとしたところがあったけど、
鬼リフトも自然な動き。
体格的には合っていたかな。
鏡のタチアナは誰かな。
東バの金子さんとか?
(5階席からじゃわからん)
─ 第2部 ─
追悼 カルラ・フラッチ、パトリック・デュポン(映像)
第二部冒頭はフラッチ&デュポン追悼映像。
フラッチは第1回バレフェスのシルフ。
デュポンは伝説のバレフェス全幕の道化と
第6回だっけモニクとのドンキ。
あまりの超絶技巧に会場も拍手。映像でも拍手。
この拍手が天国の彼に届きますように!
「白鳥の湖」より 第1幕のソロ
振付:パトリス・バール
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
ダニール・シムキン
ソロは王子。
乾杯の踊り後2幕への繋ぎに踊られることが多いアレ。
シムキン君でこれを見たいかというとなんだけど、
彼の白鳥の王子は貴重。
端正だった。
美しく伸びた手足が、まだ踊り足らなさそう。
「ジュエルズ」より "ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
アマンディーヌ・アルビッソン、マチュー・ガニオ
神々しさには欠けるけど
「ザ・古典」の美しさは見惚れる。
今回はじめてのチュチュ。
夢のようにキラキラしてた。
「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ
金子扶生、ワディム・ムンタギロフ
とてもドラマチック。
金子さんは可愛いんだけど、
無意識のコケティッシュは
男の運命を狂わせる危うさを含んでいた。
ムンタギロフの白い衣装は
(まだ)汚れていない存在を際立たせ
現在の二人の境遇の違いが感じられた。
「ル・パルク」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ
音楽:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
アレッサンドラ・フェリ、マルセロ・ゴメス
フェリが前より若返ったかな。
現役さが少し戻った。
さすがの女優なのだ。
ゴメスもよく合わせてくれる。
「海賊」
振付:マリウス・プティパ
音楽:リッカルド・ドリゴ
エカテリーナ・クリサノワ、キム・キミン
今回初めての技術枠。
盛り上がりました。
クリサノワの回転はエネルギッシュで
キムのジャンプは高く滞空時間が長い。
それでいてマリインスキーらしい品格と
技術の正確さがある。
キムは5階から見てジャストサイズ。
カテコではそうは思わなかったので
踊ると大きく見えるんだな。
そういう迫力を持ってる時期なんだろうな。
─ 第3部 ─
「スワン・ソング」
振付:ジョルジオ・マディア
音楽:モーリス・ベジャールの声、ヨハン・セバスティアン・バッハ
ジル・ロマン
ステージ前方にスクリーンがあり
奥で踊るジルに合わせ、映像が連動。
動きの残像が映像になったり。
彼のベジャール作品以外の踊りは初めてかな。
とても美しい動きだった。
「オネーギン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
エリサ・バデネス、フリーデマン・フォーゲル
昔の恋に委ねかけ決別する。
バデネスの葛藤が見事。
全幕を見ているかのよう。
フォーゲルは意外と髭が合う。
「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン
音楽:カミーユ・サン=サーンス
スヴェトラーナ・ザハロワ
姫!
ザハロワ姫!
姫の参加でバレフェスの格が上がりました。
お美しゅうございます。
姫のチュチュ姿をもう一度拝めるとは!
ありがたき幸せ。
「ライモンダ」
振付:マリウス・プティパ
音楽:アレクサンドル・グラズノフ
マリーヤ・アレクサンドロワ、ヴラディスラフ・ ラントラートフ
ラントラートフのマントが長い!
アダージオはずっと装着!
そうでなければ!
マーシャも流石の貫禄。
ちょっと動きが重かったかな。
技術の見せ場があまりなく
トリとしては地味かもだけど、
二人の存在感で乗り切ったかんじ。
(アダージオとそれ以降は違う場面のミックス?)
カテコは女性の名前順なので最後はザハロワ。
NBS、命拾いしたな。
謎の花火の映像(プロジェクションマッピング)あり。
幕が閉まったあとに、舞台の内側から歓声が上がってました。
時差退場の案内があったのが17時半ぐらいです。
約15分押しで終了。
以前ほどのスター全揃い感は薄いけど、
D席の私は満足。
ガラ公演を見る集中力と体力が落ちているのを実感。
Bプロはもう少し気合いを入れよう。
KOSEのサンプルは机から取っていくタイプです。
指揮: ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ: 菊池洋子(「ル・パルク」、「瀕死の白鳥」、「ライモンダ」)
チェロ: 伊藤悠貴(「瀕死の白鳥」)
◆上演時間◆
第1部 14:00~14:55
休憩 20分
第2部 15:15~16:10
休憩 20分
第3部 16:30~17:15