きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「エリザベート」(2016年版)

2016年07月07日 | 宝塚版以外の「エリザベート」









花ちゃんは一幕は鼻声気味が気になった。
調子が悪いかな?
2幕は落ち着いた声だったから
子供声が鼻声気味になるのかな。
ビジュアル、存在感、美しさは
やっぱり圧巻圧倒的。
花ちゃんのなにが良いかって、
皇后の気品があるのに、
魂がそこに収まりきらないのを表現できること。
変人でも庶民でも野生児でもなく、
品行方正な良い嫁でもない。
まさにエリザベート。
なのか、日本版エリザベートの原点が
彼女にあて書きされた結果なのか。
花ちゃんのシシィが拝めるだけで幸せ。

井上くんは低い音域は人外なかんじでいいんだけど
高音になると若僧露呈になるのが惜しい。
シシィの魅力に抗えず引き込まれているのがよくわかる。
すごく頑張っているし、
腕とか指の使い方にも気を使っているのはわかるんだけど、
なんというか、「歌の上手いタニちゃん」なんだな。
お歌が上手いのはタニちゃんじゃないというのはさておき、
それくらい本人の持ち味に合っていない。
けど、帝劇的には彼をキャスティングするしかないんだろうな。

田代くんは前回より芝居が進化。
皇帝の義務をわきまえつつ、
しかしシシィを深く愛している。
両極の気持ちが両立している。
特に晩年の芝居が深い。
ルドルフで初めて観たときは
歌は良いけど芝居はあんまり、、、
と思ったけど、
前回からは中の人をかんじさせず
フランツとして舞台に存在している。
素晴らしい!
髪は若いときからカツラかな?
悪夢のあたりでマイクトラブルがあり
声が聞こえなくなって残念。

成河さんは、陽気だけどあきらかな狂気で、
わりと好みのルキーニなんたけど、
小芝居の多さも含め、やり過ぎ感はある。
真ん中芝居過ぎるというのかな。
高嶋兄以上に前に出過ぎ。
全てはルキーニの妄想説、を納得しそうになる。
育三郎にはもっとやれ!と思うのにねえ。
個性と受け取れれば面白くかんじるし、
作品クラッシャーと思う人もいるだろう。
ルキーニは難しいね。

かなめさんは美しすぎる姑だけど、素晴らしい迫力。
特に低温域に凄みがある。
あの人に逆らうことはできないよね。
確かに宮廷の誰より「男」。
元男役トップ、そして大劇場公演で現役はさすがに違う。
シシィ役よりずっと合っている。

ハマコは変わらぬ美声。
そうだ、成河さんは春麗の頃のハマコのやり過ぎ感を思い出したんだった。

古川くんは芝居は良いんだけど、
歌の技術が芝居に追いついていないかんじ。

悪夢のアランソン公爵夫人ゾフィーのセリフが「逃げて」だった。
前からだっけか?
バザー会場の火災で若い人から逃がしているうちに亡くなったんだよね。
トートダンサーは前回は踊りのための踊りだったけど
今回はちゃんとコロスだった。


いろいろ書きましたが、大満足です。
エリザベートが娘役だと周囲がデカくなくても成り立つからいいね。
内野さんがジャイアンと言われていた頃からをいろいろ思い出しながら、
マイベストはやっぱり星組と再認識。
あやかこそ私のシシィ。
コメント
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