きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「オールスター・バレエ・ガラ」(Bプロ)

2016年07月27日 | バレエ・ダンス
プログラム自体はAプロの方が良かったけど、
ダンサーの個性がより良く出たのはBプロだった。


第1部
「ラプソディ」(振付:F.アシュトン)
 アレッサンドラ・フェリ、エルマン・コルネホ [ピアノ:中野翔太]

ABTらしく、ちょいと粗さはあるものの
難易度高すぎる技をキビキビ踊るコルネホは
最後までダレることなくスピーディ。
フェリは細かいアシュトンの脚さばきが実に自然で的確。
さすが元英国ロイヤル。
初日に比べると現役感がかなり復活。


「白鳥の湖」より第2幕アダージォ(振付:M.プティパ) 
 ニーナ・アナニアシヴィリ、マルセロ・ゴメス

体型を含めクラシカルなニーナの白鳥にうっとり。
このレベルの生演奏で見る白鳥はたぶん最後だろうからしっかり見た。
ゴメスは激しい愛を込めた眼差し。
支えるだけではなく深い演技。


「Fragments of one's Biography」より(振付:V.ワシーリエフ)
 ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ

エルマコフが細かくシャープに踊る。
Aプロ「カルメン」で「格下感」とか言ってごめん。
配役表裏に解説あり。ワシリエフ振付で彼が踊ったのか。
だからこんなに難しそうで見所多しか。
女性パートはスパニッシュなルースカヤ。
ロパ様は美しい。


「ジゼル」(振付:M.プティパ)
 スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン

現役の大スターオーラをどばーん!と放出し
圧倒的な存在感と美しすぎる身体を十分に見せながらも
役としては慎しみ深い精霊のザハロワは
もはや拝むしかない。
(「姫、おさすがでございます」と心の中で唸っていました。)
一時期は古典を捨てきるかと思ったけど、
戻って来てくれて嬉しい。
ロブーヒンも気品ある踊り。


「リーズの結婚」(振付:F.アシュトン)
 ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン

明るくシャキシャキしたマーフィー。
とてもチャーミング。
エイマンもきっちり細部まで決め、
踊りのスタイルが全く違うのに、
ほんわか良い雰囲気だった。


第2部
「プレリュード」(振付:N.カサトキナ)
 ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ

第一部と似たような雰囲気。
エルマコフの衣装は同じじゃないか?
どちらかを当初予定されていた「ダイヤモンド」した方が良かったんじゃないかな。
オケの演奏曲数の上限でもあったか?
ロパ様の美しさは堪能したけど
もうちょい違うなにかが見たかった。
かと言って、白鳥、ダイヤ、ライモンダだと
いつものアレと思っちゃうのかな。


「フー・ケアーズ?」より(振付:G.バランシン)
 ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン

このペアの演目の中で一番似合っていた。
オシャレな都会派。


「ディスタント・クライズ」(振付: E.リャン)
 スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン

振付自体はよくある系だけど、
二人の、特にザハロワの音楽性が振付に合致していて、
ザハロワの身体から音楽が聞こえてくるようだった。


「レクリ」(振付:V.チャブキアーニ~ジョージアの民族舞踊に基づく)
 ニーナ・アナニアシヴィリ

ニーナならもう少しなにかしてくれるかと思ったら、短かった。


「ル・パルク」(振付:A.プレルジョカージュ)
 アレッサンドラ・フェリ、エルマン・コルネホ [ピアノ:中野翔太]

熟女が息子ぐらいの若い男に血迷ったようにも見えるけど
情熱的な二人だった。
静謐な空間に滾る愛。
フェリはやっぱり女優だわ!


「眠りの森の美女」(振付:M.プティパ/A.ラトマンスキー)
 カッサンドラ・トレナリー、マルセロ・ゴメス

「眠り」は音楽が1.3倍速。
こんなに早い眠りは初めてのような。
情緒に欠けるかと思ったけど、
トレナリーのキラキラ感で全く気にならなかった。
若いっていいわ~。
スポーティではなくちゃんと古典バレエになっていた。
ゴメスは小技多し。
ラトマンスキー版はこういうものらしい。


フィナーレはニーナの突き刺さるようなピケターンが印象的。
まだまだイケるわよ!宣言。


最後は「ありがとう」の垂れ幕と
風船と大量の紙吹雪。

フェリがすごく嬉しそうだったな。
コメント
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