きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ローレンシア」ペレン&ワシリーエフ/ミハイロフスキー劇場バレエ

2016年01月05日 | バレエ・ダンス
なんとなくのあらすじ
<一幕>
第一場
スペインの田舎の村。
のどかに村人達が踊っている。
ローレンシア&フロンドーソは
結婚間近のラブラブカップル。
ローレンシアの友人のパスクアラも
ヴァイオリン弾きのメンゴといいかんじ。
そこに悪役の領主と部下が乱入。
領主は美しいローレンシアに目を付け
部下達も村娘達をどうこうしようとするが
フロンドーソに追い払われる。

第二場
村から少し離れた洗濯場。
娘達が洗濯をしていると領主部下がやってきて
村娘のハシンタが捕まり木陰に連れ去られる。
やがてハシンタはボロボロの姿で現れ
自分の身に起こった不幸を嘆く。

<二幕>
第一場
ハシンタの不幸はなんだったのだろう、
というぐらい、あっけらかんとした
ローレンシア&フロンドーソの結婚式。
フラメンコ隊やカスタネットの踊りが花を添える。
そこへ領主がやってきて、2人を連れ去る。

第二場
心配した村人達は領主の城の前に集まる。
そこへ領主手下がボロボロになったローレンシアを放逐する。
怒りに燃えたローレンシアは村人達を先導し城に乱入。
フロンドーソを助け出す。
領主は財宝を差し出し許しを乞うが
村人達は悪人を討ち取る。


衣装等の舞台美術はジゼル系、
踊りはドン・キ系、ってかんじでした。
40分×2幕ですが、
踊りが多いので短いとは思いませんでした。

それぞれの幕の前半はのどかなな場面ですが
後半は女性には辛い場面があり、
すっきり楽しむ!のはちょい難しかったです。
こういうふうに復刻するということは、
あちらではアクセント付けとしてOKってことなのかな。
「ドナウの娘」なみに素直に納得できない部分がある。

なんといいますか。
「おやめ下さいませ、お代官様」までは
水戸黄門だと思って見ていたのに
そこから仕事人のシビアな展開に変わるようで
気持ちの切り替えが上手くできませんでした。
2幕はさらに「シトワイヤン、ゆこーっ!」に突然流れ込み、
短く描くにはそれしかないんだろうけど
ちょっと謎展開でした。

振付自体はとても良いよ!
村人達の陽気なダンス、
アクロバティックなリフト多用のパ・ド・ドゥ、
踊りの見せ場もいろんな人にある。
音楽もおおむね陽気で楽しい。

ペレンは綺麗に踊っている。
体も良く動いている。
娘2格のもひとつの恋バナ担当はミリツェワ?
配役表的にはミリツェワだよね。
キレキレの回転がぴしぴし決まっている。
彼女ももう若い方じゃないはずなのに、
若手のように鋭い技術担当とは。
感服。

もうひとりの女性ソリストがソボレワだよね。
ジゼルで見たときも幸薄そうな雰囲気だと思ったけど、
今回もでした。
踊り出すと目を惹く華やかさが出てくる。

男性2番手格はモロゾフ。
たくさん踊ってくれて嬉しい。

領主ヴェンシコフ、手下マスレンニコフ&ツァル。
絵に描いたような悪代官系悪役です。
特に悪役のヴェンシコフは美味しい。
とても美味しい。

その他、肉布団を巻いたペトゥホフと
描き込み老けメイクのクズネツォフのコミカルな踊りもあるし。
マラーホフも久しぶりに踊りパートに入ったし。
いろいろ楽しくはある。

フラメンコ男性、背が高い方がカシャネンコで、
髪が黒い方がオマール?
4階からだと確定できない。

ワシリーエフはすごく飛んですごく回っていたけど、
前に見たときよりさらにふた回りぐらい太ましくなっていた。
飛んだり回ったりだけの役に固定されたくないから外に出たんだろうに、
結局彼に求められるのはコレかと思うと複雑だな~。
ヤフニュークやレベデフと並ぶとかなり辛いスタイル。

レベデフはサポートがまだ弱いな。
正統派王子の雰囲気は貴重。
ヤフニュークはソツがない。
もうちょい華やかさが加わればなあ。
しかしどこか足りないからこそ輝くのがマールイダンサーの特徴か。

結局はミリツェワの鮮やかな踊りが一番印象に残った。


マスレンニコフのポジションにロットバルト役を入れれば
トリプルロットバルトで面白いのにな、と思うけど、
それならマスレンニコフにロットバルトを踊らせる方が早いかな。


お城への雪崩れ込み画像、
新感線の中継を思い出しちゃったよ!


【配役等】
ローレンシア(エステヴァンの娘):イリーナ・ペレン
フロンドーソ(フアンの息子):イワン・ワシリーエフ
ドン・フェルナン・ゴメス・ド・グズマン:ミハイル・ヴェンシコフ
(カラトラヴァ騎士団の団長)
パスクアラ(ローレンシアの友人):タチアナ・ミリツェワ
ハシンタ(村の娘):アナスタシア・ソボレワ
メンゴ(ヴァイオリン弾きの農民):デニス・モロゾフ
エステヴァン:アレクセイ・クズネツォフ
(フエンテ・オヴェフナ村の議長)
フアン:ロマン・ペトゥホフ
(フエンテ・オヴェフナ村の議長)
フロレス(騎士団の兵士):パーヴェル・マスレンニコフ
オルトゥノ(騎士団の兵士):ウラジーミル・ツァル
パ・ド・シス:
 イリーナ・ペレン、イワン・ワシリーエフ
 ワレーリア・ザパスニコワ、アスティク・オガンネシアン
 アンドレイ・ヤフニューク、ヴィクトル・レベデフ
カスタネット・ダンス:
 マリアム・ウグレケリーゼ、アレクセイ・マラーホフ
フラメンコ:
 オリガ・セミョーノワ、
 アレクサンドル・オマール、アンドレイ・カシャネンコ


指揮:ヴァレンティン・ボグダーノフ
管弦楽:ミハイロフスキー劇場管弦楽団

第1 幕約40 分 -休憩20 分- 第2 幕約40 分
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする