革命後のパリ、テルミドール7日(だったと思う)。
一人の男の裁判があった。
その名はジャン・ルイ・ファージョン。
調香師である彼は、かつて宮廷に出入りし
王妃のための香水を作っていた。
彼は貴族と親しかったという罪の他に
とある事件の関与への疑惑はあった。
彼は語り出す、かつての日々を。
そして革命の理念を、問いただす。
景子ちゃんのコスプレ物。
映像による暦の出し方、
三方に別れる壁、
革命委員会のビジュアルはスカピン。
アントワネット時代はベルばら。
と、かなり既視感のビジュアル。
牢にいるルイを見ると、
パーシー、早く助けに来て、
でも貴族じゃないからダメ?と、つい思う。
ヴァレンヌ事件を軸にもっとなにか話があると思ったら
後半はかなりベルばらだった。
ロザリーが出てきて、
牢の中のアントワネットは
鬘も衣装もベルばらと同じで
芝居もとなみ系だった。
景子ちゃんが、つい、そう作ってしまったのか、
オマージュとしてわざわざ作ったのか。
意図も含めてまったくわからない。
リメイクの「サイコ」のように
同じ絵を別の役者で、って発想?
しかし身内で近々再演するのに?
わけわからんわー。
鉄格子の向こう側で
となみが降臨しているわかばちゃんが
断頭台へ向かうかのごとき
袖に向かって歩くのに対し、
ベニが鉄格子のこちら側で
客席に向かって「王妃さまーーー!」と叫ぶ。
なぜ人形を持っていないのか、疑問に思うくらい。
ここだけ紳爾先生が演出したのか。
もしかして「植田景子 作・演出」ではなく
「植田(紳爾)&景子 作・演出」で
ユニット名だと思う方が自然なくらいだった。
しかし、景子ちゃんは、
ベルばらは到底越えられなかった。
バスティーユ陥落の場面も、東宝エリザの「ハイル!」
(正式名はわからん)をいじった印象。
ベルばらの盛り上がりは全くない。
あと、フランスの話なのに
歌詞に英単語を入れるのはどうなんか。
上記のバスティーユ陥落も
「レボーリューション!」って
民衆が叫んでいるんだよ。
王妃についても「マイ クイーン」って歌うし。
むりやり仏語にしなくてもいいけど
英単語が来ると、どうしても世界観が崩れる気がしちゃう。
んーと、あと、やっぱ、ヒロイン不在的なところがあって。
妻は顧みられない?と思っていたのに
なんとなく上手くいっちゃってるし。
恋バナはフェルゼンとアントワネットが
ベルばらを土台にしたかのように熱愛だし。
バウは必ずしも恋バナをメインにする必要がないとしても
もうちょい上手く登場人物を動かして欲しかったなあ。
アントワネットを、リアルの女性として愛するフェルゼンと
ミューズとして崇拝するルイとの対比を
もうちょい明確にしても良いと思う。
これだけ王妃様に心酔しているのに
愛国者(反王制派)というのは強引すぎる。
テルミドール×日のテロップもどうなのか。
どーせロベスピエールが・・・、と
最初から裁判結果がわかるよね。
好きなところもある。
衣装、セットなどの舞台美術のセンスは
やっぱり良いと思う。
芝居の進行に対しての、音楽や歌の入れ方も自然でイイ。
調香師はクリエーターであると思うけど
景子ちゃんの作品にしては
その部分にあまりブレがないのは良いかも。
ドンファンのレオ様は、
ゴーストライターが作品を作ることに対して
なんの悩みもわだかまりも無いようだったし、
パラプリのキャサリンは
自分の作品が勝手に変えられたことも
それが受賞して画家として成功に繋がったことも、
なんとも思っていないようだったからね。
でも、もうちょいその部分が強くてもいいかなあ。
王政に対していろいろ思ったとしても
自分の作品のミューズは、それとは違う次元、
ぐらいに思い切っても良いんじゃないかなあ。
ただ、ヴァレンヌ直前は良かった。
貴族と平民はわかりあえない、というか。
貴族には歩まねばならない道があり
それを平民は止められないところは
人はわかりあえても同じではない、
というのは好きだな。
スカピンで否定されたフランス革命を
ベルばらの前に肯定するのが主題だったのかなあ。
ベニは主演として安定感がある。
歌も当人比では上手くなっている。
ショー部分の光り物たくさんの白い衣装が似合っていた。
真風は華やかで体格の良さもあり
とても見栄えがする。
青年館の舞台が狭く見えるくらい。
「ダンサ」では拙さを感じたけれど、
こういうコスプレはとても板に付いていた。
二人のコンビネーションは良いね。
このまま1・2番手で組んで欲しいな。
真風はビジュアルだけでなく
声もミズに似てるかなあ。
わかばちゃんは大健闘だった!
「ダンサ」でキンキン声が気になったけど
今回はあんまりそういう響きはなく
ヴァレンヌあたりの低い声は感情が乗って聞きやすかった。
もうちょい華やかな雰囲気があるといいかな~。
ルイの妻役の綺咲愛里ちゃんは
台詞回しが幼いときがあるけど美人だった。
汐月しゅうくんには、
このままショーブランをやって欲しいくらいだった。
みきちぐやさやかさんが脇をピシッと締めていた。
専科からは2名ご出演。
京さんのトゥルゼル夫人は
専科ならではの役で良かったけど
一原さんのポリニャックは
台詞も見せ場もあまりなく
無駄遣いだったな~。
専科さん側の事情とかもあるのかな。
景子ちゃんには期待しているから
そのぶん、文句が多くなって申し訳ない。
同じネタを扱ったために
紳爾先生の偉大さがわかったのは
良いことなのか、なんなのか。
【追記】
フェルゼンとアントワネットの仲は
芝居としては深く描かれず
ベルばら前提のようで、手抜き感を感じた。
サイトー、大野なら許せても、景子ちゃんは気になるんだな。
女性演出家に対する小姑根性というより、
萌えポイントが微妙に違うんだな。
少女フレンドではなく花とゆめ系なのは同じだと思うんだけど、
僕たまが苦手な私とは微妙に路線が違うのかもー。
一人の男の裁判があった。
その名はジャン・ルイ・ファージョン。
調香師である彼は、かつて宮廷に出入りし
王妃のための香水を作っていた。
彼は貴族と親しかったという罪の他に
とある事件の関与への疑惑はあった。
彼は語り出す、かつての日々を。
そして革命の理念を、問いただす。
景子ちゃんのコスプレ物。
映像による暦の出し方、
三方に別れる壁、
革命委員会のビジュアルはスカピン。
アントワネット時代はベルばら。
と、かなり既視感のビジュアル。
牢にいるルイを見ると、
パーシー、早く助けに来て、
でも貴族じゃないからダメ?と、つい思う。
ヴァレンヌ事件を軸にもっとなにか話があると思ったら
後半はかなりベルばらだった。
ロザリーが出てきて、
牢の中のアントワネットは
鬘も衣装もベルばらと同じで
芝居もとなみ系だった。
景子ちゃんが、つい、そう作ってしまったのか、
オマージュとしてわざわざ作ったのか。
意図も含めてまったくわからない。
リメイクの「サイコ」のように
同じ絵を別の役者で、って発想?
しかし身内で近々再演するのに?
わけわからんわー。
鉄格子の向こう側で
となみが降臨しているわかばちゃんが
断頭台へ向かうかのごとき
袖に向かって歩くのに対し、
ベニが鉄格子のこちら側で
客席に向かって「王妃さまーーー!」と叫ぶ。
なぜ人形を持っていないのか、疑問に思うくらい。
ここだけ紳爾先生が演出したのか。
もしかして「植田景子 作・演出」ではなく
「植田(紳爾)&景子 作・演出」で
ユニット名だと思う方が自然なくらいだった。
しかし、景子ちゃんは、
ベルばらは到底越えられなかった。
バスティーユ陥落の場面も、東宝エリザの「ハイル!」
(正式名はわからん)をいじった印象。
ベルばらの盛り上がりは全くない。
あと、フランスの話なのに
歌詞に英単語を入れるのはどうなんか。
上記のバスティーユ陥落も
「レボーリューション!」って
民衆が叫んでいるんだよ。
王妃についても「マイ クイーン」って歌うし。
むりやり仏語にしなくてもいいけど
英単語が来ると、どうしても世界観が崩れる気がしちゃう。
んーと、あと、やっぱ、ヒロイン不在的なところがあって。
妻は顧みられない?と思っていたのに
なんとなく上手くいっちゃってるし。
恋バナはフェルゼンとアントワネットが
ベルばらを土台にしたかのように熱愛だし。
バウは必ずしも恋バナをメインにする必要がないとしても
もうちょい上手く登場人物を動かして欲しかったなあ。
アントワネットを、リアルの女性として愛するフェルゼンと
ミューズとして崇拝するルイとの対比を
もうちょい明確にしても良いと思う。
これだけ王妃様に心酔しているのに
愛国者(反王制派)というのは強引すぎる。
テルミドール×日のテロップもどうなのか。
どーせロベスピエールが・・・、と
最初から裁判結果がわかるよね。
好きなところもある。
衣装、セットなどの舞台美術のセンスは
やっぱり良いと思う。
芝居の進行に対しての、音楽や歌の入れ方も自然でイイ。
調香師はクリエーターであると思うけど
景子ちゃんの作品にしては
その部分にあまりブレがないのは良いかも。
ドンファンのレオ様は、
ゴーストライターが作品を作ることに対して
なんの悩みもわだかまりも無いようだったし、
パラプリのキャサリンは
自分の作品が勝手に変えられたことも
それが受賞して画家として成功に繋がったことも、
なんとも思っていないようだったからね。
でも、もうちょいその部分が強くてもいいかなあ。
王政に対していろいろ思ったとしても
自分の作品のミューズは、それとは違う次元、
ぐらいに思い切っても良いんじゃないかなあ。
ただ、ヴァレンヌ直前は良かった。
貴族と平民はわかりあえない、というか。
貴族には歩まねばならない道があり
それを平民は止められないところは
人はわかりあえても同じではない、
というのは好きだな。
スカピンで否定されたフランス革命を
ベルばらの前に肯定するのが主題だったのかなあ。
ベニは主演として安定感がある。
歌も当人比では上手くなっている。
ショー部分の光り物たくさんの白い衣装が似合っていた。
真風は華やかで体格の良さもあり
とても見栄えがする。
青年館の舞台が狭く見えるくらい。
「ダンサ」では拙さを感じたけれど、
こういうコスプレはとても板に付いていた。
二人のコンビネーションは良いね。
このまま1・2番手で組んで欲しいな。
真風はビジュアルだけでなく
声もミズに似てるかなあ。
わかばちゃんは大健闘だった!
「ダンサ」でキンキン声が気になったけど
今回はあんまりそういう響きはなく
ヴァレンヌあたりの低い声は感情が乗って聞きやすかった。
もうちょい華やかな雰囲気があるといいかな~。
ルイの妻役の綺咲愛里ちゃんは
台詞回しが幼いときがあるけど美人だった。
汐月しゅうくんには、
このままショーブランをやって欲しいくらいだった。
みきちぐやさやかさんが脇をピシッと締めていた。
専科からは2名ご出演。
京さんのトゥルゼル夫人は
専科ならではの役で良かったけど
一原さんのポリニャックは
台詞も見せ場もあまりなく
無駄遣いだったな~。
専科さん側の事情とかもあるのかな。
景子ちゃんには期待しているから
そのぶん、文句が多くなって申し訳ない。
同じネタを扱ったために
紳爾先生の偉大さがわかったのは
良いことなのか、なんなのか。
【追記】
フェルゼンとアントワネットの仲は
芝居としては深く描かれず
ベルばら前提のようで、手抜き感を感じた。
サイトー、大野なら許せても、景子ちゃんは気になるんだな。
女性演出家に対する小姑根性というより、
萌えポイントが微妙に違うんだな。
少女フレンドではなく花とゆめ系なのは同じだと思うんだけど、
僕たまが苦手な私とは微妙に路線が違うのかもー。