きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ロミオとジュリエット」宝塚月組(東京5回目)

2012年09月06日 | 宝塚(月組)
東京まさロミ2回目。

ずっと書き損ねていたけど
英真さんと美穂さんのご出演により
二人のデュエットが月組で聴けるのは奇跡のようだ。
力強くも暖かい歌声は、いつも聞いていて涙が出る。
美穂さんの乳母についてだけど、
ようやく「正しい乳母」が出てきたと思う。
星組、雪組は路線系で、若かった。
二人ともすごく頑張っていたけれど
乳母は本来こういう位置だと思う。
子供の気持ちより大人の意見。
「ロミオなんか雑巾ですよ」は
前二人だと、ジュリエットのために
敢えて心を鬼にして?と思えたときもあったけど
美穂さんだと、完全に大人の瞬時の計算。
ここからの意見で、
それがわかるジュリエットだからこそ、
神父様の薬を飲んでしまうのだと思う。
化粧についてもいろいろ言う人がいるけれど
コメディ部分を受け持つのだから
綺麗なだけではダメだと思う。
実際彼女が的確に笑いを起こしてくれるから
シリアスな場面が引き立つと思う。
「そのおばさんをお持ち帰りか?」も
美穂さんの乳母だからこそ成り立つんだよね。


昨日見て。
マントヴァの場面、
「ジョンが悪い」と
スカステで英真さんがおっしゃっていたけど
確かにその通りなんだけど、
ベンヴォーリオと同じで
死がすでに運命を握っているので
変えられないんだな、と思った。
あんなに一所懸命来たのに。


まさロミとみりロミの違いを考えてみる。
まさロミは、みんなより半歩早く大人になってしまった。
みんなと同じなのに少しだけ違う世界が見える。
「僕は怖い」も、死の影が自分を捉えていることがわかっている。
仲間内でも頭がひとつ出ているリーダー。
ベンやマーも友人ではあるけど、
本家の頭領としてロミオをたてている部分がちゃんとある。 
みりロミはみんなの弟で愛されまくり。
両家を結ぶために神が遣わした「天使ちゃん」。
子供なんだな。
まさロミは大人の階段を上っている最中に死んだイメージ。

みりティボはあっさりで子供風味。
ティボルトとしては弱いかなあ。
子供の頃は・・・と言われても、
あんたまだ子供じゃん、と思うけど、
なんでも大人のせいにしちゃうのは
なんだか納得できる。
みりティボはロミオと同格、というのかな。
裏表的な存在。
「同じくらい」の子供。
まさティボは、もっと大人だよね。

今まではどっちが好み、とか
いろいろ考えていたけど、
今日の段階では、どちらも「有り」だと思った。
観客としては一粒で二度楽しめる公演だったな。

ついでに言うと、
まさおは声も歌も芝居もネットリ。
あんなに若いと思っていたのに
いつのまにか宝塚の「様式美」を身につけている。
みりおはまだまださっぱり。
歌声も素直で聞きやすい。


ちゃぴのジュリエットが一段と
可愛く可憐になった。
歌声がますます娘役になっている。
日々、成長しているんだな。
(次はロザリーだけどさあ)


「愛」と「死」について。
「愛」が男役なのは納得。
あの見得、ハッタリは、
娘役ダンサーには出せないだろうな。
ゆうきは台詞が無いと良いんだよなあ。
彼女の踊りの良さは正直予想外だった。
背中や腕のしなりが柔らかく、
とても暖かい踊り。
作品のテーマの一つの「愛」を表現しつつ
狂言回し的な部分も的確に表している。
これだけ作品の本質を表す力があるのになあ・・・。
台詞が入るとなあ・・・。
逆にたまきちは、「死」の踊りはイマイチ。
ダンスでなにかを表すのではなく、
あくまでも「男役ダンス」内。
「死」に人格があって、それをダンスで表現する、
って流れに見えるんだけど、
そもそも人格がないので、
結果的に中途半端になっている。
新公の芝居は良かったんだけどね。


青チームのメンバーがかなり判別がつくようになった。
みっしょんがイケメンだった。
ちなつはゆーひをゴツくしたかんじかなあ。
赤チームでわかりやすいのは
まんちゃんの他は、ひびきちとみづき。
ひびきちは女と組むとエロさ倍増だな。

あちょうはちょっと太った?
ショー部分では、相変わらず上半身が落ちない踊りで
ウハウハ堪能したよ。

ゆりやのパリスは、
もうこれしかないだろう!
ってぐらいハマっている。
好き。



某所で聞いた、
「しょせん『世界の王』を歌っちゃう年頃なんだから」
が、ジワジワ来る。
その年頃だから、
自分がいる世界はどこよりもすごくて
大人なんかに負けなくて、
唯一無二の場所。
それが、そうでは無いと、だんだん気が付く。
「僕は恐い」も「どうやって伝えよう」も、そう。
誰もが通ってきた道を追体験している気持ち。
ベンの「青春が終わってしまった」でいつもボロ泣きする。

ラスト、青と赤が手を取り合う場面で
ベンヴォーリオだけ
誰とも手を取らないんだよね。
(WSSのアイスは一番最初に動くのに)
青と赤が手を取り合うのは和解を表しているので
一足先にその気持ちを持ったベンヴォーリオには不要とか、
将来、どちらにも組しない大公になる暗示とか考えたり。
(だから大公様と一緒に去る、と。
 どうでもいいけど、まゆぽんのあの包容力はなんだ!)
実際は、三角フォーメーションを作る都合だと思うけどね。


それにしても!
ベンヴォーリオとマーキューシオが
ますますツーカーになっている。
この風景が見られるのがあと少しだと思うと
とても寂しい。
それを考えるだけで泣ける。


バタバタしていてなかなか感想が書けず
ツイッターのメモを転載することが多かったけど
これで書き漏れはないかな?
思い出したら追加します。
コメント (6)
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