きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「サラの鍵」

2011年12月28日 | 映画
ヴェル・ディヴ事件に巻き込まれたユダヤ人一家と
当時を追う女性記者の物語が同時並行。

それぞれのドラマも見応えがあり
2つの時代が織り混ざっているが混乱はない。

サラの運命は?行方は?
少しずつ明かされていく物語に
緊張しっぱなし。

良かったー、と思ったら
そこでは終わらず。
でも、そうなるだろうな、とも思う。

過酷な運命の中にも
暖かい絆もあった。
収容所の兵士、
助けてくれた老夫婦。
(この老夫婦と巡り会えたのはとてつもなくラッキーだと思う。
 見かけによらず、世事に長けていたよ!)

記者がサラの息子に真実を告げたとき。
見ている方も、これで良かった、と思ったのに
彼はそれを拒否した。
「ユダヤ人の血を引いている」というのは
現代のアメリカでも、なんというか
モニョる部分があるんですね。
ナチスはユダヤ人を殺しすぎたけど
それにいたる土台はその国でもあったわけで。
しかし、だからこそ、その後の、
自分の出自を受けれた後の笑顔が良かった。

フランスの「いまどきの若者」が
事件を知らなかったことや、
(職場は英語だったね)
フランス政府が最近になって事件を認めたことなどが
いまの日本に被るかなあ。

生きたくても生きられなかった、
死ぬしかなかった人達がいた過去と、
堕胎を考える現代の交錯も上手いなあ。

いい作品だった。
コメント
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