きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「田園に死す」(流山児★事務所)

2012年02月17日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)
普段は見ない分野なのですが
友人のお誘いがあったので行ってきました。
実は初スズナリだよ!

寺山修司の「田園の死す」を大胆に脚色、らしいけど
あらすじ程度しか知らない私は
元の映画等とどう違っているかはわかりません。

でも、すごく面白かった!
思っていた以上に話は良くわかった。
幾重にも重ねられる言葉に誘われる
不思議な世界。
どこまでが過去どこまでが現在?
どこまでが幻想でどこまでが現実?
自分の記憶であっても、
それは一つではないし、
正しいとも限らない。
だが時間は未来へ、
死に向かって
流れ続け止まることはない。

すごく緻密に、理性的に組み立てられている話だからこそ
感性だけで楽しむことができる。
小さいハコだからこそ
濃密な空間になる。

一見ハチャメチャでまとまりがないようだけど
終盤に向けて綺麗に収束する。

ヅカ以外の芝居では下ネタが多用されることがある。
それは、基本的にみんなファンというヅカと違い
最初は常温程度の客席を暖めるには
それが手っ取り早いからだ。
でも、こちらは違う。
あれだけ下系や笑いを入れるのは
言葉だけだと鋭すぎちゃうんだな。

ご招待の舞台に行くと、
この場面のこういう風景だけ描きたい、
ってだけの芝居もあるし、
笑いの部分は多くてその場は楽しめるけど
オチが取ってつけただけの芝居もある。
でも、今回はまるで違った。
すべてが必要で、すべてが収束に向けて動いている。
芝居ってのは、こういうものを言うんだ!

とても堪能しました。
コメント
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